Japanese
チェコノーリパブリック
2014年11月号掲載
Member:八木 類 (Gt/Cho/Syn) タカハシ マイ (Cho/Syn/Per) 武井 優心 (Vo/Ba)
Interviewer:石角 友香
アルバム『MANTLE』リリース後、さらに楽曲評価とバンドの認知度を上げてきたCzecho No Republic。メジャー1stシングルとなる「Oh Yeah!!!!!!!」はなんとTVアニメ"ドラゴンボール改"のエンディング・テーマという新たなフィールドで彼らの音楽が共有される機会になった。上昇感に満ちたビートとシンセが作り出すサウンドスケープ、インディー・ロック感を昇華した歌メロなど、チェコらしさを一切削ぐことなく完成したこの曲だが、オーダーを受けての曲作りや、加速する状況の中でメンバーはどんな心境だったのだろうか? メイン・ソングライターである武井優心の正直すぎる発言を始め、今回もCzecho No Republic流の気骨に触れられる対話になったと思う。
-実は怒りの心情を発散した『MANTLE』だっただけに、リリースしたあとはスカッとしたんだろうなと思ったんですが、今はどうですか?
武井:スカッと......思いのほかしなかったな。なんか『MANTLE』を体感する間もなく次の作品に......このシングルのRECになってたんで、なんていうんでしょうね? ちょっと浮気症な感じになってて。『MANTLE』出る前にこの話決まって、期間が短かったので発売日は家で曲書いてました。
-"ドラゴンボール"のエンディングの話自体はいつきたんですか?
武井:確定したのは7月アタマぐらいで。その前に"アニメのタイアップみたいなの興味ある? ちょっと決まりそうだから覚悟しといてくれ"ぐらいな感じで話があって。そのときに"え? なんすか? ドラゴンボールすか? "って冗談で聞いたら、"え? 誰かから聞いた?"みたいな感じになって。"ギャグで言いました"みたいな。そしたらドラゴンボールだったんで、マジかー!? って。ドラゴンボールが6月ぐらいからマイブームで、久々に読み出したら止まんなくなってて。ドラゴンボールの話をメンバーでもしてたり、俺はツアー中に単行本持ってったりとか。ドラゴンボールが、すごい身近なものだったときに急にその話だったので、なんというか不思議というか、こんなこと言うとアレなんですけど"引いちゃったな"みたいな(笑)。ラッキーというかびっくりしたというか。
-武井さんにとってどういう存在ですか? ドラゴンボールの曲って。
武井:ドラゴンボールのアニメって歌ありきで頭に入ってると思うんですよ。だから、なんだろ? 今までの歴史が濃すぎるから"あんな曲は絶対作れない"。
-参考にしようがないですよね(笑)。
武井:しようがない(笑)。したらしたで絶対おかしいだろ? ってなっちゃうし。最初はだから"ちょっと自信ないっす"って感じでした。
-ドラゴンボールってアニメや漫画の存在自体は?
武井:なんかやっぱ前半はワンパクな感じ......うん、でも世界観がいいですよね、サイヤ人きちゃうあたりの。なんかでも鳥山明さんの絵って止まっててもワクワクするアドベンチャー感というか、少年心に火をつけるパワーというか、ありますよね。そういうドキドキするなっていうのはありますね。冒険ものだし。
八木:僕も普通にTVでもジャンプでもちっちゃいころから見てたし。映画とかも見たりとか。だからホントに普通に昔から見てた浸透してるものって感じですね。
タカハシ:私はちっちゃいころ、お父さんとお兄ちゃんがすごく好きで、世代的にリアルタイムでは見れてなくて。たぶん再放送で見てたんですよ。で、家に普通に当たり前のようにドラゴンボール全巻揃ってて、読むような感じだったから。もうホントにみんなが知ってるアニメ、おじいちゃんも好きだしみたいな。だからその......いろんなタイアップとか決まって親に報告したりするじゃないですか? そのときのテンション感が全然違くて。
武井:"なんだってー!?"
タカハシ:そう"うわああああ! "みたいな。"ドラゴンボールかい?"みたいにおじいちゃんに言われて(笑)。もう親戚みんなに電話したんじゃないか?っていうぐらいの驚きだったから、まあ嬉しいですよね。リアルに喜んでくれるのって。単純に好きっていうのもあるし、自分が。
-でもなんにも迎合してないチェコの曲になりましたね。
武井:そうですね。うん。このドラゴンボールの話じゃなくて、単純にこの曲ができたとしても、普通に出してるだろうなって感じで。そういうとこに行けてホッとしてるっていうのが正しいんですよ。だから"ドラゴンボールに寄せたな"っていうのもなく、『MANTLE』から地続きの新曲って感じもするし。それがこの限られた期間で作って録れてよかったなって感じが。はい。
-しかもなんかより聴きようによっちゃインディーっぽいところもあるし、振り切ってる感じはしますけど。
武井:そうですね。全然足踏みしてないというか、やったことないことやってみたいぐらいの感じもあったし。ベースも今回、俺は弾いてなくてシンセで弾いて。それは『MANTLE』以降に"シンセ・ベースの曲、ちょっと増やしていい? "みたいな話で、(八木の方を向いて)"やりたいっすね"って感じだったんで、じゃもうこのタイミングでちょっとやっちゃうか、と。
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