Japanese
GLIM SPANKY × Marshall
2022年10月号掲載
Member:松尾 レミ(Vo/Gt) 亀本 寛貴(Gt)
Interviewer:米沢 彰 Photo by 濱谷 幸江
8月に6thアルバム『Into The Time Hole』をリリース。11月からは全国ツアーを控えるGLIM SPANKYのふたりがMarshallのヘッドホンを徹底チェック。ロック・サウンドを核に持ち、自らの道を切り拓き続けるふたりならではの視点で自由に語った。
-おふたりのMarshallに対するイメージを教えていただけますか?
松尾:最初のイメージは、分厚くて温もりのあるとてもいい音が出るっていうイメージで、憧れのアンプでした。私たちは長野県の本当に田舎のほうの出身で、そこは東京にあるようなライヴハウスもない地域だったんですよ。だからライヴする場所にあんまりMarshallが置いていなかったりして......憧れのアンプっていうのがすごくありました。上京してからはスタジオでもたくさん使われているので、愛用しています。
亀本:リハスタには絶対JCM Seriesの大きいやつがあるから触れたことは全然あって、"めっちゃ音デカいやつ"みたいな(笑)。あと真空管の入ったアンプっていう、60年代ぐらいからあるブランドのイメージですね。
-亀本さんはMarshallのアンプをずっと使っていますよね。いつ頃からお使いなんですか?
亀本:やっぱりライヴハウスにあったので、東京に出てきてから使うようになりましたね。デビューしたあとも曲作りの傾向を変えたくなかったので、自分のアンプを持ち歩くようになった最初の段階でも、ライヴハウスに置いてあるようなタイプのMarshallのJCM2000をずっと使っていて。ロック・ミュージックにおいてスタンダードというか、一番標準的な、みんなが思っているロック・サウンド、みんなが思い描く"ロックのギターってこういう音だよね"っていうものの代名詞だと思っています。それは、ギターそのものの種類以上にMarshallが持っている音のほうが、みんなが思っている"ロックの歪み"に合っている部分が実は大きいんじゃないかって感じますね。
-どういうギターで弾いているかよりどのアンプ、どのヘッドを使っているかのほうが大きいってたしかにありますよね。
亀本:エレキ・ギターは特に電子楽器だから、電子部分がどうってのが実はめちゃくちゃ大きいですよね。ぶっちゃけ木じゃなくてプラスチックでもそんなに音は変わらない。アンプがMarshallかFenderかでめっちゃ音変わるから。
-亀本さんはMarshallの公式動画にも出演されていて、すごく細かい解説をされていますよね。
亀本:そうですね。特に昔のMarshallって、歪みの量と音量を決めるっていうよりは、有機的にボリュームと歪みに相互作用がはたらいているので、そのコントロールが音色作りで結構大事で(※昔のMarshallは音量を大きくしないと適度に歪みがかからないため音量と歪みのバランスが重要)。LOWとかMIDとかHIGHとかのイコライジングがそんなに効かないんですよね。それよりボリュームの位置がすごくいろいろ関与してくるので、本当に昔のMarshallはいい音量じゃないとちゃんとカッコいい音が鳴らなかったりしますし。でも、今の音響設備でその音量を鳴らすのは難しいので、今出ている昔のスタイルの"ボリュームで音作りをするタイプ"だけど音量が小さいものを使っていて。60年代のロック系アンプの音作りがすごく好きなので、それを今の環境で生かせるようにっていうのをいつも重視してやっていますね。
-少し話は変わりますが、GLIM SPANKYとしてのサウンドに関してのこだわりとか、どういうところを目指しているかをうかがってもいいでしょうか。
松尾:自分たちの好きな音楽とか、好きなファッションとかが60年代中盤から71~2年ぐらいまでってインタビューで言うことが多いので、楽器もめちゃめちゃ古いものしか使わないのかなと思われがちなんですけど、全然そういうこともなくて。結局は自分がカッコいいと思う音を選ぶんですけど、あんまり時代は関係なく、様々な楽器をどう自分なりに使うか、どうセンスで良く見せていくかみたいなのに結構こだわっていますね。あと最近は打ち込みサウンドをかなり取り入れ始めたので、今までだったらバンドで発生する音だけって感じだったんですけど、打ち込みを使いつつ、その打ち込みの音をいい意味でレトロにカッコいい音にアレンジして、それをどう現代の音楽に組み込むかってところをかなり大切にしています。好きなルーツを組み込みながら新しい音楽を作っていきたいという感じです。
亀本:やってもしょうがないことをやっても面白くないので、これは出す意味があるよなっていうものにしようとはすごく考えていて。最終的には自分がこんなことに挑戦してみたいなって思うことをやるんですけど、やっぱりちゃんと"ロック感"というか、"ロック魂"というか、そんなところを感じる作品とか音楽にすることは常に根底に存在していますね。やっぱりギター・サウンドって"ロック感"のすごく重要になるものなので、じゃあ"ロック感"を感じるギター・サウンドは何かって考えたときに、やっぱりMarshallありきだと......。みんなが"ロック感"を感じるギター・サウンドっていうのにMarshallが存在していて、60年代からのロックの歪みの発展の歴史=Marshallの歴史なんです。だからそれが、僕がすごく重視してて、必ず自分の中に必要だって思っているロックのエネルギーとかなのかなって思っています。
-散々いろいろなところでも言われているかもしれないんですけど、個人的にはふたり組ということもあって、THE WHITE STRIPESと重なるところがあるんです。MVとかを観ていても、「愚か者たち」(2018年リリースの3rdシングル表題曲)のMVに、「Seven Nation Army」へのリスペクトを個人的には感じていたんですけど、そういう思いを重ねている部分はあったりしますか?
松尾:私は中学校2年生のときに、THE WHITE STRIPESをきっかけに、いろいろなルーツ・ロックを探っていけたっていうのがあって。THE WHITE STRIPESって面白いのが、様々なカバーをしたりブルースのいろんなすごい表現をしたりしてますけど、Jack White(Vo/Gt)自体があの時代の感覚的に結構新しい人だったと思うんですよ。タイトルの付け方とかも"De Stijl"っていうデザイン用語とか、アート的なものを組み込むとか、ファッションも赤と白でキャンディみたいな感じで(笑)。あんなすごく荒い感情を出すギターを弾くにもかかわらず、インテリなところがあるのがすごく好きで、そういうところは自分のデザインや表現にもかなり参考にしていますね。あとはJack Whiteの音がすごく好きなので、オクターバーを亀(亀本)に使ってもらうとか、そういうのもたくさんやってます。自分のルーツを、いかに新しいものにして出していくかっていうことを私はすごく大切にしていて、ファッションも音楽もすべて含めてアイデンティティを出せるツールとして、バックボーンを表現していきたいなと思っていますね。
亀本:Jack Whiteはそのあとたくさんいろんなバンドをやって実質ひとりで成立していて、ぶっちゃけドラムがいようがいまいが、あんまり関係がなかったというか、女性のドラマーで、しかも手数がほぼないみたいなドラマーとのふたりグループっていうのは、音楽的な制約が強すぎたじゃないですか。だから早い段階で解散して、他の活動を始めたと思うんですけど。その意味で言うと、あれはかなりミニマムな編成で、カラーも決めてこんなことをやるっていうコンセプトのもとの音楽なんです。僕らはそういう制約を限りなく排除したうえで、ライフワークとして、GLIM SPANKYとして永遠に楽曲を作り続けていくって活動をしようとしているので、わりと違うのかなと思ってはいますね。ただ、ブルースやロックのサウンドとか過去の素晴らしい音楽へのリスペクトを、前面にしっかり押し出すみたいなところは共通している部分で、僕もすごく重視するようにしていますし、そういうものに共感するしそういうアーティストにリスペクトを持つので、そこは通ずるのかなって気がします。
-そういう海外のロック・サウンドをルーツに濃く持ちながらも、日本語詞を大事にしているのもすごく特徴になっていますね。
松尾:私が英語ペラペラで日本語と同じぐらいの歌詞表現ができればいいんですけど、そういうわけじゃないので、やっぱり一番得意な武器を使って表現することが最適かなって。
-自然に出てくるのが日本語だからっていうことですね。
松尾:あとは日本語の持つ描写の細かさとか......GLIM SPANKYって攻撃的な曲もありつつ、幻想文学の部分からもすごく影響を受けていて歌詞が幻想的な曲もあるので、そういう部分を表現するのに日本語が最適なのもあります。
亀本:そうだね、英語がまったくわからないから。日本語の歌詞だったらいろいろなことが表現できるんですけど、たぶん英語にしたらすごく稚拙な歌詞になっちゃって、"俺はこう感じた"、"君にこう思った"、"それでも立ち上がる"みたいな(笑)。そういうことになっちゃう。わりと日本人がやってる英語のロックとか、世界に向けてやってる海外のポップ・スターの歌詞もそういう感じだったりしますけど、インディーのアーティストとかだと、みんなが理解できるポップスとは全然違う歌詞を書いていたりする。だけどそれは、僕らは英語ではできないし、そこを簡単にするのはやりたいことではないから日本語でやるしかない、それだけです。
-ヘッドホンの話に入っていきたいと思うんですけれども、そもそも普段音楽を聴くときってどういうスタイルで聴いていますか?
松尾:私は移動中がかなり多いですね。あとはデザイン作業を家でずっとするので、そのときにずっと流しているとか、そういう感じかなぁ。
-そのときに使う機材は?
松尾:移動のときはBluetoothのイヤホンを使って、家のときはBluetoothのスピーカーまたはスマホで聴かない場合はレコードをスピーカーで聴くかですね。
-なるほど。亀本さんはいかがですか?
亀本:僕は家のときはパソコンで聴いていることが多くて、パソコンが曲作り用のパソコンなので、オーディオ・インターフェイスを繋いで、モニター・スピーカーで流しているパターンが多いですね。それで配信ライヴとかYouTubeのライヴ映像とかも全部観てるって感じでやってて、音が出せないときはイヤホンを使うんですけど、外出てるときとか移動中とかはAirPods Proが多いですね。iPhoneとのリンクがすごく楽なのでAirPods Proでだいたい聴くって感じで。結構シェアが高いじゃないですか。だから世間の人との共通認識というか、感覚を合わせようって思ってAirPods Proにしてるって感じですね。
-その環境で普段はどういう音源を聴いていますか?
松尾:結構自分の曲も聴きますし、クラシック・ロックとか、海外のインディー系のミュージシャンが好きなので、そういうのを掘っては聴いてみたいな感じですね。
-では、リアルタイムの音源とちょっと古めの音源とっていう感じですかね。
松尾:そうですね。新しい音源はインディー系をずっと掘っている感じです。あとは好きな自分のルーツのロックを聴いています。
-ありがとうございます。亀本さんはいかがですか?
亀本:僕も同じですね。めっちゃ古いのも聴きますし、めっちゃ最近の、ずとまよ(ずっと真夜中でいいのに。)が流れることもあれば、最近聴いていたのが"ミンストレル・ショー"って、白人が顔を黒塗りにして黒人音楽をやるという、たぶん1800年代後半とか1920年くらいまであったショーで、音楽的にはカントリー・ウエスタン的な感じなんだけど、若干ブラック・ミュージックが入ってるみたいなやつです。でもそれは録音が残ってなくて、それを20年代ぐらいの人たちが再現して録音されたやつで。
松尾:20年代ぐらいの人......当時やってた人が?
亀本:当時ははるか昔で音源がないから、それを残ってる譜面とかで再現した音源で。でもそれも1900年代前半ぐらいの音源。
松尾:なるほど。
LIVE INFO
- 2024.03.19
-
神はサイコロを振らない
BIGMAMA
MyGO!!!!!
怒髪天
WurtS
EASTOKLAB
eill
XIIX
milet
East Of Eden
the chef cooks me
- 2024.03.20
-
神はサイコロを振らない
Mr.ふぉるて
いきものがかり
怒髪天
yama
BUMP OF CHICKEN
MAGIC OF LiFE
CRYAMY
AJICO
SUPERCHUNK × NOT WONK
SHE'S
UNCHAIN
Galileo Galilei × BBHF
Tsukasa Inoue
GLIM SPANKY
れん
シノダ(ヒトリエ)
WurtS
Hakubi
ZAZEN BOYS
ザ・クロマニヨンズ
DURAN
秋山黄色×石崎ひゅーい
Amber's
竹内アンナ
TOOBOE
milet
Hello Sleepwalkers
the chef cooks me
- 2024.03.22
-
"HY SKY Fes 2024"
怒髪天
Mr.ふぉるて
さかいゆう
シノダ(ヒトリエ)
キュウソネコカミ
yama
クジラ夜の街
マルシィ
MyGO!!!!!
Creepy Nuts
FABLED NUMBER
a flood of circle
Base Ball Bear
TAIKING
Hakubi
Age Factory
Absolute area
PEDRO × MONO NO AWARE
スピラ・スピカ
ORCALAND
シンガーズハイ
ズーカラデル
- 2024.03.23
-
ヤバイTシャツ屋さん
"HY SKY Fes 2024"
怒髪天
クジラ夜の街
yama
眉村ちあき ※振替公演
ORCALAND
AJICO
原因は自分にある。
Tsukasa Inoue
indigo la End
King Gnu
ExWHYZ
TAIKING
SUPERCHUNK × NOT WONK
EASTOKLAB
Base Ball Bear
MAGIC OF LiFE
Laughing Hick
Creepy Nuts
sumika
東京初期衝動
大塚紗英
フラワーカンパニーズ
"ツタロックフェス2024"
マカロニえんぴつ
Uniolla
離婚伝説
めいちゃん
THE BACK HORN
SUPER BEAVER
虎の子ラミー
TENDOUJI
- 2024.03.24
-
"HY SKY Fes 2024"
眉村ちあき ※振替公演
にしな
いきものがかり
ハンブレッダーズ
MAGIC OF LiFE
さかいゆう
JYOCHO
sumika
indigo la End
東京初期衝動
KiSS KiSS
"ツタロックフェス2024"
Ivy to Fraudulent Game × osage
マハラージャン
cinema staff
GLIM SPANKY
SUPERCHUNK × NOT WONK
めいちゃん
SUPER BEAVER
Newspeak
- 2024.03.25
-
Base Ball Bear
怒髪天
ザ・クロマニヨンズ
SUPERCHUNK
- 2024.03.26
-
神はサイコロを振らない
挫・人間
reGretGirl
- 2024.03.28
-
Hakubi
神はサイコロを振らない
レイラ
リーガルリリー
yama
LEGO BIG MORL
WurtS
- 2024.03.29
-
ORCALAND
いきものがかり
レイラ
BIGMAMA
Mr.ふぉるて
the McFaddin
yutori
Mega Shinnosuke
FABLED NUMBER
Creepy Nuts
佐々木亮介(a flood of circle)
Panic Monster !n Wonderland
Tsukasa Inoue
The fin.
CVLTE
マルシィ
- 2024.03.30
-
キュウソネコカミ
MAGIC OF LiFE
シノダ(ヒトリエ)
神はサイコロを振らない
04 Limited Sazabys / My Hair is Bad / go!go!vanillas ほか
フラワーカンパニーズ
ヤングスキニー
ザ・クロマニヨンズ
Laughing Hick
KANA-BOON ※開催中止
東京初期衝動
BUMP OF CHICKEN
夜の本気ダンス
夜の本気ダンス
Mega Shinnosuke
にしな
This is LAST
the telephones
yama
SEKAI NO OWARI
GLIM SPANKY
SHE'S
kobore
Base Ball Bear
Subway Daydream
TAIKING
People In The Box
マカロニえんぴつ
AJICO
ハク。
MAN WITH A MISSION / サンボマスター / ACIDMAN ほか
indigo la End
Saucy Dog
- 2024.03.31
-
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
東京初期衝動
ヤングスキニー
ORCALAND
フラワーカンパニーズ
神はサイコロを振らない
sumika / THE ORAL CIGARETTES / SiM ほか
MAGIC OF LiFE
いきものがかり
ザ・クロマニヨンズ
ズーカラデル
Mr.ふぉるて
BUMP OF CHICKEN
超能力戦士ドリアン
リーガルリリー
yutori
the telephones
odol
挫・人間
yama
moon drop
SEKAI NO OWARI
This is LAST
People In The Box
マカロニえんぴつ
原因は自分にある。
さかいゆう
怒髪天 / GLAY / さだまさし
Saucy Dog
- 2024.04.02
-
神はサイコロを振らない
SCANDAL
- 2024.04.03
-
ハク。
ヤングスキニー
indigo la End
RELEASE INFO
- 2024.03.20
- 2024.03.22
- 2024.03.27
- 2024.03.28
- 2024.03.29
- 2024.03.31
- 2024.04.03
- 2024.04.05
- 2024.04.07
- 2024.04.09
- 2024.04.10
- 2024.04.17
- 2024.04.21
- 2024.04.22
- 2024.04.24
- 2024.04.26
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
MGMT
Skream! 2024年03月号