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INTERVIEW

Japanese

Shout it Out

2015年12月号掲載

Shout it Out

Member:山内 彰馬(Vo/Gt) 露口 仁也(Gt) 新山 大河(Ba) 細川 千弘(Dr)

-グランプリ獲得から、念願だったことがどんどん実現に変わっている最中なんですね。そして10月、急にドラマーさんが抜けてしまうことになる。そこに現れたのが細川さん。

細川:僕の兄もバンドをやってまして、兄のバンドとShout it Outがもともと知り合いだったんです。兄は"君たちと同い歳のドラムをやっている弟がいるんだ"という話をShout it Outにしていたんですよね。それからちょっとして、Shout it Outがドラマーを探していることを知ったんです。僕は前からShout it Outを聴いてて"同年代でこんなにかっこいいやつらがいるんだ!"とずっと思ってたんです。そんなバンドがドラマーを探してるんだったら"このチャンスは逃したくない!"と思って僕から連絡をとりました。

山内:それまでメンバー・チェンジの経験がなかったので、ドラマーが抜けることに僕らめっちゃテンパってて。こいつ(細川)のことは知っていたし、同い歳でプレイもかっこいいと思ってたんですけど、名古屋に住んでるので厳しいなと思ってたんです。そんなことを考えてるときにちょうど(細川から)連絡をくれて。すごくテンパってる僕らに真っ向から入りたいと言ってくれて......その熱意のおかげで僕らも落ち着いたというか。そこにすごく縁を感じて。

細川:全然距離なんて気にしてなかったです(笑)。週に2回くらい名古屋から大阪に通っているんですが驚くくらい苦じゃなくて。何度か一緒にスタジオに入っていく中で、バンドがどんどん前向きになっていくと3人から言われたときはすごく嬉しかったですね。僕もちょうど正式メンバーとしてはバンドに所属していない時期だったので、運命を感じました(笑)。

山内:それが"イナズマロック フェス 2015"と"MINAMI WHEEL 2015"の間の話で。

細川:僕がバンドに参加することを発表した2日後に"MINAMI WHEEL"のステージに立って。実際、本格的にスタジオに入り始めたのもミナホの2週間前とかそんな次元なんです。そういう時間の中で今回のミニ・アルバムの制作もあって大変だったんですけど、この大きなチャンスに食らいつこうと必死です。

-そしてきっと誰もが驚いたんじゃないかと思うんですけど、Shout it Outは今年10月下旬に"未確認フェスティバル 2015"の賞金100万円を全部使ってShibuya TSUTAYA O-EASTでフリー・ライヴを行ったんですよね。これはみなさんの案だったんですか?

山内:そうです。最初はその賞金でCDを作ろうと思ってたんですけど......いざグランプリを獲ってみると、応援してくれた人たちの存在の大きさに気づいて。そういう人たちの目を見て、ライヴという形で挨拶をしたいなと思ったんです。"100万円あったらそういう機会を作れるよな"ってことでフリー・ライヴの開催を決めました。出演してくれたBrian the SunとSHE'Sは大阪の先輩で、単純に僕らもすごく大好きなバンドで。急なお誘いになっちゃったんですけど2組ともすぐ出演を決めてくれて。先輩の胸をお借りしました。本当に達成感があって、これで良かったなと思いました。

新山:決して自分たちの力だけで獲れたグランプリではないので、なんとかみんなに恩返しをしたくて。それをこうやってひとつの形にすることができて本当に良かったです。

露口:でも正直(集客は)パンパンとまではいかなくて。次は満員にしたいですね。

-こういう行動力からもShout it Outが熱い心意気を持ったバンドだということが伝わってきます。そして今回、Eggsプロジェクトから立ち上がった新レーベル"Eggs"第1弾アーティストとしてTOWER RECORDS限定で初の流通盤となるミニ・アルバム『Teenage』がリリースされます。

山内:"未確認フェスティバル"に出る前から、10代最後の年となる2015年の冬には絶対に流通盤のCDを出したいなとずっと思っていて。だからグランプリを獲ったあとすぐ制作に入ったんです。そういうときに"未確認フェスティバル"の主催でもある"Eggsプロジェクト"が力を貸してくださって"Eggs"のレーベル第1弾アーティストとしてCDを出せることになりました。「光の唄」(Track.1)は10代のうちにちゃんとレコーディングして出したいなと思ったので、1曲目として収録してリード・トラックにしました。10代の"今"を体現しよう!と思って音を全部詰め込んで。

-私自身も19歳のときに"10代のうちにこれをやりたい、あれをやりたい"という気持ちがあったのでわかるのですが、Shout it Outの場合はなぜ"10代のうちに"が重要だったのでしょう?

山内:若いからといって"こういうことをやっても許されるだろう"という守りの態勢に入るのではなく"若さを武器にしてやっていこう!"と思って今まで活動してきたので、10代のうちにでっかいことをやっておかないと自分たちのやってきたことに説得力がなくなるなと思って。ちゃんと自分たち発信で10代の最後にでかいことをしたいなと思ったんです。......虚勢や意地や背伸びも全部含めて10代ならではだと思うんですよね。

新山:乗っかるだけやとあかんしな。自分たちの武器をギュッと形にしておきたかったんです。

-Shout it Outは自覚的に10代を武器にしている印象がありました。その象徴の対比として出てくるのが"大人"だと思うんです。「光の唄」は"僕の周りにいた大人達は/僕に「夢を見なさい」と言った""夢を見るのは難しいのさ/周りの大人達のせいでさ"と1番と2番で大人の描かれ方が正反対。Track.3「Teenage」は大人に牙を剥いているようでもあって。

山内:かっこいいな、好きだなと思う大人ももちろんいるんですけど、大人の大半は10代の僕らのことを制限したり抑圧したり......そういう人たちが多い。こうやって10代を経験してきて"僕らはこうしたいのにこうさせてくれない、こうできない"ということがすごく多いんですよね。だったらそういうときに湧いてきた気持ちというか、心に溜まる行き場のない気持ちを曲にしてやれ!と思って。同じ10代のみんなも言葉にできないもやもやが心にあると思うんです。だから「Teenage」はみんなの気持ちを代弁できるかなと思ってそういうものを曲にしてますね。なので歌詞はほぼ実体験です。

細川:そういう気持ちはバンド全体が持っていて。歌詞から曲の構成を考えるのはメンバーみんなで共有しています。

新山:それが1番大事にしていることで。そこに向かってみんなで"じゃあこういうふうにしよう"というのは意識的にしていますね。

-リズム隊はヴォーカルを立てる、バックアップするようなアプローチですものね。

山内:それは歌っていてもすごく感じます。こいつらはちゃんと歌のことを理解してくれて自分たちのパートのフレーズを作ってくれてるんだなって。歌っている僕がそれは1番感じています。

細川:(※山内に向かって)ああ、ありがとう......! すっごい嬉しい!

山内:ほんまにめっちゃ嬉しそうな顔してるやん(笑)。

細川:笑顔が止まらない(笑)。