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INTERVIEW

Japanese

藤巻亮太

2019年09月号掲載

藤巻亮太

Interviewer:秦 理絵

-あと、藤巻さんの母校、笛吹高校(※藤巻は石和高校出身。2010年に山梨園芸高校と合併して、笛吹高校になった)の生徒さんたちと一緒に、楽曲制作のプロジェクトも進めているそうですが。

母校が合併してから校歌を作らせてもらったり、10周年の記念イベントでコンサートをさせてもらったりしていて縁ができたから、何か彼らにエールを送れるような楽曲を制作できないかなと思ったんですよ。で、学生のみなさんに今感じてることとか、好きなことを聞いて、曲にできないかなと思ってるんです。それを、"Mt. FUJIMAKI"で発表できたら、盛り上がるんじゃないかなと思いますね。

-今は、どういう段階ですか?

まだ言葉を集めたり、メロディを作ったりしているところですね。どういう曲にしようかな? って練ってるところです。確実に間に合わせるように作りますよ(笑)。

-藤巻さんが学生との交流を大切にしようと思ったのは、どうしてなんですか?

縁ができたのが大きいですね。自分も高校生だった時代があるけど、やっぱり忘れちゃってるじゃないですか。でも、学生と話すと、彼らが今現状がんばってる部分とか、悩んでる部分をリアルに知れるんです。それは大人になっても変わらないなっていうものと、高校生ならではの瑞々しさがあって。一緒にいることで得るものがあるんですよ。

-藤巻さん自身、高校生時代には劣等感を抱えていたっていうお話もうかがいましたけど、それが、こういった高校生たちの交流にも繋がっているのかなと思います。

たしかに僕自身、高校生のときに、こうなりたいっていうものが見つかってなかったんですよ。それで劣等感を抱えてたんですけど、大学に入って初めて曲を作ったときに、音楽には物事を肯定する力があるって思ったんです。劣等感があったとしても、暗い気持ちになっちゃっても、そんなときもあるよねって思わせてくれる。すごく音楽に救われたんですよ。それが、今も音楽をやり続ける理由だと思うんですよね。

-なるほど。藤巻さんにとって、"Mt. FUJIMAKI"をやることで、自分自身が生み出していく音楽も、変化していきそうだなっていう実感はありますか?

やっぱりテーマの部分で変化はあると思います。今までは自分の恋愛とか、自分の中の悩みとかが、季節感と共に曲になってたと思うんですけど。最近は"人と関わる"っていうことがテーマになってきてるんですよね。他者性っていうか。だから「Summer Swing」("Mt. FUJIMAKI"のテーマ・ソング)にしても、「僕らの街」(2019年8月リリースの配信シングル)にしても、人と関わることでできた曲なんですよ。

-アーティストとしての原動力も変わってきそうですね。

必ずしも自分の中にあるものじゃなくていいっていうことですよね。

-これまでの藤巻さんは20代をバンドに捧げて、30代でソロを始めて。これから突入する40代は"Mt. FUJIMAKI"と共に歩んでいく時代に突入すると思いますけど、今後のアーティストとしての展望を聞かせてください。

まずは"Mt. FUJIMAKI"を続けていくこと。関東の方だけじゃなく、中部、東北、関西、九州、北海道、いろいろなところから来ていただけるフェスになっていければと思います。そのなかで歌うべきことを見つけて、歌っていけるミュージシャンでありたいです。

-逆に言うと、なかなか歌うべきことが見つからない時期もあったんですか?

ソロになってからは大変でしたね。やっぱり吐き出したい衝動ではじまったものだったから、吐き出したあとはもう何もなかったんです。

-ソロ1stアルバム『オオカミ青年』(2015年リリース)はかなり内省的でしたもんね。

それを終えたあとに、空っぽの自分の心の中を探しても何もなくて、そういう曲の作り方ではいけないんだって学べたんです。人と関わってないと、人は生きていけないから。今は他者性の中で音楽を作っていくことに、自分の存在意義を感じてるんです。

-そう考えると、今藤巻さんが"Mt. FUJIMAKI"を開催するに至ったのは必然だったのかもしれないですね。

うん。たしかに、そうかもしれないです。

EVENT INFORMATION "Mt. FUJIMAKI 2019"

2019年9月29日(日)山梨 山中湖交流プラザ きらら
開場 12:00 開演 13:00 終演 17:00(予定) 
雨天決行/荒天中止
[出演アーティスト]
藤巻 亮太 with the BAND / トータス松本(ウルフルズ)/ 曽我部恵一(サニーデイ・サービス)/ 岸田 繁(くるり)/ ORANGE RANGE / 大塚 愛 / teto
[チケット料金]
前売り ¥6,500(税込)/ 当日 ¥7,000(税込)
・中学生以下無料(保護者同伴に限る)
[駐車券料金]
前売り ¥1,500(税込) / 当日 ¥2,000(税込)
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