Japanese
YOU MAKE SHIBUYA VIRTUAL MUSIC LIVE powered by au 5G
Skream! マガジン 2021年05月号掲載
2021.03.31 @SHIBUYA UNDER SCRAMBLE(バーチャル会場)
Writer 宮﨑 大樹
"バーチャル渋谷"をご存じだろうか。バーチャル渋谷は、渋谷区公認の仮想現実プラットフォームで、その名の通り仮想現実上に創られた渋谷の街だ。まるでSF映画のような話だが、手元のスマートフォンやPC、VRデバイスで、今すぐ簡単にバーチャル渋谷へ行けるようになっている。このバーチャル渋谷では、様々な渋谷らしいコンテンツがオンライン・イベントで配信されると共に、現実と仮想空間が融合した"XRコンテンツ"の体験が可能。言わば、バーチャル渋谷は、現実の渋谷と連携した"もうひとつの渋谷"なのだ。
そしてこのたび、バーチャル渋谷の中に、渋谷の文化を救う"YOU MAKE SHIBUYAクラウドファンディング"の途として実現された、バーチャル・ライヴハウス"SHIBUYA UNDER SCRAMBLE powered by au 5G"が誕生した。未だ収束の兆しが見えないこのコロナ禍において、ライヴハウスに行きたくても行けない音楽ファン、ライヴ活動が思うようにできないアーティストは大勢いる。需要があるのに供給できない、エンタメ業界にとっては死活問題とも言えるこの状況のなかで、渋谷の音楽カルチャーを絶やさずに発信していく場が生まれた意義は大きい。また、この非常事態とは関係なしに、日本のカルチャーの発信地である渋谷と、そのライヴハウスから、世界中へ街ごとカルチャーを届けられるプラットフォームができたことは、まちづくりやエンタメの進化とも言えるだろう。さらに言えば、バーチャルなライヴハウスならではの、現実では不可能なステージ演出もできるわけだから、アーティストにとっては表現の可能性、選択肢もグンと広がる。ある意味では、より自由なアートの世界が広がっているとも考えられるかもしれない。
ここまでの説明だけでは、バーチャル渋谷、バーチャル・ライヴハウスの具体的なイメージがつかない方もいると思うので、今回は、ライヴハウス"SHIBUYA UNDER SCRAMBLE powered by au 5G"のこけら落とし公演"YOU MAKE SHIBUYA VIRTUAL MUSIC LIVE"の模様をレポートする。
"cluster"というアプリでバーチャル渋谷へ入ると、自身のアバターが夜の渋谷のスクランブル交差点に立っている。世界的にも有名なこの場所。筆者は1年の大半を渋谷で過ごしているのだが、だからこそわかる渋谷の再現度の高さに驚かされた。スピーカーを通した街の喧騒で没入感があるし、5Gのデータ通信を想起するような光の帯がバーチャル渋谷を駆け巡っていて、現実的でありながらも近未来的なこの街並みは、見ているだけでワクワクしてくる。ちなみにこのアプリでは、1人称視点と3人称視点が切り替えられるようになっているので、それぞれ好みの視点で楽しむといいだろう。
さて、今回オープンした"SHIBUYA UNDER SCRAMBLE"はどこだろうか? とバーチャル渋谷を歩いていると、QFRONTの前の大型モニターに地図があった。どうやら現実では地下鉄の入り口になっている階段を降りると、ライヴハウスへ行けるようだ。早速、地下に向かって階段を降りていくと、青と黒を基調としたスタイリッシュな空間にワープした。この場所は前室のようで、ここを抜けて、いよいよライヴ・スペースに入る。すると、すでにたくさんのアバターがフロアを埋めているではないか。配信ライヴでは味わえない、他者と空間、時間を共有しているライヴハウスのあの感覚が、バーチャルなライヴハウスにもあった。さらに、アバターを通してペンライトを振ったり拍手したり、いくつかのアクションができるようになっているので、実際のライヴのように、アーティストとファンが一緒になってライヴを作り上げていく気分も味わえそうだ。
ステージ上に、こけら落とし公演の記念すべきトップバッターとして登場したのは、東京を拠点に活動するヒップホップ・アーティストのWez Atlas。ステージを見上げた先にアーティストがいるこの視界は、ライヴハウスでのそれに近い。1曲目の「Pink Lemonade」から英詞のラップを巧みに繰り出し、この日リリースされた「NEO EGO」では、VivaOla、Juaをステージに呼び込みコラボ曲を披露したWez Atlas。"自分自身の今後の可能性も広がった気がする"とステージ後にコメントしたように、出演者も観客も、新しい時代の幕開けを感じたであろうステージだった。
続いて、"FUTURE シンガーソングライター&ギタリスト"sooogood!のステージへ。ベーシストとドラマーを率いたsooogood!は、ミドル・チューンの「おそろしく愛すべき子どもたち」でグッド・ミュージックを届けていく。シティ・ポップ調の「KENKO SEIKATSU CLUB」から「新世界Ⅱ」へ繋げ、温かくそして心地よい3曲のショート・ライヴはあっという間に終了。まだまだ聴いていたいと思わせるステージだったが、"きっと近い未来、当然のように電脳の世界で音楽と踊り明かす日々を心待ちにし、また電脳の世界で会える日を楽しみにしています!"と残したコメントを信じ、再会を楽しみにしたい。
そして、この日のトリを務めたのはザ・チャレンジ。ドラマーのドラゴンチャレンジ(本名:石川 龍)は、実はKDDIの現役社員で、本企画の主要メンバーであるという。KDDIは、誰もが知る大手通信キャリアであるが、その一方で、日本のカルチャーを大事にし、その存続について真剣に向き合い、チャレンジを続ける企業でもあるようだ。
そんなザ・チャレンジのライヴは、「NEVER ENDING MUSIC」でスタート。彼らの"音楽"への想いが詰まったこの曲は、"コロナ禍にあっても、エンタメ、音楽は止まらないぞ"という強い意志表示にも受け取れた。それにしても、半年ぶりのライヴが、彼らにとって特別な場所である渋谷で、しかもそのバーチャル空間で行われたことは感慨深い。"アバターを駆使して、ジャンプしたり拍手したり、ライブを楽しもうとしてくれていたのも、とっても嬉しかった"(沢田チャレンジ)と語るように、多くのアバターが、彼らのダンス・ロックに合わせて、リアルなライヴハウスさながらに楽しんだステージだった。
この日、初めて参加したバーチャル・ライヴ。現時点ではリアル・ライヴのほうが優れている部分ももちろんあるが、バーチャル・ライヴは、技術の進歩やアイディア次第で、ものすごい進化を遂げる可能性を秘めているように思う。"バーチャル"という言葉には、一見して無機質な冷たいイメージがあるかもしれないが、それを作り上げているのは、人間の情熱なのだ。そう考えると、クラウドファンディングの関係者と支援者、音楽ファンとアーティスト、渋谷区、音楽業界関係者やKDDIに至るまで、多くの人の想いが込められたライヴハウス SHIBUYA UNDER SCRAMBLE、そしてバーチャル渋谷という街が、なんだか愛おしく思えてきた。
およそ100組のアーティストが参加するという本イベント"YOU MAKE SHIBUYA VIRTUAL MUSIC LIVE powered by au 5G"は、今後も4月16日から20日間続いていく。ラインナップは近日発表となるが、少しでもバーチャル渋谷、バーチャル・ライヴハウスに興味を持った方は、バーチャル渋谷に"足を運んで"みては、いかがだろうか。
なお、今回出演した3組によるコメントも到着している。
今回はYOU MAKE SHIBUYA VIRTUAL MUSIC LIVEに参加させていただきありがとうございます!
バーチャルの世界でライブをすることなんか初めてなので、とてもいい経験になりました。
新しい種類のエンターテイメントに関わることができて、すごくラッキーだなと実感しています。
自分自身の今後の可能性も広がった気がするし、これからもっと色んな空間で音楽好きの人々と繋がって行きたいなーと思いました。
今回のライブで初めて歌った新曲の「NEO EGO」がMVと共に公開中です!是非チェックしてみてください。
―― Wez Atlas
新たな文化の幕開けに立ち会えたことを誇りに思います。
バーチャライズされた渋谷の街並み、そしてライブハウスはどれも新感覚で、
まったく新しいこれからの音楽のかたちに触れているようで期待に胸を膨らませています。
きっと近い未来、当然のように電脳の世界で音楽と踊り明かす日々を心待ちにし、
また電脳の世界で会える日を楽しみにしています!
―― sooogood!
ザ・チャレンジにとって初めてのバーチャルライブ!とっても刺激的な体験だったぜ。
オーディエンスのみんなが、アバターを駆使して、ジャンプしたり拍手したり、ライブを楽しもうとしてくれていたのも、とっても嬉しかったんだ。
バーチャルライブが現時点で、リアルライブと比べて足りていない部分は正直たくさんあると思う!
でも俺は、このバーチャルライブとバーチャルライブハウスにある可能性、ビンビンに感じちゃったぜ。
コロナ禍で、以前のようにライブ活動が出来なくなってしまった今、バンドたちにとっても、こんなありがたいことはないよ。
リアルとバーチャルを比べるんじゃなくて、どっちも楽しんじゃえばいいじゃんね。
俺はもう次に出演する時にやりたいこと、むくむく湧いてきてるよ。
チャレンジしてない人生なんて!また、みんなにバーチャル渋谷で会いたいぜ\(▼o▼)/
―― 沢田チャレンジ(ザ・チャレンジ)
[Setlist]
■Wez Atlas
1. Pink Lemonade
2. Minestrone
3. NEO EGO
4. Overthink
■sooogood!
1. おそろしく愛すべき子どもたち
2. KENKO SEIKATSU CLUB
3. 新世界Ⅱ
■ザ・チャレンジ
1. NEVER ENDING MUSIC
2. 東京レコード
3. お願いミュージック
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斉藤和義
ヒトリエ
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超☆社会的サンダル
LACCO TOWER
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オレンジスパイニクラブ
BLUE ENCOUNT
村松 拓(Nothing's Carved In Stone/ABSTRACT MASH/とまとくらぶ)
DeNeel
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緑黄色社会
SUPER BEAVER
柄須賀皇司(the paddles)
ORCALAND
ヤングスキニー
WANIMA
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-
THE BACK HORN
Creepy Nuts
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BLUE ENCOUNT
村松 拓(Nothing's Carved In Stone/ABSTRACT MASH/とまとくらぶ)
WtB
DeNeel
SUPER BEAVER
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ねぐせ。
オレンジスパイニクラブ
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The Ravens
ネクライトーキー
ずっと真夜中でいいのに。
コレサワ
村松 拓(Nothing's Carved In Stone/ABSTRACT MASH/とまとくらぶ)
HY
sumika
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Keishi Tanaka
ポップしなないで
Mr.ふぉるて
Rhythmic Toy World
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indigo la End
ヒトリエ
緑黄色社会
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GANG PARADE
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"METROCK2025"
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CNBLUE
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The Biscats × Ol'CATS
ネクライトーキー
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ずっと真夜中でいいのに。
The Ravens
HY
sumika
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Keishi Tanaka
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US
Plastic Tree
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ヒトリエ
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INF
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アーバンギャルド
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BRADIO
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