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INTERVIEW

Japanese

チェコノーリパブリック

2016年07月号掲載

チェコノーリパブリック

Member:武井 優心(Vo/Ba/Syn) タカハシマイ(Cho/Syn/Per/Vo) 砂川 一黄(Gt/Cho) 八木 類(Gt/Cho/Syn/Vo) 山崎 正太郎(Dr/Cho)

Interviewer:石角 友香

前作『Santa Fe』から10ヶ月という短いスパンでリリースされる4thアルバム『DREAMS』。イメージとしてのドリーミーも、理想としての夢も妄想としての夢も1曲ごとの個性が立った12曲を収録。"聴く楽しさ"において最高のサウンド・プロダクションをモノにした印象が強い本作でチェコノーリパブリックは、いい意味でどんな形容も感想も消化してしまえるんじゃないだろうか。享楽も感傷も共感も受け手のあなた次第。それぐらい多面的な楽しみ方ができる強度を持ったこのアルバムについてメンバー全員に答えてもらった。

-すごく躍動感があってサウンド・プロダクション的にも斬新なアルバムになりましたね。シングル『Forever Dreaming』(2016年5月リリースのメジャー3rdシングル)のインタビュー時、このアルバムの制作前は武井さんの心境の変化もお聞きしたので、今作の取っ掛かりは大変だったのかなと想像したんですが。

武井:当時、あんまり曲を作っていなかったので精神的に落ちていたのはあるかもしれないです。てか、それも大いにある気がします。『Santa Fe』(2015年リリースのメジャー3rdアルバム)のツアー(※2015年9~10月に開催された"聖なる行進TOUR")が終わってからずっと曲を作ってなかったので。でもその間、音楽は聴いていたので、"こういう音像の曲やってみたいな"とか、リスナー目線になって次にクリエイトするなら"シンセの音はこんなので"とか、ちょっとした野望じゃないですけど、そんな感じで曲を書いていったら「Dream Beach Sunset」(Track.1)ができたんです。その1曲を作るまでが長かったので結構しんどかったんですけど、その1曲ができたので気持ちがきれいに切り替わりました。

-トライバル感があるしフィジカルにくる曲で、"こういう方向なんだ!"って1曲目で感じられます。

武井:そうですね。たいていリリースとか決まってないうちにブランク空けて1曲作るときって、今までと違う新しい感じの曲ができて、そこからバンドに寄せていくという感じなんですけど、今回、1曲目ができたときにメンバーの反応が良かったんです。これはやってきた中で初めての感じでした。たいてい、"いいけどちょっと難しくない?"ってなりがちなんですけど、今回はキャッチーな部分もちゃんと持ち合わせた進化形の曲だったんです。変にバンドに歩み寄っていないぶん、それができたのが嬉しいですね。

-タカハシさんは初めて「Dream Beach Sunset」を聴いたとき、いかがでしたか?

タカハシ:音数が少なく感じたし、厳選されているところがすごく成長したなというか。曲を作ると音を詰め込みたくなる気がするんですけど、それがなく、スッキリしていてすごくカッコいいし新しさは感じましたね。

-今作を作ってる最中にシングル『Forever Dreaming』の制作もあって、そのときに武井さんが"今年のアタマから意識の変化があった"ということを前回のインタビューで言っていました(※5月号掲載)。"キラキラして楽しいというイメージをもう拒否しない"っていう姿勢はアルバム作りの段階ですでにあったんですか?

武井:ありました。夏に出す意味を意識してやろうっていうのは言っていたので。"夏っぽい"というテーマがあったらこうなるだろうって感じ。八木ちゃんやタカハシさんからすごい曲がくるんで、イメージどおりのいい作品になるなと思って。

-そもそも"夏っぽい"というテーマはリリース時期だけが理由ですか?

武井:いや、やっぱ夏に俺らが何かするっていうのはハマる気がしてたんですよ。"野外が似合う"って言われたり、何の意識もしないでキラキラした曲ができたりするんだったら"ちょうどいい"って言うんですか? 演出では季節を作れないんで。

-しかも夏っぽい中でもいろいろあるじゃないですか? ちょっと切ないとか、外国のインディペンデントな映画のような雰囲気とか。そういうことを担えるバンドがいないからでもあるだろうし。

武井:意識しないで「Dream Beach Sunset」ができたときに、歌詞がない状態の鼻歌を聴かせたんですね。そしたら"夏っぽい"って言われて。まったく夏っぽいと思ってなかったんで、意識しないで夏っぽいのができるんだなぁと思って。たぶん、そこからテーマが見つかったんだと思います。"じゃあ夏でいいじゃん"って。

-そうですね。全体のサウンド・プロダクションがすごく新しくなってるなと。

武井:今回、勉強になったのは――いつも自宅にあるスピーカーの真ん前で曲を作ってるんですけど、レコーディングになるとスピーカーの真ん前にいる時間がまったくなくて、部屋の隅の方のソファにいたり、寝転がってたりして。最終的に完成したときに、"なんで家で作った曲が違う聴こえ方になっちゃうんだろう?"って考えて、レコーディングのミックスのときもスピーカーの真ん前にずっと座ってたんですよ。そしたら聴こえ方が家とまったく同じにできることに気づいたので、ミックスは"これは2音下げて"、"ちょっとだけ上げて"ってめちゃくちゃ指示を出しました。家だったらいつまでも時間をかけてリラックスしてできるし、散々作業したあとに寝て、起きてまた続きをやれますし。今回はそういう細かいバランスの調整をレコーディングのときに初めてできました。なので、音の配置はちょうどいい感じにできました。

-なるほど。「Dream Beach Sunset」はいきなりパンクな歌詞で大笑いしましたけど(笑)。

武井:歌詞は今回、自分だけがわかる言い方でもいいから、リスナーに歩み寄ってわかりやすい言葉というより、わりとインディーズ時代に書いてたテンションに近い感じで書きました。

-「Dream Beach Sunset」ができてから、ほかの曲は並行して?

武井:並行して、連打で書きました。「Dream Beach Sunset」の音像の曲をとりあえず何曲か増やして。「BB」(Track.5)とか「Dreamer」(Track.4)とか。でもそういうテンションだけじゃなかったので、さらに曲を書いていった感じです。