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INTERVIEW

Japanese

ザ・チャレンジ × ヤバイTシャツ屋さん

2016年07月号掲載

ザ・チャレンジ × ヤバイTシャツ屋さん

大阪の"見放題"、名古屋の"でらロックフェスティバル"、福岡の"TENJIN ONTAQ"がタッグを組んだ日本最大級のライヴ・サーキット・イベント"Eggs presents TOKYO CALLING 2016"が、9月17~19日に下北沢、新宿、渋谷の3ヶ所で開催される。その開催を祝し、楽しいライヴに定評がある東のザ・チャレンジと西のヤバイTシャツ屋さんの対談が実現。サーキット・イベントでの戦い方、発達した関西の音楽シーン、"TOKYO CALLING"にかける期待、お互いのライヴ観など、第一線で活躍するロック・バンドならではの視点で語ってもらった。

ザ・チャレンジ:沢田チャレンジ(Vo/Center)
ヤバイTシャツ屋さん:こやま(Gt/Vo) しばたありぼぼ(Ba/Vo)
インタビュアー:沖 さやこ Photo by 新倉 映見

-"TOKYO CALLING"は大阪"見放題"、名古屋"でらロックフェスティバル"、福岡"TENJIN ONTAQ"がタッグを組み、下北沢、新宿、渋谷の3ヶ所で開催されるサーキット・イベントです。まず、お二方が"TOKYO CALLING 2016"に出演することが決まった経緯は?

こやま:もともと僕らはちゃんとした活動を全然してなかったんですけど、去年の1月に見放題主催の民やんさんが偶然僕らのライヴを観てくれはって。それで"面白い!"と言うてくれはって、すぐに見放題の出演が決まったんです。それが大きなきっかけです。そのあとに、でらロックみたいな全国各地のサーキット・イベントに呼んでもらえるようになって、その流れでTOKYO CALLINGにも呼んでいただけました。

沢田:TOKYO CALLINGが開催されることを情報サイトで知って、"これはお呼びが掛かるんじゃないかな?"と思っていたら一向に掛からなくて(笑)。それで、うちのメンバーが"TOKYO CALLING出たいなー"とTwitterでつぶやいたらスタッフの方が声を掛けてくださって、出演が決まったんです。僕らは東京代表、下北沢代表だと思っているので、出演が決まって嬉しいです。大阪、名古屋、福岡勢が東京に攻め入ってくる感じがあるので(笑)、東京代表としてはここで負けてらんねぇな!という気持ちもありますね。

-それぞれが思う、サーキット・イベントにしかない醍醐味とは?

こやま:普段わざわざ自分たちを観に来てくれない人も観に来てくれる。ついでに観て行ってくれるので、そこでハート・キャッチできたらいいなと、いつも気合いが入りますね。なんか残さな!というのはあります。初見の人向けにやってますね。

しばた:サーキット・イベントは普段のイベントよりも持ち時間が短いので、いかにその短い時間で普段と同じライヴができるかが頑張っています。普段のブッキング・ライヴはいつも観に来てくださる人が多いので、サーキットで観れへんことをしないとダメだと思っていて。MCも普段のブッキングのときはサーキットのときよりももっとふざけてます(笑)。

沢田:バンドとしてはやっぱりワンマン・ライヴを観てもらいたいし、音源を聴いてほしい。でも、フェスやサーキット・イベントは知ってもらうきっかけとして一番早いなと思っていて。30分1本勝負の、ワンマンとは違う戦い方ができる面白さはすごくあるなと。みんなが"どうやってワンマンまで来てもらうか?"と工夫してる感じは観ていて楽しいし、自分も考えながらやってますね。ヤバT(ヤバイTシャツ屋さん)と同じように、基本的に"初めまして"の人向けにやってます。だから"楽しんでいいんですよ"というバンドのスタンスは最初に伝えるようにしてますね。出番前の転換時間は主催者様からいただいた20分もの大チャンスだと思っているので、メンバーがセッティングしている間に僕はずっとお客さんと喋ってます(笑)。あと、僕は楽器を弾かないヴォーカルなうえにワイヤレス・マイクなので、演奏中に入口付近まで行って入場規制ならぬ"退場規制"をしたりしてますね(笑)。

こやま:......ほんまそれうらやましいですよね。俺らもザチャレ(ザ・チャレンジ)さんとか四星球さんみたいに、演奏中に面白いことをしたいんですよ。でも3ピースやから曲中にふざけられないんですね(笑)。だからMCと曲間で頑張るしかないんです。間奏だけ誰か別の奴にギター弾かせようかな......お客さんをステージに連れてきて弾かそうかなとか思ったりしますね(笑)。曲中にふざけられるのほんまうらやましい。

沢田:"曲中にふざけられるのうらやましい"って、ロック・バンドの対談じゃないね(笑)。

-ははは。サーキット・イベントでは自分たちのライヴを観てもらうために当日や前日にビラ配りで告知をしているバンドマンも多いですが、みなさんはいかがですか?

こやま:Twitter芸人なんで、(集客は)ネットがメインですね。"MINAMI WHEEL"のとき、僕らの出演時間の前にROTTENGRAFFTYがアメ村でゲリラ・ライヴをやるって告知してたんですよ。"やばい!お客さん全員取られる!"と思って(笑)、その告知の画像と"○時○分ロットンTシャツを着て三角公園に集まれ"をまるまるパクって、"○時○分ヤバイTシャツを着てSUNHALLに集まれ"と自分たちの告知を出しました。それで実際にROTTENGRAFFTY終わりのお客さんがたくさん来てくれましたね。

沢田:僕、それ見事に行きましたもん(笑)。30分のライヴは映画の予告編みたいなものだと思うんですよね。おいしいところをキュッとまとめてるから、やっぱりそれを観てもらわないと始まらない。僕もTwitter芸人なので、初めて出るサーキットの前には必ずイベント名とかで検索して、"ザチャレとヤバTどっちにしようかな"と言ってる人がいたら"最初の2分だけでもいいからザチャレを観てくれ!"と(リプライを)送ったりしてます。そのイベントに行く人を見つけたら、"ザ・チャレンジ○時から○○でやります!"と......会場に向かうまでの移動中、携帯の充電がなくなるまでそういう細かいことをしてますね。それでプラス10~50人くらい来てくれたりするので万々歳。

こやま:今ね、音楽だけ頑張っててもダメだと思ってるんです。 音楽を頑張るのは当たり前なので、あとはどれだけネットを頑張るか(笑)!

-サーキット・イベントは、ヤバTの見放題の件のように、アマチュア・バンドにも出演のチャンスがあるのも魅力のひとつだと思います。特に関西はサーキット・イベントだけに留まらず若手のフックアップが充実していますが、実際その環境にいるヤバTはその状況をどう捉えていますか?

こやま:ありがたい。みんながみんな、ミナホ(MINAMI WHEEL)や見放題は大きなチャンスやと思ってるので、大阪にいるとそのチャンスをもらえてる感じはありますね。

しばた:ミナホにはエントリー枠もあるので、今から頑張ろうとしている人にチャンスがいっぱいある。お客さんにとっても、好きなバンドを見つけやすい機会だなと思います。

沢田:関西のシーンはバンドが1~2年でグワッと大きくなる傾向があって。それは東京と全然違うなと思いますね。大阪の若手の子たちに半年ぶりに会ったら、ものすごく大きくなってる――それは大阪、名古屋、九州のイベントが充実してるからなのかもしれないですね。東京はバンド数もイベント数もすごく多いから、そういうものが根づきにくいのかもしれない。東京にミナホみたいなイベントができるのは、若い子たちもすごく嬉しいんじゃないかな。