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INTERVIEW

Japanese

岩ヰフミト

2017年07月号掲載

岩ヰフミト

岩ヰフミト

Official Site

インタビュアー:秦 理絵

昨年の6月に自主レーベルを立ち上げたFOLKSのヴォーカル 岩井郁人が、"岩ヰフミト"名義でソロ・プロジェクトを始動した。これまでの活動において自身の中にある邦楽的なアイデンティティと洋楽的な実験精神とが常に分裂する感覚があったという岩ヰ。今回のソロ・プロジェクトはそんな自身の葛藤に終止符を打つために立ち上げたものだ。Eggsがクラウドファンディングの仕組みを導入したサポート・プロジェクト(=エグサポ)を通じてミュージック・ビデオを制作するほか、今後はシングル『メリーゴールド』リリースと全国ツアーの開催を控える。このプロジェクトで岩ヰは何を目指すのか、話を訊いた。

-なぜソロを始めたのかっていうところからお聞きしてもいいですか?

もともとFOLKSは"何でもない自分たちでも革命を起こしていけるんだ"っていうので地元の幼馴染と兄弟で組んだバンドなんですね。みんなで一緒に暮らして、秘密基地で爆弾を作ってるみたいな感じというか。僕が小さいころから影響を受けてきた邦楽と、音楽をやっていくなかで掘っていった洋楽を組み合わせて、いままで誰もやってない音楽を発明したいなっていうので始めてたんです。でもそのふたつは水と油みたいなものだから容易にできることじゃなくて。活動をしていくなかで"どっちが良いんだろう?"って、その縫い目にいる感覚だったんです。だから今回はあえて分裂させてありのままに作ってみたんです。1枚のシングルで「メリーゴールド」っていう曲をふたつのアレンジで用意して。そうすることで何か変わるんじゃないかと思ったんです。

-いま自分の中で分裂してるものをどうにかしなきゃいけないというか?

そうせざるを得ないところがあったんですよね。だからソロってひとりじゃないですか。でも心の中ではふたりなんです。結局、FOLKSでも作詞作曲とアレンジは僕がやってるところが大きかったので、よりそこを深く突き詰めるために、ひとりになった方が向き合えるだろうなって思ったんですよね。

-それはバンドではできないことだったんですか?

メンバーといるとそういうこともどうでもよくなるぐらい楽しくなっちゃうんですよね(笑)。だから俺はバンドが好きなんですけど。

-たしかにこれまでFOLKSが出してきた作品はふたつのアプローチで揺れてる部分はありましたよね。最初期の『TAKE OFF EP』(2013年リリースのEP)は洋楽っぽいけど......。

その後ちょっと邦楽の方に行ってみたりとか、ゆらゆらしてきたんですよね。それが本当に壊れそうなぐらいキツかったから、マネージャーにも相談したんですよ。"ヤバいですよね、俺。ふたつ自分があって、どっちでいたいかわからないんです"って。そしたら発想の展開で"どっちもやればいいじゃん"って言われて。勝手にどっちかを選ばなきゃいけないっていう先入観があったけど、たしかにと思いました。

-今回の活動に関してメンバーは何か言ってましたか?

もともと友達から始まってるところがあるので、"ふーたん(岩ヰ)のやりたいようにやれば"って(笑)。すごく応援してくれます。

-ソロを具体的に考え出したのはいつごろですか?

バンドをやるにあたって、僕らはサッカーと同じように個のちからが大切だと思ってるんですね。本田(圭佑)選手も言ってるように。全員がクリエイターとしてMETAFIVEみたいなことをやりたい。それこそ『TAKE OFF EP』のときから砂原(良徳)さんと関わってたから憧れもあって。だったらちゃんと歩いていける方法を考えようっていうのを、自主レーベルを立ち上げるときに改めて話したんです。

-去年の6月ですね。

だから(自主レーベルを)立ち上げた直後からnicotenとスプリット・ツアーをやったり、全国ツアーとかもやってきたんですけど。そのなかで強く感じたのは、これから10年、20年と音楽を続けていくとしたら、もっとメンバーがひとり立ちできなきゃダメだよねっていうことだったんですね。僕ら、理想はMETAFIVEだったじゃんって。

-ということは、このタイミングで他のメンバーもソロを始めるんですか?

どういうかたちで活動していくかはわからないですけど、いま他のメンバーも曲を作ってますね。そのなかで最初に僕が出るんです。

-たしかにここ最近の岩ヰさんはジャンル問わずソロでの活動もしてましたよね。海外に行ったり、講師とかモデルもやって。どこか武者修行のような感じというか。

音楽で生きていくかたちはひとつじゃないと思ってるんですよ。僕は一生音楽で生きていきたいなと思ってるから。Galileo Galileiにいたときからルーティンのなかで生きてきたところがあるんです。リリースしてライヴして、リリースしてライヴして......みたいな。でも、それだけじゃなくてもっと外の世界を見てみたい。それでニューヨークとか台湾で旅をしたり、本当に武者修行みたいなことをやってきてて。いまやっと蓄えてきたものを外にアウトプットする時期になりましたね。