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INTERVIEW

Japanese

ザ・モアイズユー

2019年04月号掲載

ザ・モアイズユー

Member:本多 真央(Vo/Gt) 以登田 豪(Ba/Cho) オザキ リョウ(Dr)

Interviewer:秦 理絵

-本多さんは、結成から8年を振り返ってみてどう思いますか?

本多:基本的に僕は自信がないんですよ。"絶対に自分はやれる!"とは思ってないから、どれだけ周りの人に"いい曲だね"って言われても、"大丈夫かな?"って思っちゃうんです。ただ、2011年からこのタイミングまでバンドをやめてないっていうことは、"自信がない"って言いつつも、"俺、ほんまは根底には自信があるのかな?"っていうのがあるんですよ。何か自分に可能性を感じているから、やめてないんやなと思うんですよね。

-それが、ここまでバンドを続けてこられたモチベーションになっていた?

本多:そうですね。あとは、曲を作ると褒めてくれるというか、少なからず評価してくれる人がいたので。それがまったくのゼロだったら、"ダメだな"と思ったかもしれないですけど、その人たちが信じてくれることによって、自分も自分を信じてこられたと思うので、応援してくれる声が大きかったですね。

-そういう想いが、例えば今回のアルバムに収録されている「何度でも」みたいな曲が生まれてきた理由かもしれないですね。

本多:まさにその通りですね。

-全国流通のきっかけとして、去年イドエンターテインメントのオーディション"SUPEREGO"でグランプリを獲得したことが大きいと思いますけど、応募のきっかけはあったんですか?

本多:シンプルにチャンスを掴み取りたかったんです。だから、正直、オーディション全部に申し込んだって言っても過言じゃないぐらいだったんですよ。オーディションじゃないところで羽ばたいていくバンドもいれば、オーディションで羽ばたいていくバンドもいるじゃないですか。自分たちがどっちのパターンかはわからへんし。そこにチャンスがあるなら、何がなんでも掴みたいなと思っていましたね。

以登田:グランプリが決まったときは、嬉しかったですよね。

-イドエンターテインメントと言えば、back numberが所属している事務所ですけど、そのあたりは応募動機のひとつでもあったんですか?

本多:そうですね。back numberを好きなお客さんが、ザ・モアイズユーをも好きって言ってくれる傾向にあるなっていうのは、日々ライヴをしながら感じていたので。、たくさんオーディションがあるなかで、イドエンターテインメントのオーディションは、僕らが一番掴み取るべきものやなっていう話はしていましたね。

以登田:そうだね。

本多:"ここで優勝できたら、未来を変えられるぞ!"という気持ちはありましたね。

以登田:逆に、"これ勝てんかったらやめよう"ってぐらいの気持ちでしたね。

-オーディションは反響も大きかったんじゃないですか?

本多:今までバンドをやってきたなかで一番大きかったですね。決勝までいって負けるっていうのを何回も繰り返してきたので、周りの人たちも"ようやく優勝したか"っていう安堵感みたいなものがあったみたいで。みんなが喜んでくれたのが嬉しかったですね。

-温かいですね。そんな経緯を経て完成したのが今回の1stミニ・アルバム『想い出にメロディーを』になりますけど、自分たちとしてはどんな作品になったと思いますか?

以登田:今までデモ・シングルとしてリリースした3曲の再録と新曲4曲を収録したアルバムになったので、今までの僕らプラス新しい僕らを詰め込めたっていうのはありますね。今回はより歌を届けるっていうことにこだわれたなと思います。

本多:「光の先には」と「花火」、「トーキョー・トレイン」が再録なんですけど。それも、今のザ・モアイズユーの曲として進化させられたのが良かったなと思いますね。新曲に関しては、今までできなかったアプローチがたくさん詰まっているので、ザ・モアイズユーとしての楽曲の幅も広がったから、手に取りやすいというか。どこかを気に入って、好きになってくれたらと思います。

-オザキさんはどうですか? ザ・モアイズユーとして初めて参加した作品ですけど。

オザキ:ザ・モアイズユーの看板になる作品だと思います。でも、まだまだザ・モアイズユーは進化するよっていう余地も残っていると思うんですよね。

-「花火」が夏の曲で、「雪の降る街」が冬、「桜の花びら」が春の曲だと思うんですけど、いろいろな季節の曲を入れたいっていうコンセプトはあったんですか?

本多:それはあんまりないですね。

以登田:たまたま季節感のある曲が集まったんですよ。

本多:「花火」っていう曲が昔からあって、「桜の花びら」はリリースのタイミングが4月っていうのもあって作ったんです。

以登田:「雪の降る街」は、僕が冬の夜が好きだから作ったっていう感じなんですよね。

-そうなんですか。たまたま季節の曲が入ったけど、それってザ・モアイズユーっていうバンドが、四季の移り変わりとか、当たり前の日常の中で見える景色、揺れる心を大切に切り取って歌うバンドだからこそ、当たり前のことだったというか。

以登田:うん、そういうことだと思いますね。

本多:季節っていうのは、やっぱり生活していても印象に残りやすいんですよね。情景が浮かびやすいものじゃないですか。だから、人の心に何かを残したいなって思うと、季節の歌っていうのが伝わりやすいと思うんですよ。お客さんが曲をイメージしやすいというか。だから自然にそういう歌が増えてくるんですよね。

-"想い出にメロディーを"というタイトルになったのも、やはり印象に残る季節とか情景、想い出っていうものにメロディをつけた作品という意味合いですよね。

本多:そうですね。そもそも僕は曲の9割ぐらいを実体験から書いているんですよ。今まで自分が経験したことからヒントを得て書いていたりするんですけど、そういう中で記憶に一番強く残っているのが、花火とか桜の見える景色だったんですよね。

-「fake」も実体験なんですか? 好きな人には、別の好きな人がいるっていう。

本多:まぁ......これを実体験って言うと、ちょっと恥ずかしいんですけどね(笑)。手が届きそうで届かなそう、みたいなところに執着してしまうところがあって。"人間ってそういう部分があるよな"っていうところから広がっていった曲です。

以登田:曲調としては今までやったことがない感じなんですけど、歌詞の内容はちゃんと僕ららしいから、しっかりまとまったなっていう曲です。

-すごく躍動感のあるダンサブルな曲調ですよね。リズム隊が気持ち良くて。

オザキ:うん、かっこいいですね。