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Academic BANANA 齋藤知輝の"大切なことはすべてラブソングが教えてくれた。"【第6回】

2025年05月号掲載

Academic BANANA 齋藤知輝の"大切なことはすべてラブソングが教えてくれた。"【第6回】

6回目です!Academic BANANAの齋藤知輝です。五月病なんて言葉がある季節の真っ只中ですが、5月って遠距離だったり離れ離れになった恋人同士が別れてしまう季節ランキング第一位のようです(齋藤の直感調べ)。『大切なことはすべてラブソングが教えてくれた。』では、僕が素敵だな〜と思ったラブソングを毎回2曲紹介させていただきます。是非楽曲を聴きながら読んでみてくださいね!




1曲目はだてぃがさんの「捜さないでね」。そうです!ついに身内の楽曲登場させます(笑)。僕がサウンドプロデュースを担当させていただいております、だてぃがさんが先月リリースしたばかりの最新曲。大好きな猫をテーマに(モデルになっている猫もいるとか......)制作されたこの楽曲、僕には最初聴いた時から恋愛観を歌ったラブソングに聴こえてなりませんでした。"空(ここ)でみてるの"=離れ離れの空の下、"私もう 死ぬんだってさ"=あなたの側にいる私が死んでしまう。そんな視点でこの楽曲を聴いていくと......どうでしょうか?別れを歌ったラブソングに......聴こえて......きませんか?"ただ続けばいいと ただ願う「朝だよ」"とか"貴方に 伝えたいのに 怖くて 逆のことばかり"とかとか!俺猫じゃないのに共感しちゃう!!!!!やっぱりこれはラブソングだ!と思ってしまうのです。聴く人によって感じ方や捉え方があって答え合わせをしなくてもいいと思えるのも音楽の魅力だなと思います。「これがラブソング?そんなつもりないよ!」と言われればそれはそれで天才だし、狙って書いているのであればそれもそれで天才。恐るべし才能17歳(※リリース時)。"蕾になって 出会えた時に「みつかっちゃった」と笑って"と、ほんの少しの希望を添えてくれているところが僕は好きです。




2曲目も身内繋がりで、松田聖子さんの「赤いスイートピー」。え?松田聖子さんが身内?どういうこと?って感じですよね?実は「赤いスイートピー」、僕の父さんのガラケー時代の着メロでして(笑)。松本隆さんが書かれた歌詞ももちろん知っていたので父さんの携帯が鳴るたびにほんの少し複雑な気持ちになっていました(笑)。父さん、春色の汽車に乗って誰と海に行くん?!と(笑)。
冗談はさておき、「赤いスイートピー」のイントロが流れ出すと、風景が浮かんで、気持ちを重ねてしまいます。僕がこの歌詞で好きなのは"あなたと 同じ青春 走ってゆきたいの"。"あなたと 歩んでいきたい"じゃなくて"走ってゆきたい"っていうのが忙しなく過ぎていく春から夏に向けての季節まさに青春の響きにぴったりで思わず線路沿いを走ってしまう。

だてぃがさんの「捜さないでね」。松田聖子さんの「赤いスイートピー」。是非2曲合わせて聴いてみてくださいね。そして、この季節のラブソングということで、僕のバンドAcademic BANANAの「五月雨」「藍哀傘」も是非聴いてみてください。ひと足先に梅雨を感じながら。梅雨嫌いだー!もう俺は夏。

Academic BANANA

2017年結成。フォーク、ブルース、ロック、ジャズ、ファンク、クラシック、フュージョン等、メンバーそれぞれが多様な音楽からインスパイアされることによって生み出される独自の楽曲を"ネオ歌謡曲"と名付ける。2023年10月に2ndフル・アルバム、2024年8月に2nd EPをリリース。今年6月1日には"BANANA"にちなみチケット代"877"円のライヴ、7月からはイベント"Last Summer Party"を開催する。 ​