Japanese
SHE'S
2018年11月号掲載
Member:井上 竜馬(Key/Gt/Vo) 服部 栞汰(Gt) 広瀬 臣吾(Ba) 木村 雅人(Dr)
Interviewer:沖 さやこ
EDMを取り入れた表題曲を筆頭に、挑戦的な3曲が揃ったシングル『歓びの陽』から約3ヶ月。SHE'Sから届けられた最新シングル『The Everglow』は、新しいアプローチに挑戦しながらも、彼らのナチュラルな空気感や4人の個性、井上竜馬の核心や人間性が如実に浮かび上がる3曲が収録されている。SHE'S結成前の井上竜馬の音楽やバンドの原体験、現在の環境で感じる率直な気持ちなど、『歓びの陽』と趣の異なる、星空と月が美しく輝く秋にぴったりのシングルが完成した。
-今作、収録曲を聴く前にまずタイトルにはっとしました。井上さんが影響を受けていると公言しているMAEに『The Everglow』というアルバムが、COLDPLAYに「Everglow」という楽曲がありますよね。
井上:MAEの『The Everglow』を聴いて衝撃を受けたことがSHE'Sを組むきっかけになって、そのあとにCOLDPLAYも「Everglow」という曲を出して――その2バンドの描く"Everglow=永遠の輝き"を見てきているから、その言葉に魅力を感じてきたんです。結成当時から"自分にとって永遠の輝きがなんなのか見つけたら「The Everglow」というタイトルの曲を歌いたいな"とは思っていて。
-7年の時を経て、ようやく井上さんの"The Everglow"を見つけられたんですね。
井上:これまでも"The Everglow"という仮タイトルを付けて書いた曲もあったんです。そのたびに"違う、俺の目指す「The Everglow」のハードルを越えていない!"ということを繰り返してきて......それが今回ようやく自分の納得いくところに行けたんですよね。
-今回の「The Everglow」は仮タイトルのころから"The Everglow"だったんですか?
井上:いや、最初は"ああああ"みたいな、保存するための間に合わせ的な感じでした(笑)。でもサビの歌詞はデモの段階からこのまんまですね。サウンドや曲調も自分が思っているよりもいいものができたし、自分の中でひとつ"永遠に輝くものとはなんぞや"という問いに対する答えが出た感覚があったんです。それで歌詞を書くタイミングで"「The Everglow」というタイトルはこの曲しかないな"と思った。この曲を逃したら一生書かへんやろなとも思いましたね。
-「The Everglow」はずっと胸に残って消えない思い出を歌った曲ですが、そこに至るまでにはどんな経緯があったのでしょうか?
井上:もともとカメラでも携帯電話でも、写真を見返すのが好きで。東京に出てきている高校時代の友人とは今でもたまに会うことがあるんです。そういう日々のなかで感じていることをひとつずつ追っていったというか。『歓びの陽』(2018年8月リリースの3rdシングル)は3曲ともいろいろ挑戦をしてみることを目的にして作ってみたので、それとは気持ちのベクトルは全然違っていて。もともと過去を振り返っていろいろ想いを寄せることは好きやし、生きていくうえでそこに支えられて救われているなと気づけた。
-等身大が反映されたというか。
井上:今までもそういうことを歌ってきたなとは思うんですけど、それが自然と滲み出たのは久々やったかなー......。いつもライヴの最後に歌っている「Curtain Call」(2016年リリースの3rdミニ・アルバム『She'll be fine』収録曲)と同じような感じでしたね。あの曲も何も考えんと歌ってみたら自然と歌詞も出てきた曲で、「The Everglow」もふっとこぼてきたように生まれたんです。自分がそういう心境やったんやなぁとも思いますね。今回は肩の力を抜いて制作に入れました。
-そういう心境になったのも『歓びの陽』でかなり大きな挑戦をしたからかもしれませんね。あのシングルのカップリング曲「Monologue」の歌詞の内容を見ている感じだと、ちょっと井上さんが心配だったんです。
井上:あはははは!
服部:あの曲は竜馬ひとりやったし、歌詞には曲作りにおけるメンタル面も反映されてたしな(笑)。「The Everglow」は竜馬らしさが全面に出ていて、なおかつ今までを上回る楽曲になったなと思いますね。
-そうですね。それだけ悩みやプレッシャーに向き合ったからこそ、自分自身の"The Everglow"を見つけられたのではないかと思いますし、それが自分自身の自然体の中に存在していたことも、すごく喜ばしいことですよね。
井上:うん。そうですね。ほんまにそう思います。「The Everglow」は高校2年生のときの修学旅行の出来事を綴っているんですけど、今のメンバーとライヴハウスで知り合ったのも、MAEの『The Everglow』と出会ったのもちょうどそれくらいの時期なんですよね。高校の友達にも"こんなアルバムがあるよ"と言って一緒に聴いたこともあって――SHE'Sが始まる少し前の要素がいろいろ重なっているなと思います。
-伏線回収感ありますね。SHE'Sが産声を上げる前、何かが始まる前兆を"The Everglow"と名付けられるのも素敵なことだと思います。大胆な挑戦をした『歓びの陽』のあとに、こういう核にある精神性を持った曲が世に出ることも意味深い。
井上:『歓びの陽』のあとに自然に生まれてきたものが、「The Everglow」だったから今回のシングルになったけれど、ちゃんと意味が生まれて導かれていると思います。そういうことはバンドをやっていくなかで結構あって――連なってるんやなと感じるし、偶然に必然を感じてしまう瞬間がある。面白いなと思います。
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