cinema staff 「萌えもemo」【第50回】

COLUMN

cinema staff 「萌えもemo」【第50回】

2020年08月号掲載

cinema staff

記念すべき50回目を迎えましたSkream!コラム"萌えもemo"（現在絶賛締め切り過ぎて書いてますごめんなさい）。
"コラム、読んでます！"って方に会うのはいまだに1年に一度くらいでしょうか、どこに需要があるのかわかりませんが、続けさせてもらえる限り書きますね。今回はもう時間もないので昔に途中まで書いて残ってたやつを生き返らせて書きますね（笑）。

再開発のために消えていく老舗、毎日のように入れ替わっていく店、そんな渋谷に今も残る名店"とりかつチキン"。道玄坂、一本細い裏道的な所でひっそり、昭和50年代から営業している老舗、とんかつ、とりかつ、コロッケ、イカフライ、アジフライ等......から自分で2品で700円、3品850円、4品で1050円（税込みご飯味噌汁付き）、という渋谷という立地で安すぎる値段。2019年に値上げするもたったの50円だけです。
この日も満員、私は瓶ビールと人気定食で。人気定食はとりかつハムカツコロッケ。
薄切りのハム、柔らかくてジューシーなとりかつ、昔ながらなコロッケ、揚げたてを食べてビールで流し込む、なんという最高な昼下がり（お客さんの並びもあるので味わいつつダッシュでね）。
そしてなんと言っても淡々と揚げ続ける店主の美しい顔よ。最低限の言葉で周りの店員さんへも伝える、素晴らしきオペレーションに惚れ惚れです。
色んなヤバイ人達もいる渋谷という街でこの秩序を守り続けるって相当だと思います。
なんか昔ながらの大事なものは引き継ぎつつ、新しいモノを生み出していけたらイイですね。

さて、音源紹介の方ですが......このタイミングでこちらも90年代からエモ／ハードコアシーン重要パーソン達のリリースラッシュが続いております。BraidのBob Nannaのソロ、MineralはChris SimpsonのソロプロジェクトMountain Timeの新作もだし、The Gloria Recordの再発盤もリリース、Ian MacKaye、Amy Farina、Joe LallyによるバンドCorikyの1st、American FootballのMike KinsellaによるソロOwenの新作......この辺りの音源ももちろん紹介したいのですが、あえて最近の一番の私の推し、ロンドンの8人組ポストロックバンドCarolineの2020年フィジカルリリースとして初作品の12インチを。
それこそTortoiseやThe Sea and Cakeまでも彷彿とさせるシカゴ音響派、ポストロックの鳴り、一つ一つの音に意味を持たせた最小限の完璧な音の配置、実験的アプローチ、全員のセンスとスキルがなければ成り立たない音になってますね。7分超え濃厚2曲がクソ素晴らしい。
Girl Band、black midi、Sorryと続いてRough Tradeからまたさらにやばい新人が出てきちゃいました......。
この感じですよ、昔から続くシカゴ音響派的素晴らしき音楽を現代の人達が独自の解釈で再構築している感じ、最高です。
プールの中で演奏している映像も完璧です。
この流れでアルバム、楽しみですね～。皆さま是非チェックをば。

まだまだなかなか厳しい生活は続きますが、また早く皆さんと会えることを楽しみにして強く生きていこうと思います。
ライブやりて～

cinema staff

2003年、辻友貴（Gt）、飯田瑞規（Vo/Gt）、三島想平（Ba）により前身バンドを結成。2006年に久野洋平（Dr）が加入し、現在の編成となる。2008年、残響recordより1stミニ・アルバムをリリースし、2012年にメジャー・デビュー。オルタナティヴ、エモ、ポスト・ロックに影響を受けたセンス溢れるポップなメロディと、それとは対照的な直情的で衝動性の強い攻撃性を持ち合わせたギター・ロック・バンドとして人気を高めている。2014年にZepp DiverCity(TOKYO)、2017年に日比谷野外大音楽堂にてワンマン・ライヴを開催し、成功を収める。2018年、アルカラとのスプリットEP『undivided E.P.』を、2019年9月にはバンド初となるベスト・アルバム『BEST OF THE SUPER CINEMA 2008-2011/2012-2019』を発表。2020年4月、昭和女子大学人見記念講堂公演延期を受け新曲「3.28」を緊急配信リリースした。

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