Japanese
GLIM SPANKY
Skream! マガジン 2023年11月号掲載
2023.08.05 @恵比寿ザ・ガーデンホール
Writer : 山口 哲生 Photographer:上飯坂一
挨拶代わりに演奏された1曲目の「Velvet Theater」から、とにかく圧巻だった。サイケデリックな光に照らされた松尾レミが、アコースティック・ギターを柔らかく弾きながら、ハスキーな歌声で一気にその世界へ引き込み、亀本寛貴は憂いを帯びながらも熱のあるギターを高鳴らす。ステージ背面全体に張られたスクリーンには、リアルタイムで形を変えていくオイル・アートが投影され、それは不気味で禍々しいもののようにも、もしくは生命の神秘を感じさせる崇高なもののようにも映し出されていく。そんな刺激的で濃密な空間に、超満員の会場は大喝采に包まれた。その熱を受け止め、ふたりは次々と曲を繰り出していく――。
GLIM SPANKYが定期的に開催してきたコンセプト・ワンマン・ライヴ"Velvet Theater"。4年ぶりに開催されたこのライヴは、ふたりが送り出してきた音楽の中から幻想的な楽曲を多くピックアップし、照明や演出含めて、その世界観を作り上げていくというもの。これまで東京公演は東京キネマ倶楽部で行われてきたが、本ツアーでは恵比寿ザ・ガーデンホールに場所を移しての開催となった。
"私たちは友達だから、今日は最高のパーティーにして、最高な夜の世界に、みんなで迷い込もうと思います"という松尾の言葉の通り、様々な夜を描き出していくふたり。大音量のクラップが巻き起こったダンサブルな「In the air」や、サイケなギターと爆発力のあるバンド・サウンドにスタジアムが目に浮かぶ最新曲「Odd Dancer」といった身体に強く訴え掛ける楽曲はもちろん、「NIGHT LAN DOT」では荒野に銀色のモニュメントがそびえ立つ不可思議な世界が、亀本のアグレッシヴなギターが牽引するオリエンタルな雰囲気たっぷりのインプロからなだれ込んだ「MIDNIGHT CIRCUS」では、砂漠を旅するサーカス団のシルエットがそれぞれスクリーンに映し出され、視覚的にも強く訴え掛けていく。
どれも凄まじく没入感のある演奏ばかりだったのだが、白眉は、タイトルは未定ながらも、過去の"Velvet Theater"でも披露されていた楽曲。時計の秒針の音と、アップライト・ベースが時刻を告げる鐘の音のように鳴り響くと、松尾がアコギを奏でながら、ポエトリー・リーディングを始める。スクリーンには顔の描かれた三日月が佇むなか、真夜中にしか現れない不思議な街へ誘うように、重厚で哀愁に満ちながらも、どこか温かく、安らぎをも感じさせるアンサンブルが奏でられると、まるでふたりが紡ぎ上げた寓話の世界に完全に入り込んでしまったかのような感覚に陥り、強烈なまでの陶酔感に身も心も溺れさせられた。
ほかにも、スタジオジブリ映画"アーヤと魔女"のコンセプト・アルバムに書き下ろした「The House in Lime Avenue」を初披露するなど、いつものライヴとは違う表情を見せる、あるいはマニアックな部分を徹底的に突き詰めるという特性を持った"Velvet Theater"。松尾いわく、それは"趣味爆発な企画"であり、かなりディープな空間になっていたのだが、一見さんお断り的なクローズドな空気は皆無だ。それは、ルーツに根差しながらも、懐古趣味で終わることなく、現代を生きる多くの人たちの心を揺さぶる音楽を生み出し続けている、ふたりだから作り上げられる空気感でもあるだろう。GLIM SPANKYの美学や真髄を、会場にいるひとりひとりと共有していくことで生まれる一体感が、最高に心地よい一夜だった。11月15日に発表される7thアルバム『The Goldmine』も、激しく期待しながら待ちたい。
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