Japanese
cinema staff
Skream! マガジン 2025年08月号掲載
2025.06.08 @日比谷公園大音楽堂
Writer : 中尾 佳奈 Photographer:Takeshi Yao
"万感"、"因縁"ときて、第3章は"明鏡止水"。コロナ禍という荒波も乗り越え、淀みなく清々しい"明鏡止水"の境地に達したcinema staffは、3度目の日比谷公園大音楽堂ワンマン"cinema staff presents two strike to(2) night - 明鏡止水の日比谷編-"を迎えた。気温は25℃程、心地よい風が吹くなか、馴染みの仲間とお酒を片手に談笑したりと客席もラフなムードで開宴を待つ。
まだ明るい18時、いつものSEが流れメンバーが登場。飯田瑞規(Vo/Gt)が、遮るものが何一つないこの野音(日比谷公園大音楽堂)のステージで、"山も太陽も阜も越えて"どこまでも届きそうなその伸びやかな歌声を響かせ、「岐路」からスタートした。"三度ヒーロー見参!"と三島想平(Ba)が高らかに叫び、観客の"1、2、3、4!"で勢い良く「theme of us」に突入。お決まりのクラップに、サビの決めに合わせ突き上げられる拳と、熟練のノリが一体感を生んでいく。
"特別な日にしましょう"と飯田が語り、アンセミックな「HYPER CHANT」へ。新緑のごとく鮮やかなグリーンのライトがグラウンドを彷彿させ、スタジアム級のシンガロングが響く。「君になりたい」ではマジックアワーの空のような照明が幻想的な日暮れへと誘い、続く電子ドラムも用いた昨年リリースの新境地「バースデイズ・イヴ」では花を映し出すモノクロのVA演出がステージを覆う。「I SAY NO」や「salvage me」の"夕焼け"という歌詞に呼応するようなオレンジも鮮やかだ。「KARAKURI in the skywalkers」では飯田が1ヶ所歌詞を間違えてしまったのだが、MCへと移る前に"ちゃんと言っておかないと"と改めてそのフレーズを歌い直すと、笑いと歓声が沸き起こる。そんな和やかな一幕に、いい意味で肩の力が抜けた3度目の野音の余裕が感じられた。
"3回目の野音、来てくれてありがとうございます!"と話し始めた久野洋平(Dr)が、日比谷野音での公演は抽選で当たらないとできないものだと明かす。マネージャーの引き運が強いのだというが、神様もきっと、これ程までに野音のステージを使いこなし魅せる彼等だからこそ、3度目の機会を与えてくれたのだろう。飯田は"3回目ともなるとすごくいい意味で落ち着いている"、"あなたがちゃんと見えている"と、改修前最後の野音を見渡し噛みしめるように伝えた。
そこから「希望の残骸」のサビをじっくりと歌い上げると、一呼吸置くごとに歓声が上がる。疾走していく楽曲と共に、辻 友貴は狙い撃つようにギターを構えたりと暴れ回り、その自由なパフォーマンスに観客のボルテージも高まっていく。続く「great escape」では一気にダークでアグレッシヴな世界へ。赤と青のヴィヴィットなライティング、激しいムーヴィング・ライト、うごめく映像演出と畳み掛け圧倒。次々に目まぐるしい視覚演出が繰り出されるなか、圧巻だったのは「プレキシ・ハイ」の頭上を突き抜けるレーザー演出だ。鋭いギター・リフと気迫溢れるベース、ドラムのエネルギーが激しくぶつかり合うこの曲にピンク、紫、緑とド派手な光の演出、さらにVAまで重なる。そんなステージからレーザーまで飛び出してくるというエンターテイメントの洪水状態に、目と耳が溺れそうになった。そして蜘蛛の巣が映し出される確定演出からの「蜘蛛の巣」では、三島のシャウトに爆音のギターと地響きのようなドラミングが応戦、飯田もこの曲ではマイクスタンドを離れギターをかき鳴らす。
凄まじい音圧にボルテージは最高潮に達し、"ワンモア"コールも飛び出す程のやり切った感が漂うなか、"まだ終わってないよ"と一言。一旦クールダウンのMCで飯田は、1回目から変わらず同じチームでできていることへの感謝を語り、"すごく幸せを感じながら演奏しています"としみじみ。そこから、"あなたの大切な人を思い浮かべながら"と故郷を想う歌「望郷」をこの東京の真ん中で響かせる。続く「drama」では、イントロからオーディエンスの握る拳にグッと力がこもった。そして三島がブルース・ハープを吹き鳴らし、"あなたにも見えるか、想像の海"という飯田の言葉から、青が照らす爽やかな「海について」へ。ラストは轟音が包み込むなか、そのまま彼等はステージを去っていった。
アンコールの手拍子に応え、久野がお酒片手に登場。"3度目の野音の成功を祝して"と、深いリバーブのかかった"プシュッ"という缶を開ける音が響くと観客は大盛り上がり。"今日みんな元気良くていいね"と飯田が、そして"野次、めっちゃ好きなんでいつでもください"と三島が告げると、野外の解放感とお酒の力も後押しし、その盛り上がりにブーストがかかる。勢いそのまま宇宙初公開の渾身の新曲が飛び出し、最後の最後を飾ったのは「GATE」だ。1回目の野音でもラストを飾り、2回目はコロナ禍で声出しの制限があるなか披露された、まさに"万感"であり"因縁"のこの曲。野音に響き渡る大合唱は、間違いなくシネマ(cinema staff)と野音が紡いだ3部作のエンディングを飾る集大成だった。
メンバーを覆うようなステージの形状も作用し、圧倒的な没入感を生み出す光と映像の演出。見入り聴き入り息をのむような"静"と、アグレッシヴにどこまでも轟く"動"のコントラストは、この東京の街から彼等の故郷まで届きそうな程強く鮮やかに、美しい音と光を放っていた。終演後にはエンドロール映像に乗せてニュー・アルバムの発売とツアーを発表。新曲からも感じ取られた自信作の予感に期待値は上々だ。改修後の"4回目の野音"への意気込みも語っていた彼等だが、新たな楽曲も携え、明鏡止水の次はどんな境地を見せてくれるのか。今から楽しみにしておこう。

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