Japanese
cinema staff
Skream! マガジン 2017年09月号掲載
2017.07.28 @恵比寿LIQUIDROOM
Writer 沖 さやこ
全国19ヶ所を回る『熱源』リリース・ツアーは、3公演のワンマン・ライヴと、16公演のツーマン・ライヴで構成された。ゲスト・バンドはかねてから親交のある同志的存在のTHE NOVEMBERS、SAKANAMON、mudy on the 昨晩や、同世代ながら競演の機会は少なかったGOOD ON THE REEL、SUPER BEAVERに、cinema staffをリスペクトする後輩バンドMy Hair is Bad、サイダーガール、yonigeと、cinema staffがリスペクトする先輩バンド9mm Parabellum Bullet、bacho、the band apartというcinema staffにとって居心地のいい空間を作るには最適とも言えるパートナーばかり。かつては観客に感謝を告げることが多い彼らだったが、いまは自分たちの活動を支えるチームへの感謝も多く口にする。そして『熱源』は、いまの自分たちが愛する音楽を詰め込むだけ詰め込んだアルバムである。このツアー・ファイナルでは喜びと楽しさに満ちた音を鳴らし続けていた。
ギターのフィードバックに久野洋平のドラムが重なり、1曲目「熱源」からじっくりと音を繰り出す。理性を持った大人の演奏といった具合だ。「返して」は飯田瑞規のヴォーカルがツアー・ファイナルとは思えぬほど絶好調。終演後に話を聞くと、前3日間は一切飲酒もせず家に引きこもって喉を休ませていたらしいが、それでもこの声の張りをキープするのはヴォーカリストの高い美意識だろう。メロディアスな三島想平のベースと、楽曲に鮮やかな煌めきをふりまく辻 友貴のギターが彼のヴォーカルを後押しする。初期曲「AMK HOLLIC」、「チェンジアップ」は身体に染みついているぶん着火力が高い。阿吽の呼吸で静と動を巧みに操る4人に11年の結束を見た。
陽気な「el golazo」から一転、かき鳴らされるギターとセンチメンタルなメロディがシンボリックな「diggin'」で焦燥感を描き、「希望の残骸」では雄大な音色を鳴らす。「ビハインド」では青くひりついた音像を作り、「青写真」はファンファーレさながらの高らかさ。曲によって自分たちのかたちを変えて物語のようにテンポよく進んでいくという、非常に構築されたかたちが的確に届けられていくライヴ。どこか歪なところや、溢れ出した感情が止められないと言わんばかりの演奏も彼らの味だったが、新しいフェーズに突入しているのだろう。感情に振り回されることなく堂々とまっすぐ音を鳴らし、そのリズムが的確に決まることで、すべてに余裕を感じさせる。いまの彼らならではのテクニックだ。
「波動」終わりのドラムから前衛3人のコーラスで繋いだのは「salvage me」。この曲は彼らにとって初のホール・ライヴ(2015年12月2日に豊島公会堂で開催された"waypoint 2015")で1曲目に披露された曲でもある。そのときの情景がプレイバックすると同時に、自然と日比谷野外大音楽堂のステージの上で彼らが演奏する様子が頭の中に思い描かれた。cinema staffは10月14日に野音でのワンマンを控えている。今回のワンマンはツアー・ファイナルでありながらも、同時に野音という大きなステージも見据えているのだろう。勢いに任せず、1曲1曲を壮大に届けるライヴのスタイルも腑に落ちた。
飯田が"ラストだなと思ってめちゃくちゃ噛みしめて演奏しました。届いてますか?"と微笑みながら語り掛けると、会場からは拍手が。"『熱源』というアルバムは今日完成を見ると思っています。みなさん一緒に完成させましょう"と三島が言うと、「pulse」、「エゴ」とアッパーな楽曲を畳み掛ける。「theme of us」は観客の"1、2、3、4"の掛け声からも笑顔が滲んでいた。辻が久野の近くに寄ってふたりで笑い合い、ラストにメンバー全員のパートを言い上げるシーンでは飯田がそれぞれのメンバーを指差すなど、ステージもフロアもポジティヴな要素しかない状態だ。
会場に訪れた観客とスタッフに"僕らはもっと大きなもので返していきます。まず今日返しますね。ラスト1曲、一番大きなものを。すべて置いていきます"と告げた飯田がギターを鳴らし、本編ラストは『熱源』のラストを飾る「僕たち」。いまにも泣きそうになるくらいの緊迫感と集中力が通う音に息を呑む。「GATE」と同じように彼らの源と言ってもいい情熱的な楽曲を、凛とした姿勢で演奏しきる――その様子はこれまで観たことのない大人のcinema staffの姿だった。
アンコールで「西南西の虹」、「GATE」を披露しメンバーはステージをあとにするも、観客からの熱い拍手がやまず4人は再びステージに舞い戻る。ダブル・アンコールに彼らが選んだのはcinema staff最大のハードコア・ナンバー「Poltergeist」。この日最も爆発力を持ったパフォーマンスで、飯田はギターを弾くことを放棄しハンドマイクで歌う場面もあり、辻は上裸、叫び散らした三島はフロアへと華麗に飛び込む。最後の最後で彼らの悪ガキ感に触れられる、痛快な締めくくりだった。ステージへ這い上がった三島が"10月14日、野音で待つ"と言い放つと、観客は大きな歓声を上げる。"史上最高に楽しかった"と語るツアーを完遂し、野音に立つcinema staffはどんなcinema staffなのだろうか。彼らは壁も屋根もない東京のど真ん中で、どんな感情をどこへ向けて、どこまで放つのか。カウントダウンはもう始まっている。
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