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INTERVIEW

Japanese

「琴音」

2018年04月号掲載

「琴音」

Interviewer:蜂須賀 ちなみ

幕張メッセで行われた"ビクターロック祭り2018"の出演権をかけて開催された、Eggs主催のオーディション"ワン!チャン!!~ビクターロック祭り2018への挑戦~"(以下:"ワン!チャン!!")。超能力戦士ドリアンとともにグランプリを受賞した「琴音」は新潟県長岡市出身のシンガー・ソングライターで、現役女子高生。まだ16歳だという。繊細でしっとりとした歌声、歌詞から垣間見える冷静さ、ステージ上での堂々とした佇まいからは年齢不相応の落ち着きのようなものが滲み出ているが、いったい、どのような人物なのだろうか? "ビクターロック祭り2018"でのライヴ終了後、彼女に話を訊いた。

-まず、実際幕張のステージに立ってみていかがでしたか?

お客さんもたくさんいらしてすごく緊張しました。でもすごく楽しかったです。

-こちらからはあんまり緊張しているように見えなかったです。まっすぐ正面を見て歌ってるなぁと思って。

あ、それはニッパーくん(※ビクターの犬のマスコット)をずっと見てたんです。いいところにいてくれてるなぁ、歌いやすいなぁと思って。

-そうだったんですね(笑)。そもそもどういう経緯で"ワン!チャン!!"にエントリーしたんですか?

デビューするということを考えると自分ももう若い年齢ではないというか。若さでもってアーティスト活動をできるのは高校生でいるうちのあと残り2年ぐらいなのかなと思っていて。それで、やっぱりチャンスはできるだけ掴んでいきたいっていう思いがあって、Eggsで募集しているいろいろなオーディションに応募させていただいたんです。そのうちのひとつが"ワン!チャン!!"でした。

-「琴音」さんは、小学生のころから地元のコンテストに出演されていたんですよね。

そうですね。市でカラオケ大会をやるっていう広告が出ていて、親に"出てみたら?"って言われて。

-もともと歌うことが好きだったんですか?

はい。両親が音楽をやっていて音楽をできる環境が整っていたので、始めやすかったですし、続けやすかったですね。家に音楽室みたいな楽器がいっぱい置いてあるところがあるんですけど、そこでお父さんがギターを弾いて歌を歌っていることもあって。基本的に家の中で誰かが歌っていたので、それが聞こえてくることはよくありました。

-最初に"歌うのが好きだな"と思ったのっていつごろでしたか?

うーん......保育園の年少さんぐらいのころにはもう好きだったのかなと思いますね。物心がついたときにはもうそうだったような気がします。

-歌が好きになったきっかけは? 大人の人に褒められたから、みたいな感じですか?

あぁ、それはすごくありますね。両親が音楽好きなので私にも音楽を好きになってほしいって思っていたみたいなんですよ。なので、歌うとすごく褒めてもらえたし、近所の人とかにも"いいね"って言ってもらえて。それが嬉しくて続けられていたのかなと思います。

-そのあとどういうきっかけで曲を作るようになったんですか?

中学2年生のころから曲を作るようになったんですけど、カバーって、歌を歌うことさえすればできるものじゃないですか。それで、私よりも歌の上手い人なんてたくさんいるんだから、自分の夢に近づくためにはそういうこと(曲作り)をしていくのがいいのかな? っていう気持ちがあって。

-そのころにはもう将来歌手になりたいと思っていたんですね。

そうですね。音楽が好きだなって思い始めたぐらいの時期からそういう気持ちはありました。"歌が上手だね"、"歌手になれるんじゃないの?"って(周りの人に)持ち上げて言われたときに、まだ小さかったから"私は(歌手に)なれるかもしれないんだな"って思っちゃって、"じゃあ、なる!"っていうふうになって。確信も何もないんですけど"歌手になるんだな~"みたいな気持ちはずっとあって、それが今になってもずっと続いている感じです。

-曲を作るにあたって影響を受けたアーティストはいますか?

最初のころはとりあえず曲を作ってみようか、みたいな感じだったんですけど、何曲か作っていくうちに目指すようになったイメージとして、Mr.Childrenの歌詞の奥行きというか深さみたいなものを意識するようになりました。桜井さん(桜井和寿/Vo/Gt)の書く歌詞って聴く人ひとりひとりで受け取り方が違うじゃないですか。そういうふうに人生経験が違っても、みんながみんな"あ~、そうだよなぁ"って思えるような、沁み込むような歌詞を作れる人ってすごいなぁと思って。自分もそうなりたいと思って歌詞を書いていますね。

-中学生のころにはライヴ活動もされていたんですよね。初めてステージに立ったときのことって覚えてます?

はい、覚えてます。オープン・マイクっていう、一般の方でもお金を払ったらステージに立てるみたいな日がそのライヴハウスにあったんですけど、小学校の卒業祝いにお母さんがそれに連れて行ってくれて。そのときお客さんが5人ぐらいだったんですけど、ものすごく緊張して、足がありえないぐらい震えたんですよ。声も、まっすぐ伸ばしているはずなのにビブラートがかかってるみたいになって。だけど、歌い終わったあとに"上手い!"みたいな(お客さんの)声が聞こえてきたりしたので"うわぁ......!"と思って。

-緊張はしたけど、充実感も得られたと。

そうですね。"上手いって言ってもらえた!"みたいな、単純な喜びがありました。

-ステージから歌うのって怖くないんですか? 言ってしまえば、相手は見ず知らずの人なわけで。

なんて言うか......歌を作るのって自分の心臓の内をこう、曝け出しているようなものじゃないですか。なので、曝け出すこと自体に対する抵抗っていうよりも、それを受け入れてもらえるのかなっていう心配の方が多かったんです。でも"いいね"って言ってくださる方がわりと多くて、"あ、こういうのはいいのかな"みたいな安心感に変わっていくようになりました。