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INTERVIEW

Japanese

cinema staff

2014年04月号掲載

cinema staff

Member:辻 友貴 (Gt) 飯田 瑞規 (Vo/Gt) 三島 想平 (Ba) 久野 洋平 (Dr)

Interviewer:沖 さやこ

-ははは、ご自分の曲ですし、それによってもっと思い入れが強くなりそうですね(笑)。そしてTrack.8「unsung」は飯田さんによるアコースティック色の強いナンバーです。

飯田:このアルバムの曲を三島が作ってる間に僕も1曲作れたらいいなと思っていて。スタジオ終わりに三島が帰ったあと、(久野と辻の)2人に残ってもらって"こういう曲があるんだけどどうかな"って意見を聞いて作っていって。それで、今回どんなアルバムにしようか? という話になったときに"『望郷』は三島がずっと頭に描いてたものを形にするものだったから、ちょっと違った毛色を出したほうが面白いな"ってことでこの曲を入れることになりました。

-辻さんの「sitar of bizarre」も、飯田さんの「unsung」も、三島さんの作る曲と同じ方向を向いていると感じました。バンド全員の意思統一ができているんだなと思って。

飯田:ああ、それはすごく嬉しいです。三島が書いてきたことに俺たちも心を乗せているとは今までも思っていたんですけど、実際に自分で曲を作ってみて、それをちゃんとわかったというか。......書こうと思ったのは別のところではあるんですけど、言葉になってみると4人の思ってることとリンクしてるのかなとは思って。

-メロディは飯田さん自身が歌うから、飯田さんの声が映えるものになっていると思います。これは歌詞に"カルテ""病室""白衣"という言葉があることからも、病床の曲なんですよね。

飯田:そうです。これは友人の親が入院していたときに、それに向けて書いた曲です。元気づける曲を作りたいとずっと思っていて。でも重苦しいものではなく明るい感じにはしたかったんですよね。年齢を重ねても、我が子ができても、その時々でまだまだやれることがあるでしょう?と起こす感じですね。背中をポンと叩く感じというか。それが"僕らもやれることがあるな"という想いに繋がりました。"まだまだ苦しいことはあるけれど、やれることはあるでしょう? 大丈夫だよ"......大丈夫だよという言葉をとにかく言いたかったんです。

-タイトルになっている"unsung"という言葉は皆さんがbloodthirsty butchersのトリビュートでカヴァーしてらっしゃった「僕達の疾走」にも入っている言葉ですよね。

飯田:本当はタイトルも「cure(※治療)」とかにしようと思ったんですけど"unsung"という字体がこの曲にすごく合うなと思ったんですよね。"unsung"という言葉は"称えられない"という意味なので"僕は願ってしまいます"ということを込めて。それに弾き語り(※辻と飯田は"外食"という弾き語りユニットを組んでいる)でいつも"unsung"という言葉も歌っているから、このタイトルになりました。字体がすごく好きなんですよね。

-筆記体で書きやすいというか、流れる感じの字体ですね。

三島:......「unsung」をずっと見てたらゲシュタルト崩壊してきました(笑)。

-(笑)「unsung」から少しアルバムの空気感が変わりますね。曲順も練られている。

三島:曲順は、実は全部久野くんが決めてくれました。

久野:僕はもともと曲順にすごくこだわるほうなんで、毎回うるさく言ってるんですけど(笑)、今回は初めて僕が提案したものそのままが採用になりましたね。録り終わったあとに100回くらい聴いてどれがいいかな?と悩んで、これがいちばん良かったんで。いつもはテンポで並べて考えたりするんですけど、今回は「theme of us」が最初で「great escape」が最後なのは決まってたんです。「theme of us」と「great escape」は全然明るさが違うんで、この山をどこに持っていこうかな? どう「great escape」に繋げようかな? と考えていきました。昔から人の曲でもこういうの考えるの好きだったんですよね。

-三島さん以外のメンバーが作曲をしたり、久野さんが曲順を設定したりと、細かいところまでバンド全員で作り上げていったんですね。

三島:そうですね。メッセージありきで進んでいる感じではないですからね。バンドとしてどうなのか、4人としてどうなのか――全部そうやって進んでいきました。