Japanese
cinema staff
Skream! マガジン 2019年07月号掲載
2019.06.01 @渋谷WWW X
Writer 沖 さやこ
(※このレポートはネタバレを含みます。今後ツアーに参加予定の方はご注意ください!)
6年ぶりにTVアニメ"進撃の巨人"のエンディング・テーマを手掛け、そのなかでバンドの原点的な"海"を題材にした楽曲が生まれるなど、過去と現在が帰結する意味合いが強い作品となった『Name of Love』。今作を引っ提げて行われている約3年ぶりのワンマン・ツアーには、2015年にリリースされたフル・アルバム『blueprint』時のワンマン・ツアーに付けられたタイトル"land=ocean"と関連づけられた、"RE: land=ocean"という副題が付けられている。
『blueprint』はソングライター、三島想平(Ba)のパーソナルな部分や、バンドや音楽に対する切実な想いが投影されていて、ネガティヴもポジティヴも、現実も空想も、ポップネスもシリアスも嘘偽りなく生々しく蠢いている作品だ。彼らがリリースしてきた6枚のフル・アルバムの中で、最も人間味に満ちていると言ってもいいだろう。ツアー初日のWWW Xは、『Name of Love』を受けて"進撃の巨人"をモチーフに制作した楽曲をすべて組み込み、"RE: land=ocean"から"海"にちなんだ楽曲をピックアップしたことで、新旧織り交ぜたセットリストに。"land=ocean"時ではただただ吐き出すことしかできなかったバンドの核となる信念が、ステージ上での表現として堂々と存在していた。
この日の幕開け、『blueprint』のイントロダクション「陸にある海」は、飯田瑞規(Vo/Gt)がピアノを担当しバンド・アレンジで披露。その直後は最新作に収録されている「OCEAN」を筆頭に「sea said」など、彼らの持ち味であるオルタナ/ハードコア的なダイナミックなバンド・サウンドと、個性的で流麗なメロディを同時に堪能できるポップ・サイドの楽曲を畳み掛ける。
感傷的な衝動が鳴り響く「シャドウ」で徐々に深淵へと引き込み、導入を経て催涙性の高い「妄想回路」へと沈めていくと、よりディープな空間へ。「西南西の虹」などひりついたハード・ナンバーから、「さらば楽園よ」などcinema staffの持つ繊細さやロマンチシズムが際立つドラマチックな曲が演奏されていく。これまでのcinema staffには斬新な構成と配置のセットリスト。原案者は久野洋平(Dr)ということで、フル・アルバムの曲順を考案してきた手腕が光る、さすがの選曲だ。そのセンスは情景/心理描写に長けた多彩なビートにも表れている。それはcinema staffの音楽における要のひとつだ。
この日の演奏は、以前よりも音に貫禄が感じられた。4人の結束が強くなっていることももちろんだが、メンバーそれぞれ楽曲への愛着が増していることも影響しているのではないだろうか。身のこなしや佇まいを見ていると、その身体から音楽が生まれているように感じられた。アグレッシヴな動きとプレイで魅せる辻 友貴(Gt)はそれが顕著で、余裕を感じさせつつも、一切の手抜きのない集中力が通う。4人全員が自分の曲に誇りを持ち、自分の音を繰り出していき、その結果ひとつの音楽が成立するという、どこを切り取ってもロック・バンド然としたステージングとサウンドスケープは海のように深く広大で、「海について」はまさしくその結晶だった。
飯田の"もしかっこいいバンドを観たくなったら、いつでも(cinema staffの)ライヴに来てください"や、"絶対に譲れないものがある、すっごいわがままなバンドですが、この先も見ていてください"や、三島の"対バンのほうが(相手がいるぶん)相乗効果で燃えるからそんなにワンマンが好きではなかったけど、今はワンマンが大好き"という発言からも、バンドが成し遂げたいヴィジョンが明確なことが窺えた。
新しい試みからバンドの本質を浮き彫りにしていったこの日のステージは、"これからも誇りを持って、愛を持ってcinema staffを続けていきます"という三島の言葉を充分に裏づけた。着実に歩み続けてきたバンドの底力と、音楽への真摯な想いの結実――4人の新たな船出を祝福したい。
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