"SPARK!!SOUND!!SHOW!! チヨの部屋 vol.27"

2025年11月号掲載

SPARK!!SOUND!!SHOW!!

ども、チヨです。
すっかり寒くなりましたね。
2025年もあとわずか、早い......。

それでは今回のチヨの部屋もはりきってどうぞ～。

ROCK-O-RAMA-THE ENDを終えて

― FACTという特別な存在 ―

10月5日、FACT主催のフェス「ROCK-O-RAMA-THE END」に出演した。
この日でFACTは、2度目の解散を迎えた。
僕らSPARK!!SOUND!!SHOW!!（以下スサシ）にとって、FACTは特別な存在だ。
その想いを少しだけ綴らせてほしい。

スサシは大阪・アメリカ村で結成し、「新神楽」と「火影」というライブハウスに育ててもらった。
10代後半から20代前半、青春のすべてがあのビルの中にあった。
新神楽ではwaterweedの大賀さん、火影ではPALMのトシさん――この2人には本当に可愛がってもらった。

2013年の夏、大賀さんと当時のギター・キングから
「FACTがフェスを企画していて、若いバンドを探している。スサシのデモを渡しておいた」と聞いた。
そのご縁で、初年度の「ROCK-O-RAMA」に出演することになった。

理由はただ1つ――「音楽がカッコ良かったから」。
その粋な理由が、何より嬉しかった。

当時のスサシは100～200人規模のライブしか経験がなく、
幕張メッセの何千人というステージはまさに未知の世界。
結果として悔しさの残るライブになったが、あの日が僕の中で「音楽で飯を食う」という夢を、
現実的な目標に変えた最初の一歩だったように思う。

FACTの解散後、メンバーはそれぞれSHADOWSとJoy Oppositesとして活動を続けた。
そこから僕らとの関係もより深くなっていった。
SHADOWSとはお互いのツアーで対バンを重ね、Hiroさんはガチのイチロッカー。
タクマはKazukiさんを兄のように慕っている。
Joy Oppositesでは、TomohiroさんとEijiさんにスサシの1stフルアルバム『火花音楽匯演』のサウンドプロデュースをしてもらい、一緒に作品を作る関係にまでなった。

そして2025年、「ROCK-O-RAMA-THE END」への出演が決まった。
当日の朝、正直少しナーバスだった。
11年前の悔しさがずっと頭の片隅に残っていたからだ。
幕張メッセでライブをするたびに、今でもあの日を思い出す。

この日のPALMのライブは、11年前と変わらず圧巻だった。
ステージ袖で観ながら胸が熱くなった。
そしてスサシの出番。
今できるすべてを出し切り、最高のライブができたと思う。
あの日の借りを返せた――そう感じた瞬間だった。

waterweedのセットリストにも、あの頃と重なる曲があり、
いろいろな記憶がフラッシュバックして心が震えた。

そして、FACTの最後のライブ。
もう一度あの6人の姿を見られたこと。
そして出演者としてその場にいられたこと。
バンドを続けてきた者として、これほど誇らしい瞬間はなかった。

気づけば涙が止まらなかった。
壮大で、人生そのもののようなライブだった。

「バンドを続けることは奇跡だ」
あの日、その言葉の意味を改めて実感した。

FACTからもらった想いを、これからも繋いでいきたい。
僕にとってFACTは、そして11年前の「ROCK-O-RAMA」は、
一生忘れられない原点だ。

そこに今回の「ROCK-O-RAMA-THE END」という最高の経験が上書きされ、
これからのバンド人生を、より豊かにしてくれると確信している。

改めてHiroさん、Kazukiさん、Takahiroさん、Adam、Tomohiroさん、Eijiさんありがとうございました！
これからもよろしくお願いします！

追伸：「AFTER PARTY」では我らがイチロックが大トリ。
とんでもないライブをかまして、FACTのメンバーが完全に喰らっていたのは、
メンバーとして最高に誇らしかった（笑）。

SPARK!!SOUND!!SHOW!!

タナカユーキ（Vo/Gt）とチヨ（Ba/Cho）を中心に結成。タクマ（Syn/Gt/Cho）、イチロー（Dr/Cho/169）が加入し現体制に。2018年に1stフル・アルバム発表。中毒性の高い楽曲と激しいパフォーマンスを繰り広げている。2025年4月にありぼぼ（ヤバイTシャツ屋さん／Ba/Vo）を迎えた新作『MILK』発表。7月にENTHとのスプリット・シングル『#ワイタイスカッ2』をリリースし、現在2組でツアーを開催中。

前のコラム