Japanese
MAGIC OF LiFE
Skream! マガジン 2017年02月号掲載
2016.12.09 @渋谷TSUTAYA O-EAST
Writer 石角 友香
美しいメロディと高津戸信幸(Vo/Gt)の美しい声、そしてギター・ロック・バンドという大きな軸がまずあるうえで、EDM的要素やラップ調のヴォーカル、スカ・テイストのビートなどにチャレンジしたニュー・アルバム『X-1A』。本作を携えて回ってきたツアーのファイナルがTSUTAYA O-EASTで開催された。さすが改名前のDIRTY OLD MENから数えると2017年でインディーズ・デビューから活動10年になる彼ら。ファンもバンドTシャツにタオルで前方へ詰めかける人もいれば、仕事帰りと思しき人もいて、層が厚い。
暗転するとシンフォニックなシンセ・サウンドのSEとともにブルーのライトがいかにもMAGIC OF LiFEのライヴのスタートに似合う演出のなか、メンバーが登場。オープナーは高津戸がハンドマイクで歌う「Go out」。同期も用いながら、ブライトネスの高い山下拓実(Gt)のフレージングも特徴的なEDMの要素を大胆に取り入れたこの曲もすっかり定着したようで、フロアのシンガロングが大きい。立て続けに、今の彼らのポピュラリティをぐっと底上げしたオリジナル連続ドラマ"弱虫ペダル"主題歌の「スキルフラワー」へ突入。全身を使ってプレイする渡辺雄司(Ba)はのっけからトップギアで攻めている印象。潔いアレンジで一気に4曲走り抜けると、高津戸は14公演のツアーのファイナルを最高のものにしようとフロアに語りかける。
次なるブロックは、16ビートと7th系コードが粋で渡辺のスラップの見せ場に沸いた「Bellyas」、軽快でアンセミックな「Born Message」、ニュー・アルバムの中でもラップ的なフロウがR&Bシンガーのような新鮮味がある「Misanga」で、高津戸のヴォーカリストとしての新しい表現を垣間見ることができた。そのままベースとギターで人力ループを作り、ドラムがヘヴィなビートを叩き出すインストへ移行。そこから自然に「Knight」へ繋いでいく。そして前半のハイライトを構成するように、ピアノの同期が流れるなか、切々とした地メロでのヴォーカルと、その切迫感をタイトに支える岡田翔太朗(Dr)の変則的なビートが煽る「風花ノ雫」。どの曲も言葉数は多いが、特に畳み掛けるように多いこの曲での高津戸のヴォーカルは高音でも地声とファルセットを使い分けていて、豊かな感情表現を担っていた。一転、空が広がるような青春の匂いがするブライトな「栄光への一秒」では、大人の男性ファンの腕も自然に上がっていた。
相当な集中力で進んでいくステージは、冒頭の高津戸の挨拶めいた言葉以外、MCらしいMCもなくひたすら演奏が続いていく。再び、高津戸の語りから始まったのは、『X-1A』の中でも、いや、MAGIC OF LiFEの楽曲の中でも殊にこのバンドの姿勢を表明していると思しき「青くて白い」。特にまっすぐに耳に入ってくる"人を信じて/自分を信じたい"、"人を傷つけ/優しさを知った"というフレーズは、誰もが生きていくうえで当然大事にしたいことだが、現実には果たせない自分に失望することも多い。その思いをかなり具体的に綴ったこの歌が放たれると、ファンの共感が可視化されるようだった。続けてまた語りの導入を経て、音と光を失った対象とのコミュニケーションから"心の有り様"を描き出した「音無き言葉」が、このバンドがなんのために音楽で表現をし、その手段で何を最も伝えたいのかという核心をさらに明らかにしていく。今を生きるバンドとしてサウンドやアレンジが大切なのは当然なのだが、様々な"衣装"を捨て、歌とメロディが残ったとき、彼らが真摯なバンドだと言われる所以が理解できる。そんな流れを中盤でしっかり印象づけていた。
それだけに岡田が中心になって展開するMCのゆるさが対照を極めるのだが、ファンから募った質問コーナーのお題のひとつは"生まれ変わったら何になりたいか"。その答えが"猫"(山下)、"犬"(岡田)とベタに続き、渡辺は"人間になりたい"と意表を突き、高津戸は"山Pになりたい"と吐露。ファンの"全然、今のままでイケてる!"という反論に"でもここに山Pがいたら、僕なんか見もしないでしょ!"とさらに反論して笑いをとる。本当に先ほどまで演奏していた人たちと同一人物なのだろうか(笑)。
そうしてメンバーの柔らかなキャラクターにフロアが親密さを増して、後半はパワー・ポップな「I'm Rainbow」、そして「メリーゴーランド」では山下と渡辺が煽って、フロアも負けじとジャンプ。ストップ&ゴーな地メロからサビに解放されていくアップ・チューン「zero」、ハンドクラップと盛大なOiコールが起こり、この日最大の盛り上がりを見せた「呼吸」でピークを作り上げた。実に様々な表情の曲を多彩に持ちながら、必然的な流れで展開するライヴだ。『X-1A』からのレパートリーを軸にしながら、過去に必ずメッセージが符合する曲があり、バンドが進んできた時間をリスナーも共に体感できるようなセットリストを意識したのだろうと思う。
高津戸が最後のブロックを前に"今回のアルバムは自分がワクワクドキドキできるような音楽を探したけれど、楽しんでもらえたでしょうか。僕らは「いくぜー!」とか「ついてこいや!」みたいなことは言えないバンドですけど、みんなの笑ってる顔とか見てたら、時代とかトレンドとかより、自分たちのやり方でいいのかなと思えてきました"と率直な気持ちを話し、フロアからもまさに同意といった感じの拍手と歓声が起こる。改めてMAGIC OF LiFEというバンドの存在意義を確かめ合ったうえで、徐々に情熱が高まっていくような美しい曲「スターチス」、そして再び高津戸がハンドマイクで歌う「アオイシグナル」が、一瞬、ワルツ的なニュアンスを感じさせるリズムに乗って流れ出す。ヒート・アップした気持ちを鎮めながら大切なことを最後に残してくれる、そんな本編の閉じ方がまた彼ららしい。音源の何倍も強い生命感を放つ演奏、高音を絞り出すように歌う高津戸。各々、あたたかい何かを胸に変えることができるライヴ、それがMAGIC OF LiFEの無二な部分なのだと感じた。
アンコール前のMCでは"改名してから2歳。まだまだですけど信じた道を歩いていきます"と、清々しい表情を見せた彼らのかけがえのない"普通"が、音楽的にはどう更新されていくのか? 本質を変えないまま変わっていく次の1年に期待したい。
[Setlist]
1. Go out
2. スキルフラワー
3. 変えるのうた
4. DOUBLE
5. Bellyas
6. Born Message
7. Misanga
8. Knight
9. 風花ノ雫
10. 栄光への一秒
11. 青くて白い
12. 音無き言葉
13. I'm Rainbow
14 メリーゴーランド
15. zero
16. 呼吸
17. スターチス
18. アオイシグナル
en1. はじまりの日々
en2. 弱虫な炎
en3. 夜空のBGM
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