Japanese
phatmans after school
2014年12月号掲載
Member:ヨシダタクミ(Vo/Gt) ユタニシンヤ(Gt) ヤマザキヨシミツ(Ba) ホンマアツシ(Dr)
Interviewer:吉羽 さおり
メンバーの姿は露出せず、クマのキャラクターをアイコンにして、ポップなギター・サウンドと、ドラマティックであり親しみのあるメロディと歌を届ける4ピース・バンドphatmans after school。2010年の結成から、ミニ・アルバムやシングルで少しずつその音世界を見せていた彼らが、1stフル・アルバム『セカイノコトハ』をリリースする。繊細な歌ものから、四つ打ち、シンセをフックにしたヘンテコ・ポップまでバラエティに富んだ内容のアルバムとなっているが、特筆すべきはどの曲も丁寧に、細部までアレンジがなされ、鮮やかな曲の世界観をシンプルに聴かせる術があること。1stアルバムにして、彼らの音楽へのこだわりを感じさせる仕上がりだ。
-1stアルバム『セカイノコトハ』には、四つ打ちから聴かせる曲、シンセのポップな曲までといろんなタイプの曲が入っていますね。最初のアルバムとしてどんな作品にしようと思っていましたか。
ヨシダ:『セカイノコトハ』というタイトルを冠したアルバムをいつか出したいなという思いは、4、5年前から僕の中で決まっていたんです。1stアルバムということで、昔の曲を再レコーディングしたりして、バンドが始まってから今までがそのまま入った作品になったと思いますね。
-その、昔から決まっていたというタイトルに込めた思いというのは?
ヨシダ:バンドを組んだときは学生だったんですけど、当時僕が好きだったアニメがあって。そこに出てくるふたりの登場人物の名前をもじったものだったんです。意味合いとしては――昔決めたときは、"僕はこんなふうに考えているけれど、みんなはどう思いますか?"ということだったんですけど。今年の春まで僕ら北海道に住んでいて、道外でライヴをやっていなかったんです。だからファンのみんなの顔をイメージしながらも、お客さんがいる前提の曲作りができてなかったんです。改めて、今年いろんなところにライヴに行って、お客さんがいっぱい待っていてくれたんだということに気づいて、タイトルに込めた思いが変わりました。いろんな人が自分と同じ時代を歩いている、横並びにたくさんの人生があるんだなって思えた。今までは自分の世界だったのが、この作品ができたときには、いろんな人が生きるひとりひとりの世界をオムニバス形式で書きたいなというふうに意味合いが変わりましたね。
-結成は学生時代ということですが、思い描いていたバンド像はあったんですか。
ヨシダ:僕ら同じ学校で、全員ミュージシャン・コースだったんです。ギターのユタニ君はひとつ上の学年で、ユタニ君とは高校も一緒で前身のバンドを組んでいたんです。ヨッシー(ヤマザキ)とアツ(ホンマ)はいろんなバンドをかけもちしていたんですけど、一緒にやるようになって。まあ、面白ければいいかなっていうのが始まりですよね。
-始めは結構ゆるい感じだったんですね。
ヨシダ:僕とユタニ君の前身バンドでは、自分の書きたいものを意図して書いていたんですけど。phatmans after school自体はそれと並行して遊びというか、友達感覚で楽しいものをやろうという感じだったので。気負ったことは考えてなかったんですよね。ヨッシーとアツがバンドかけ持ちしていて超忙しかったので、毎日、毎時間どこかでスタジオ入ってるような状態だったし。
ホンマ:学生時代は7バンドくらいかけ持ちでやっていて。そんな中で、タクミから誘われて。じゃあ、やろうかっていう。
-結果的には、その楽しいもの、面白いバンドが残ったという感じですか?
ヨシダ:僕もノリで別のバンドのスタジオとか入ってたんですよね。僕とヨッシーは入学したときから変なバンド組んでいたりもして。
ヤマザキ:そうなんですよ、スーツでライヴをやるようなね(笑)。
ヨシダ:イタイ感じのやつをやっていて(笑)。その時は別の子がドラムだったんですけど、アツはもともと仲が良かったので、次のバンドは一緒にやろうよってまず3ピースのバンドを組んだんです。途中メンバーが増えたりしていたんですけど、遊びでやっているうちに面白くなって、どんどんこっちにシフトしていっちゃったんですよね。最終的にこのバンドをちゃんとやろうとなったとき、ユタニ君が加入して4人でやることになったんです。
-ユタニさんを引き入れた最大のポイントは。
ヨシダ:僕とユタニ君が1番付き合いが長いんです。高校時代の先輩で、軽音部で1番ギターがうまかったんですよ。
ユタニ:ほんとですか(笑)。
ヨシダ:(笑)。でも最初にユタニ君を誘ったときは断られたんですよね。断られたというか、ふわっとした返事で。
ユタニ:タクミの誘いかたがふわっとしてたからだよ。
ヨシダ:ただライヴの前日にスタジオに遊びに来ていて、やっていたら面白かったのでそこからそのままというか。ほんとそんなノリなんですよ。
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