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INTERVIEW

Japanese

SHE'S × Marshall

2022年09月号掲載

SHE'S × Marshall

Member:井上 竜馬(Vo/Key) 服部 栞汰(Gt) 広瀬 臣吾(Ba) 木村 雅人(Dr)

Interviewer:米沢 彰 Photo by 濱谷 幸江

今年2月、結成10周年を記念しての初の日本武道館公演を成功させ、同公演の映像作品も7月にリリース。さらに9月からは全国対バン・ツアーを控えたSHE'Sの4人がMarshallのワイヤレス・イヤホン"MODEⅡ"を徹底チェック。幅広いサウンドを鳴らす彼ららしい視点から、自身のサウンドの源泉とともに、率直な意見を訊いた。


いろんな楽器とか打ち込みとか、自分のギターのニュアンスとかリバーブの雰囲気とかもしっかり表現できるイヤホン


-まず、Marshallというブランドへのイメージを教えていただけますでしょうか?

全員:ロックです。

服部:一番最初に買ったのがMarshallでした。

井上:俺もだ。

-いつ頃だったんですか?

服部:たしか中学1年生のときかな?

-そうなんですね。SHE'Sはピアノの印象が強いですが、一方で服部さんのギターがオールドスクールなロック色が強めだったりして、バンドとしてのサウンドが幅広いなとも感じます。サウンド・コンセプトや、サウンドへのこだわりについて教えていただけますか?

井上:サウンドのこだわりは、バンド全体としてはなくて、その曲が求めているサウンド感を追求しているという感じですね。だから悪い言い方をすると、あえて(服部)栞汰の特徴をつぶすようなサウンドにするときもあるし、曲によっては80'sロックとかの要素を入れるときもあるし、あまり形式にとらわれないようにしています。作っていたときには想定してなかったけど、栞汰のロックっぽい感じを入れてみたら意外と合ってたっていうときもあるし。ベースに関しても、これ意外とシンセ・ベース? ってなるときとか。4人ともそんなにこだわりはなく、柔軟に作ってます。

服部:そうですね。曲のイメージとか、どんな曲にしたいとか。僕の"らしさ"みたいなものが、いい意味で合ってないっていうのが逆に良かったり。自分の持ち味とか他に出せない音っていうのを意識して作りながらも、どんな曲にでも対応できるような意識を持っていろんな曲に挑戦しています。

木村:ドラムに関しても、"SHE'Sはこの音!"っていうよりは、振れ幅が大きいので、曲によってそれに合った自由な音作りをしていますね。

広瀬:僕も、曲が良ければなんでもいいとは思ってますね。でも、自分はちょっといなたいサウンドが好きかもしれないってことを最近発見したんですよ。60年代、70年代とかの音楽が好きなんで。シンセ・ベースにするにしてもStevie Wonderとかを目指してしまうし、"なんでもいい"とは言いつつも、自然とそういう方向に流れていくっていう気はしますね。

-SHE'Sのサウンドはいい意味で時代性がないというか、いろんな時代のいい部分を消化してきているなっていう印象があります。メンバーみなさん、古い音楽も結構聴いているんですか?

井上:僕はまったく聴かなくて。そこは他の3人が補っている感じですね。マジで昔の音楽は全然聴かないので、THE BEATLESすら本当に有名な曲しかわからないくらいです(笑)。日本の音楽よりも海外の音楽をよく聴くんですけど、数年前から80'sのリバイバルっていうのがポップスでもロック・シーンでもよく取り入れられているので、今それを聴くことで、自然とそれらが影響を受けているもとの80'sの要素が入るっていうことはありますよね(笑)。直接80's の曲を聴くかっていうと聴かないけど、間接的な影響は受けてるっていう。

-たしかに今はリバイバル・ブームも起きていて、面白いですよね。

井上:最近、TikTokで「タイミング ~Timing~​」(Klang Rulerによるブラック・ビスケッツのカバー)が流行ってるらしくて。誰かがカバーすることで"もとの曲は知らないけど、この曲いいなぁ"って再認識されることってありますよね。そういう感じですかね。

木村:僕もそんなに80'sとかは聴いてこなかったんですけど、(井上)竜馬が作ってくれた曲のルーツというか、そういうものは意識して、曲作りやフレーズには取り入れようとしていますね。

服部:僕は中学生、高校生のときに80年代の曲ばっかり聴いていて、いわゆる"ギター・ヒーロー"って言われるアーティストを掘って聴いていたんですけど、Marshallを買ったのも、KISSが好きでAce Frehleyが使ってるっていうのを聞いて買ったので。逆に、最近の曲は竜馬に"こういうのをイメージしたんだ"っていうのを聞いて、海外の音楽、それこそヒップホップとかでも"これにどういうギターが入っているんだろう?"っていうのを聴いて、それから"こういう音楽にはこういうギターを入れたほうがいいかな"っていうのをいろいろ研究して取り入れていますね。

広瀬:僕は竜馬とは逆に、60年代とかの"元祖"っていうものばかり聴いていたんですよ。なので、竜馬が持ってきた"こういう曲にしたい"っていうリファレンスが最近の80'sリバイバルだったりすると、"昔の感じを今風にやるとこういうふうに消化できるんや"っていうように、逆に参考になったりするんです。そういうのもあって、バンドとしてはいい感じにバランスが取れてるんじゃないかと思いますね。

-それぞれの捉え方が違っていて面白いですね。今回の取材に先立って、ワイヤレス・イヤホンの"MODEⅡ"というモデルをお使いいただきましたが。こちらはすごく軽くてホールド感もあって、いろんな場面で活用できるのではないかと思いますが、みなさんはどういう使い方をされましたか?

広瀬:電車でも使ったし、家でも使ってみました。日常の中では、移動中を中心に使っていましたね。

服部:家で長時間つけていてもしんどさや負担が少ないので、例えばランニングなんかにもいいですよね。防水性能もあるっていうことで汗かいたりしても大丈夫そうだし。

-そうですね。軽いけどしっかりしているので、動いていても飛んでいきそうな感じはしないですよね。

広瀬:耳にフィットする感じはありますね。

-試してみた音源をうかがっても良いでしょうか?

広瀬:ひと通りいろんなジャンルを聴いてみたんですよ。それで、自分の中での"Marshall"っていうイメージもあったと思うんですけど、結果やっぱりAC/DCが一番カッコ良かったなって(笑)。

一同:(笑)

広瀬:AC/DCの一番新しいアルバム(2020年リリースの『Power Up』)が一番良かったです。

井上:僕はロックも聴いてみたんですけど、どっちかというとポップスをいろいろ試してみて。低音がしつこいとしんどくなることが多いので、そこのバランスどうやろと思って、EDMとかポップスとかいろんなサウンドを試してみたんですけど、これはわりと低音もちゃんと出てるけどめちゃ聴きやすいなって印象でした。バンド・サウンドはもちろんパンチがありましたし。音がクリアで、どのジャンルを聴いても合うんじゃないかと思いました。

木村:僕はやっぱりドラム中心に聴いちゃうんですけど、すごく音に立体感があるっていうか。ドラムの表面的な音だけじゃなくて、実際の太鼓の揺れとか叩いている感じとか、そういうのがすごくくっきりわかって、体感できるイヤホンだなと感じました。

服部:僕もいろんなジャンルを聴いてみましたが、ギターのニュアンスもわかりやすいなって。さっき竜馬も言ってましたが、重低音の主張が強いとギターが埋もれちゃうことがあるんですが、このイヤホンだと、一番気持ちいいバランスで耳に届いてくれるっていうのが印象としてありますね。

-まずはSHE'Sを聴いたよって話が出るかと思ったんですが(笑)。

一同:(笑)

広瀬:言い忘れてた(笑)。一番最初に聴きましたよ。(アプリで)EQもいじれたからいろいろチューニングしてみて。一番フラットな状態がわかるのが自分たちの曲なので。

井上:まったく聴いてなかった(笑)。

-僕は最初にSHE'Sの曲を聴いてみたんですよ。それで、めちゃくちゃ合うなって思ったんです。ストリングスが入っていたりとか、もちろんピアノもあるし、その一方でロック色の強い楽曲もあったり。SHE'Sの楽曲だといろいろなジャンルの雰囲気を試して聴ける、みたいなところがあるので、面白いなと思って聴かせてもらったんです。

服部:たしかに、いろんな楽器とか打ち込みとか、自分のギターのニュアンスとかリバーブの雰囲気とかもしっかり表現できるイヤホンだなと思いましたね。

木村:音数が多いので混ざってしまいがちなんですけど、音の棲み分けがきちんとできていて、どの音もはっきり聴こえてきますし、ドラムのニュアンスとか太鼓による個性とか、そういうのもすごくわかりやすく聴こえましたね。

広瀬:ベースってわりと後ろのほうにいるイメージだと思うんですが、自分がたまに出したいベースのロックな部分、ピックのアタックの感じとか、そういうのがすごくわかりやすくて嬉しかったですね。

-SHE'Sのライヴ音源も聴いてみたんですが、中音域から高音域の解像度が高いなと感じました。

広瀬:音圧もすごくありますよね。ライヴっぽい音圧というか、距離がすぐ目の前に感じるというか。

-そうですね。ライヴ音源を聴くと、本当に会場にいるみたいに感じるんですよね。胸に振動が来ないだけで、あとは会場にいる感覚というか。ライヴ音源は何か聴いてみました?

服部:KISSの最近のライヴ音源を聴いてみました。Marshallっていうと、そっちにいっちゃいますよね(笑)。

一同:(笑)

-操作性についてなんですが、タッチ・コントロールになっていて、右側を1回タッチすると再生できたりとか、2回タッチすると早送りできたりとか、スマホを出さなくても操作できるというところが特徴的ですよね。

服部:撮影のときに感じたんですが、左側をタッチすると周りの音が聞こえるようになったりとか、便利ですよね。

-ケースの表面の質感もすごいこだわりがあって、ロゴの立体感もあって、開けても中にしっかりロゴがあったりとか。

服部:これはカッコいいですよね! パーツもアンプのツマミみたいなゴールドだったり。もうMarshallそのものですよね。

広瀬:ほんと、卑怯としか言いようがない(笑)。卑怯なぐらいカッコいい。あと、小さいのもいいですよね。