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INTERVIEW

Japanese

cinema staff

2014年04月号掲載

cinema staff

Member:辻 友貴 (Gt) 飯田 瑞規 (Vo/Gt) 三島 想平 (Ba) 久野 洋平 (Dr)

Interviewer:沖 さやこ

年始のSHIBUYA-AXワンマン・ライヴもソールド・アウトで大成功させたcinema staffの、メジャー2ndフル・アルバム『Drums,Bass,2(to)Guitars』は、バンドにとって大作である前作『望郷』とは逆ベクトルでありつつも、非常にcinema staffらしく、かつ新しい幕開けを感じさせるエネルギーに満ちた作品だ。躍動感のあるサウンドは鋭くもふくよかで、聴き手を連れ去っていく――まるで春の風のように晴れやかで心地が良い。Skream!では2ヶ月連続で彼らにインタビューを敢行。アルバムを通して、バンドの現状を伺った。

-『Drums,Bass,2(to)Guitars』はサウンド面もそうなのですが、朝や光などを感じさせるものが多いので、新しい始まりを連想させると思いました。

三島:そうですね。『望郷』もそういう始まり感はあるかなと思いましたけど、あのアルバムにはただいま感もあるので。だから今回は"行ってきます!"というか。『望郷』とはちょっと違うスタート感がある気がします。

-鋭さを持つバンドではあったけれど、ここまで人を引っ張っていくようなエネルギーは、今までのcinema staffにはなかったような気がして。

飯田:そうですね。そう思います。

三島:"『望郷』と同じテンションのものは絶対に作りたくない"というのはメンバー間の共通認識としてあったと思うんです。んー......でも、こういう作品になったのは、やっぱりライヴの影響じゃないですかね。『望郷』はライヴでやることを考えて作ったわけではなく、僕が言いたいことを伝えるというメッセージ先行で。そういうのは今回まったくないんです。テンションでバッと合わせて、ライヴでどう聴こえるか、ライヴでガッと気持ちが興隆するものは何か、みたいなものはすごく考えて作りました。

-それだけライヴが与えたものが大きかった。

三島:今までライヴを軽視してたわけではないし、うちらにとってのほぼ全てだと思ってるんですけど......制作ありきでライヴがあるという感じでもあったんです。『望郷』ではチェロを入れてみたりもしましたし。それとは違うものを、という意味でも今回は逆転させてみて、ライヴありきで制作をしていったんですよね。だからライヴで聴いてくれてる人の顔を思い出しながら作ったところはあります。『SALVAGE YOU』では"あなたを救いたい"というメッセージを込めたけど、今回はガッとやって"どうや!"と見せるみたいな(笑)。そんな感じですね。

-どの曲からも感じる振り切れてる感はそういうところからも来ているのかもしれませんね。『Drums,Bass,2(to)Guitars』というタイトルも、バンド・ロゴの頭に位置するマークにもなっている、4つの三角形による正方形が示す"代え難い4人"という意味が込められているんですよね。

三島:そうですね。あと自主企画ライヴのタイトル"two strike 2(to)night"と掛けられているというのもあります。でもそんなに深い意味があるわけじゃないんですよ(笑)。『望郷』はかなりそうだと思うんですけど、今まではシンプルなように見えてすごく深い意味があるものを意識してたんです。でも今回は今までの発想とは逆なんですよね。深い意味があるように見えて、ない(笑)。

全員:(笑)

三島:そういうものになっていますね。

-そういう深いメッセージ性があるわけではないのに、これだけ実のあるものが作れたということは、バンドの度量が広がったのかもしれないですね。無駄な力が抜けたというか。

三島:そうですね。僕は"アーティストっぽく存在する"というのが......絶対無理だってわかったんで(笑)。ひょっとしたら1年くらいしたら伝えたいことも出てくるかもしれないですけど、言いたいことがいつもあるわけではないんですよ。『望郷』を作って、『great escape』を作って......バンドの状況的にもすごく良くて。"バンドやってて良かったなー"っていう気持ちしかなかったので、それをそのまま書いた感じですかね。

-Track.1「theme of us」は、それがそのまま書かれた曲ですものね。

三島:「theme of us」ができてから、それに準じた曲たちがバーっとできていった感じですね。