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INTERVIEW

Japanese

Shout it Out

2016年03月号掲載

Shout it Out

Member:山内 彰馬(Vo/Gt) 露口 仁也(Gt) 新山 大河(Ba) 細川 千弘(Dr)

Interviewer:沖 さやこ

10代限定の夏フェス"未確認フェスティバル"初代グランプリのShout it Outが初の流通盤『Teenage』から約3ヶ月というスパンで4曲入りEP『僕たちが歌う明日のこと』をリリース。4曲中3曲は『Teenage』リリース後に制作、残りの1曲は高校時代の楽曲を大幅にリアレンジしたとのことで、最新型のShout it Outを堪能できる作品なのだが......『Teenage』から飛び級とも言えるほどに急成長をしている。サポート・メンバーだったドラムの細川千弘を正式メンバーに招き、さらに結束を強め速度を上げ続ける4人の現況に迫った。

-細川さんが正式加入されて、リーダーに就任。バンドもしっかり固まりましたね。

山内:こいつ(細川)がサポートで入ったときから、ほんまにバンドの空気がガラッと変わって。バンドを支えてくれて引っ張ってくれてる感じがすごくあったんですよね。(細川からは)正式メンバーとしてやっていく気持ちがあるという話は聞いていたので......大阪でクリスマス・イヴに開催した『Teenage』(2015年リリースの2ndミニ・アルバム)の自主企画ライヴのアンコールで僕が勝手に正式加入を発表したんです(笑)。

新山:千弘だけでなく俺らふたり(新山と露口)も全然聞いてへんくてびっくりでした(笑)。

細川:いつまでサポートなのかな......と思っていた矢先のことだったので純粋に嬉しかったです。しかもその次の日が僕の誕生日で。こんなサプライズをされたのは人生で初めてで特別な日になりました。

-今作『僕たちが歌う明日のこと』は、『Teenage』から約3ヶ月という短期間でのリリースですが、いつごろ制作を?

山内:『Teenage』をリリースしてすぐに制作を始めました。「星降る夜に」(Track.3)は高校時代に作った曲をガラッとリアレンジして、あとの3曲は『Teenage』を出したあとに作った曲です。ライヴを開催しながらの制作だったので、休む間もない生活でしたね。『僕たちが歌う明日のこと』はTVドラマ"ニーチェ先生"のタイアップが決まったことでリリースすることになったんですけど、タイアップに引っ張られず、ちゃんと自分たちのやりたいことをやりたかったのでEPとして出したかったんです。『Teenage』は10代が抱える葛藤や不満を歌った曲が多かったんですけど、『僕たちが歌う明日のこと』はタイトルにも"明日"という言葉があるくらい勇気を持って未来に向かって一歩踏み出せるような気持ちになってもらえるような作品にしたくて。未来は真っ暗で何があるかわからへんから......そういう未来を少しでも明るいものにしたかったんです。

-『Teenage』には山内さんが自分と同じような悩みを抱えている人の背中を押すような曲が多い印象がありましたが、『僕たちが歌う明日のこと』は山内さん自身やバンドのことを歌った楽曲が多いと思いました。

山内:あ、本当ですか。実は他のインタビューでも同じことを言われたんですよ。特にそれを意識したわけではないんですけど、これだけ言われるってことはそういうことなんやろなあ(笑)。やっぱりまず自分がしっかり前を見て未来に向かっていかないと、聴いてくれる人が前を向けるようなメッセージを伝えられないと思うんです。だから自分たちのことを歌ったものが多いのかもしれない。

-Track.1「逆光」は"未確認フェスティバル"でグランプリを獲得したことがきっかけで生まれた曲だそうですね。それが"未確認フェスティバル 2016"の応援ソングに起用されるという結果に。

山内:僕らの生活をガラッと変えた"未確認フェスティバル"が2016年も開催されると聞いて、僕が勝手に"未確認フェスティバル"に応募する人たちのために作ったんです。それがいろんな人たちのおかげで本当に応援ソングになっちゃいました(笑)。......日本の音楽はやり尽くされてるといろんなところで言われているじゃないですか。歌詞を書いていても"自分の言いたいことも他のバンドが言ってるし"と思うこともあるし。

-今の時代、どういう曲でも"○○っぽいね"と言われてしまったりもするので、制作者としては気が重くなることもありますよね。

山内:僕らは高校1年のときにKANA-BOONのコピーをしていたので、オリジナルを作り始めて間もないころに"KANA-BOONっぽいね"と言われたりしてたんですよね。そのときの悔しさを思い出したりもしました。でも先人と似たメッセージであっても、自分なりの言葉でちゃんと想いを曲にしたかったし、だからこそ出せる力や重みがあると思うし。そうやって"一歩踏み出した"という事実がのちのち自分の背中を押すと思うんですよ。

-1番のサビの"迷わなくたっていいんだ/その想いを声にすることを"という歌詞にはそういう気持ちが込められていますね。

山内:そうです。逆に2番は応援する側の視点で書いたものなんです。僕らが出場した"未確認フェスティバル"の決勝には2,000人くらいのお客さんが来てくれていたみたいで、応募する側だけでなく応援する側の気持ちも歌えたらな......と思ったんですよね。そういう書き方はしたことがなかったので、書いていて楽しかったです。

新山:僕らは"閃光ライオット"(※"未確認フェスティバル"の前身イベント)にも2013年から2年連続で応募していて。2014年の"閃光ライオット"は僕らは3次審査で落ちてしまって、仲が良い関西のclimbgrowと最悪な少年は決勝に行ったんです。彼らには光が当たったけれど、僕らには当たらなかった。でも「逆光」の最後の"「僕に射した光が誰かから漏れたものだろうと/光であるなら大袈裟にでも受け取ってやんだ」"という歌詞の通り、そうやって踏み出すことが未来を繋ぐことに必要なのかなと思うんです。

山内:その当時、climbgrowと最悪な少年と僕らの3マン・ライヴを"閃光ライオット"の3次審査後にやることが決定してたんですよ。でも僕らは3次審査で落ちてしまって......それが本当に悔しくて。"未確認フェスティバル2015"に応募するかどうかは、プライドもあったから"3年目で落ちたら恥ずかしいな......"とすごく悩んだんです。でも高校を卒業して、プロとして音楽をやっていきたいのに現状がまったく変わらなくて。だから今の状況を変えるにはエントリーするしかないと締切ギリギリに応募して......本当に応募してよかった。

新山:しみじみそう思うからこそ、応援ソングにしていただけたことが嬉しいですね。当時の俺らと同じような状況で"応募したいけど俺なんて......"と思ってる人もいっぱいおると思う。でもそういう人たちが「逆光」を聴いて"やってやろうぜ!"と思ってくれたらいいなと思います。