Japanese
9Lana
Writer : 高橋 美穂
トップ・クリエイターの生み出した難曲を9つの声質で歌いこなすカメレオン・ヴォイスの持ち主
TikTokやYouTubeを主戦場として活躍するアーティストが百花繚乱な状況となっている令和の時代。そんななかでも、シンデレラ・ストーリーを感じる女性アーティストが、このたびソニーミュージックからメジャー・デビューした9Lana(読み:クラナ)だ。
4月19日にリリースされたデジタル・シングル「Let me battle」が、テレビアニメ「ポケットモンスター」のエンディングテーマに大抜擢。しかも、この楽曲は作曲&編曲はGigaとTeddyLoid、作詞はTOPHAMHAT-KYO(FAKE TYPE.)。それぞれ様々なヒット曲に携わっているクリエイターだが、この3人の布陣で制作された楽曲と言えば、なんと言ってもAdoの「唱」である。2023年に老若男女を踊らせた楽曲を手掛けた3人が、2024年に再びタッグを組み、「Let me battle」を生み出した。これは間違いなく話題をかっさらうニュースではあるけれど、一方で、3人には大成功を収めたあとであるが故のプレッシャーもあったのではないだろうか。さらに言えば、そんな布陣にバックアップされてメジャー・デビューした9Lanaは、もっとプレッシャーを感じてもおかしくない。僭越ながら自分自身と重ね合わさせてもらうけれど、私なら足が震えて楽曲に立ち向かえない、声が震えてまともに歌えないと思う。
しかし、「Let me battle」は、9Lanaは、越えていった。GigaもTeddyLoidもTOPHAMHAT-KYOも、自身の持ち味を最大限に生かしながら、アニポケ(テレビアニメ「ポケットモンスター」)のエンディングテーマ、そして9Lanaのメジャー・デビュー・シングルという命題に向かって剛速球を投げ込んで、"過去の自分たち自身"を越えたのだ。私が想像していたような、単純な比較論でプレッシャーを感じることなどなく、真摯に仕事をしたクリエイター魂には、一線で活躍するために必要な強さが表れている。そして9Lana。この3人がタッグを組むと、聴き手は気持ちいいものの歌い手としては難しい楽曲になりがちだし、「Let me battle」も言わずもがな。しかし9Lanaは気持ち良さそうに、堂々と歌いこなしているのだ。早くもメジャー・デビュー曲で、実力と精神力を発揮して、高い壁を越えた9Lana。ネット・カルチャーを突き抜ける可能性に満ちた、老若男女に注目してほしいアーティストだと、改めて声を大にして言いたい。
9Lana 『Let me battle』(Prod.Giga & TeddyLoid) Lyric Video 【テレビアニメ「ポケットモンスター」エンディングテーマ】
肝心の「Let me battle」がどんな楽曲か。「ポケモン(ポケットモンスター)」のエンディングテーマでありながら、GigaとTeddyLoid、TOPHAMHAT-KYOという布陣らしい、攻撃的で快楽的なテンションや、難解な作品性は健在である。だから逆にすごいのだ。"アドベンチャー"、"ヒーロー"、"Victory"などといったワクワクするワードや、"ポケット"、"絶対ゲット"などといった「ポケモン」的ワードを織り交ぜながらも、しっかりとTOPHAMHAT-KYO節に仕立てる手腕。カラフルな音色を織り交ぜ、ラップからしっとりした声色までちりばめ、オリエンタルな匂いも漂わせながら、あくまで爽やかなポップスに着地させ「ポケモン」らしさを守り抜くような、GigaとTeddyLoidのバランス感覚。これらはもう、職人技である。20年以上も愛されている、確固たる世界観を築き上げている「ポケモン」をリスペクトし、現役の子供や元子供が楽しめる楽曲に昇華しながら、前進へいざなう道を切り拓いているような印象を受けた。
そんな楽曲を歌いこなしている9Lana。そもそも9Lanaは、9つの声質を操るカメレオン・ヴォイスの持ち主であり、楽曲の主人公が憑依したと思わせるほどの歌唱で"歌役者"と呼ばれている。2023年から自身オリジナル曲「右ポケット」、「BALALAIKA」、「GAME」の3曲を立て続けに配信リリースすると、SNSのフォロワーも激増。その数、Xは1万4,000人、YouTubeは4.5万人、TikTokは9万を誇る。2024年1月になると、アニメ"うる星やつら"エンディング・テーマ「雷櫻 feat. 9Lana, SAKURAmoti」に、MAISONdesの歌い手として参加し、お茶の間へと進出。そして今回の「Let me battle」で、満を持してメジャー・デビューを果たしたのだ。
こうして積み重ねてきた実力が、「Let me battle」では遺憾なく発揮されている。一瞬、けれど大きなインパクトを与えるぶ厚いコーラスのイントロから、性急にラップが始まると、続いて高音にハネ上がるキュートな歌モードへ。時折低く気迫ある声も挟み込みながら、急に"お気に召すまで磨き上げるスタンバイオーケー"としっとり歌い上げ、一番キラッキラなサビへ。"余裕で Let me battle"というフレーズは、9Lana自身の自信にも感じられる。
2番も、まるで女神のように"キャッチーな御伽噺 神話に化けて紡いじゃう/その先はここから"と神聖に響かせたかと思いきや、やんちゃなガナリ声で"Let go 最速までも超えて/逆境なんて蹴っ飛ばして"と歌う。さらに圧巻なのがラスト。急展開を迎えると、"Hey! Hey! Hey! Hey!"とシンガロングしたくなるパートが訪れ、締めくくりは、みんなで未来へ突き進むと言わんばかりに"また明日も"で終わるのだ。まさに、歌声でストーリーを描いている。
新たな「ポケモン」の物語を切り拓くような、そして9Lanaのアーティストとしての物語の第1章のような、そんな期待感に満たされる「Let me battle」。これからの9Lanaに、どんな第2章、第3章が待ち受けているのか。ぜひ読み進めていってほしい。
▼リリース情報
9Lana
Debut Single
「Let me battle」

2024.04.19 ON SALE
[ソニー・ミュージックレーベルズ]
※テレビアニメ「ポケットモンスター」エンディングテーマ
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon
配信はこちら
▼番組情報
テレビアニメ「ポケットモンスター」
テレ東系にて毎週金曜18:55から放送中
※一部地域では放送日時が異なります。
※放送内容は変更になる場合があります。
■公式X(@anipoke_PR):https://twitter.com/anipoke_PR
■公式HP:https://www.tv-tokyo.co.jp/anime/pocketmonster2023/
見逃し配信はこちら
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon
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