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INTERVIEW

Japanese

phatmans after school

2017年12月号掲載

phatmans after school

saji(ex-phatmans after school)

Official Site

Member:ヨシダタクミ(Vo/Gt) ユタニシンヤ(Gt) ヤマザキヨシミツ(Ba)

Interviewer:秦 理絵

6年前に1stミニ・アルバム『ボクノバアイハ』でメジャー・デビューを果たしたphatmans after schoolが、その作品のアンサーとなる3rdアルバム『キミノバアイハ』を完成させた。昨年は長年連れ添ったドラマーが脱退したほか、再びインディーに活動の拠点を移すなど環境の変化もあった彼らだが、今年はすでに2枚のミニ・アルバムをリリースしており、かつてないほどハイペースな制作に取り組んでいる。そんななかでphatmans after schoolが今回のアルバムの方向性として強くフォーカスしたのは、ヨシダタクミが生み出す歌の力。なぜ、いまphatmans after schoolはバンドの原点に戻ったのか、3人に話を訊いた。

-Skream!には久々にご登場いただくんですけど、いろいろと変わりましたね。昨年、ホンマ(アツシ/Dr)さんが脱退してからはもう1年が経ちますが。

ヨシダ:いまは昔から親交のあったタイヘイ(ex-カラスは真っ白/Dr)にサポートをしてもらってます。レコーディングも参加してくれたので、ほぼレギュラーみたいな感じですね。

ヤマザキ:めちゃくちゃいいドラマーなんですよ。

-活動の拠点が再びインディーズになりましたけど、すごく動きも活発じゃないですか。

ヨシダ:リリースが増えましたよね。今年は12月に出る『キミノバアイハ』も合わせると、1年間に3枚アルバムが出るっていう。もともと僕らは寡作というか、1年間CDが出ないこともあったんですけどね。でも、正直に言って、CDセールスも変わってないですし。

-いまはメジャーとインディーズの垣根がほとんどないですからね。インディーズの方が肌に合うバンドはむしろそこで成功を収めてたりもしますし。

ヨシダ:僕らも大変だけど、楽しいんですよ。ツアーとか対バンも増えましたし。

ヤマザキ:ペースが速くなった以外はそこまで大きな変化はないんですよね。ただ、レコーディング前日に(ヨシダから)デモが上がってくる、みたいなことがあるんですよ。そのぶん、作ってる熱量を保ったままレコーディングに臨めるから、それも良くなったところかな。

-じゃあ、この1年のphatmans(phatmans after school)の活動を振り返ると、少し小走り気味に自分たちの新しいペースを作るような感じでしたか?

ヨシダ:修行でしたね(笑)。新体制になってからは一気にライヴも増やしたから、ライヴに対しての技術というか、お客さんとの遊び方とかも成長したと思います。で、もう1度飛び立つために助走してる感じですね。

-最近、アーティスト写真が"pasくん"(※phatmans after schoolのクマのキャラクター)じゃなくて、顔出しをするようになったのも心境の変化ですか?

ヨシダ:もともと、聴く人に"音楽に対して余計な偏見なく向き合ってほしい"って気持ちが強くて、しかも僕ら自身が北海道在住で活動していて、いろいろな要素があるなか、クマのキャラクターで活動するほうが良かったんです。ただ、どこまで隠すのかが曖昧な部分もありましたが。

ヤマザキ:日によっては後ろ姿だけOKな日もあったんですよね。

ヨシダ:後半はシルエットとか出てたからね(笑)。それで昨年、バンドとしてもう一度気合を入れ直して活動しようってなったときに、余計な制約なくやっていきたくて顔出ししました。

ヤマザキ:とはいえ、ライヴでは出してたから、普通になった感じですよね。

ヨシダ:いままではライヴのあとで誰かと一緒に写真を撮ろうってなったときにダメだったけど、そのへんが大丈夫になったのは良かったですね。

-なるほど、そういうなかでリリースされるのが今回のアルバム『キミノバアイハ』ですけども、すごくまっすぐに歌が伝わってくる1枚になったと思います。

ヨシダ:そうですね。歌モノに戻ろうと思ったんですよ。今年の年明けにインディーズに移って新始動してから2枚のミニ・アルバムを出したんですけど、そこでロック・バンドっていうものをもう1回やり直そうとしてたんです。それでロック・チューンが多かったんですけど、ツアーも経て次に出すアルバムはもう1回僕がもともとやりたかったものというか、6年前と姿勢を変えずに作ろうっていう思いはあったんです。

-それが"歌"だったんですね。

ヨシダ:僕はバンドをやるやらない以前に、曲を作るっていうところから始まってるんですよ。プロになってからはライヴで届けることに試行錯誤してきたんですけど。あれから時を経て、いまはSNSもあるからすぐに曲が届くじゃないですか。だからあえて、このタイミングではライヴを目指した曲を作るのではなく、純粋に自分自身が家にいて、"グッド・メロディな曲を歌いたいな"っていうことだけを考えて作ってみたんです。

-ヤマザキさんとユタニさんは歌に向かう作品の方向性についてどう考えてますか?

ヤマザキ:実は僕も今回のアルバムを作る前に"タクミの歌を一番の武器にした方がいい"って思ってたんですよ。

ヨシダ:それを僕はアルバムを作ってる途中で言われたんです。"いま言うの!?"って思いましたけど(笑)。それで最初はロック・チューンにプラス歌っていうハーフ&ハーフなアルバムにしようと思ってたのを、思いっきり歌をフィーチャーしようって決めましたね。