cinema staff 「萌えもemo」【第54回】

COLUMN

この前、久しぶりの友人から「金沢に出張で来てるんだけど良い店知らない？」と連絡があったので、酒場好き魂に火がつき、一軒ずつおすすめポイントあげながらいくつか食べログのリンクを貼り付けて送っていました。
この店こうだったなーとか考えながらそんなことしてたら勧めた中の"そのえ"という酒場の思い出が特にブワ～ッとよぎってきました。

7年前の3rd"Drums,Bass,2(to)Guitars"のツアー金沢での飲み歩きでした。片町のディープエリア中央味食街の中の一軒、下調べもせず直感で入った店が"そのえ"でした。後で調べたら食べログの口コミもゼロ。
おばんざいが並べられたカウンター6席のみの、そのえママが一人営む居酒屋。
入った瞬間、自分の酒場レーダーに拍手を送りましたね。
瓶ビールを頼むとママがそっと注いでくれます、20代前半の若造にも優しい。
つまみはママにお勧めを聞いて、わらびのおひたしとサワラの昆布〆。酒飲み好みの完璧な味付け（だった気がする笑）。
オヤジギャグ炸裂な常連さんともなんでもない話をして終わり、特別何か面白いことが起きたわけでもないのにとても印象に残ってる酒場。その後金沢に行く際には店覗いてたのですが休みだったりでそれ以来行けてませんでした。
今のこのご時世コロナの影響で閉店しちゃってないかな......。とか急に思ったりし始めて、なので「良い店知らない？」って聞いてきたその友人には"そのえ"を推し気味に紹介。ただ、その子は酒好きではあるけど一人飲みとかはそんなに行くタイプではないし、食べログとかの情報もないし、きっと違うとこ行くだろうなーと思っていたらその夜、そのえママの写真と共に「最高！」ってメッセージが。ママは今81歳らしい。しばらく休んでたけど最近復活したとのこと、嬉しい～。
早く全国で出会った色んな最高酒場にまた行きたいな、と思った夜でした。

そして今回はそんな良き思い出と共に浸りたい最新の音楽を紹介しますね。
NYを拠点に活動するインディーロックバンドWild Pinkの今年2月にリリースされた3rdアルバム"A Billion Little Lights"。
1stから2ndへの飛躍っぷりも半端なかったですが、BeckやU2等も手掛けるDavid Greenbaumによるプロデュースもあってかさらにスケールアップ。
ストリングスやピアノ、管楽器、RatboysのJulia Steinerによるコーラス等のアレンジも素晴らしい、普遍的アルバムです。
こちらも最近リリースされたPinegroveのベスト的なスタジオライヴ盤と共にずっと聴いていたい音楽です。
Death Cab For Cutie、Fleet Foxes等好きな人にも良いです。

さて、4月には去年中止となってしまったcinema staff主催のイベント"OOPARTS2021"をやります。
大好きなメンツしかいませんので楽しみで仕方ない、もう私たちの楽しみを奪わないで～って感じでやれることを願ってます。
よろしくね。

cinema staff

2003年、辻友貴（Gt）、飯田瑞規（Vo/Gt）、三島想平（Ba）で前身バンドを結成。2006年に久野洋平（Dr）が加入し、現在の編成となる。2008年、残響recordより1stミニ・アルバムをリリースし、2012年にメジャー・デビュー。オルタナティヴ、エモ、ポスト・ロックに影響を受けたセンス溢れるポップなメロディと、対照的な直情的で衝動性の強い攻撃性を持ち合わせたギター・ロック・バンドとして人気を高めている。2014年にZepp DiverCity(TOKYO)、2017年に日比谷野外大音楽堂にて単独公演を開催。2019年には初のベスト・アルバムを発表。2020年4月、デジタル・シングル「3.28」を緊急リリースし、11月には新曲「TOKYO DISCORDER」を発表した。2021年4月17日、18日には主催イベント[cinema staff presents "OOPARTS2021"]を行う予定。

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