Japanese
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
Skream! マガジン 2021年06月号掲載
2021.04.24 @渋谷TSUTAYA O-EAST
Writer 秦 理絵 Photo by KEIJU
異様な熱狂に満ちたライヴだった。東京に3度目の緊急事態宣言が発出される前夜。SPARK!!SOUND!!SHOW!!が、2月から全国26ヶ所で開催してきた初のワンマン・ツアー"HAPPY BIRTH DIE"のファイナル公演だ。新型コロナ感染拡大防止のガイドラインにもとづき、フロアに座席が用意された渋谷TSUTAYA O-EAST。スサシ(SPARK!!SOUND!!SHOW!!)のようなラウド系バンドには不利な状況かと思われたが、この日のスサシはそんな制約をものともしない、完全に我が道をゆくライヴを繰り広げた。デジタル・ハードコアから青春パンク、アーバンなポップ・ナンバーまで、ジャンルごった煮の激しい振り幅で構成するセットリスト。バンドのマスコット・キャラクター的存在であるイチロー(Dr/Cho/169)はおバカな余興で笑わせ、チヨ(Ba/Cho)が勢い良くバク転したかと思えば、タナカユーキ(Vo/Gt)のギターが宙を舞った。気づけば、タクマ(Syn/Gt/Cho)は上裸だ。型破りでやりたい放題のショー・タイム。だが、そのステージは、爆音で鳴らすダンス・ミュージックこそ、この閉塞感を塗り替える可能性があることを証明するような、強い信念も感じるものだった。
"無事開催できて、おめでとうございます! 思いっきりチョケまくりましょう"。真っ赤に染めた坊主頭が目を引くユーキの第一声を皮切りに、「DEATHTRUCTION」からライヴは始まった。凶暴なまでに重くて速い。攻撃的なバンド・サウンドの上を毒々しいラップが転がる。チヨのシャウト気味なヴォーカルが加勢した「あいどんのう」では、おもむろにアンプの上に乗ったタクマが大ジャンプを決めた。スクリーンにタイトルが映し出された瞬間、会場からひと際大きなリアクションが起きた「感電!」ではユーキ、タクマ、チヨのフロント3人が楽器を持たず、さながらヒップホップ・グループのようなマイク・パフォーマンスで暴れ回った。"性病には2、3回かかったんですけど、コロナにはかかりませんでした"と、真面目な顔で冗談を言うユーキのMCも絶好調。チヨは"こんなご時世なのに来てくれて、感謝感激雨あられ"と、集まったお客さんへの感謝を伝える。KICK THE CAN CREW の「マルシェ」をサンプリングした「ダンザーラ」に続き、「BRUSH UP」では、お客さんの息の合った手拍子を巻き込んでいく。スサシが作り上げる音楽は、ダークでおどろおどろしく、何かいけない世界を覗き見てしまったようなアンダーグラウンドな匂いが色濃いが、同時に極めてキャッチーでもある。しかも、とても踊りやすい曲ばかりだ。この日は歓声こそ禁止されてはいたが、決められた座席の範囲で、お客さんは思い思いに踊っていた。
前半10曲を終えたところで、イチローのソロ・ステージに突入。"キル・ビル"のザ・ブライトのような黄色い衣装に身を包んだイチローが、"みんな大好き、イチロック!"の掛け声で暴れ、会場にウェーヴを起こしたりと、IQ低めのパフォーマンスで盛り上げる。約10分の換気タイムを挟んだ後半戦は、ユーキとタクマだけがステージに登場した。2本のエレキ・ギターと歌だけで届けた「still dreamin'」は、原曲よりもテンポを落としたアーバンな雰囲気の中で、"このステップは/加速して夜の向こうへ"とロマンチックな言葉が紡がれた。元X JAPAN HIDE(Gt)へのリスペクトを感じる衣装に着替えたチヨが、アコースティック・ベースで加わった「ミッドナイトサイダー」、イチローがコーラスで参加した「Urban kill」から、タクマによるピアノの伴奏で聴かせたソウル・バラード「good sleep」へ。激しく盛り上げるだけではなく、スサシの優しく、大人っぽい一面を見ることができるのはワンマンならではだ。
ライヴの後半には、アコースティック・コーナーでユーキとタクマがふたりで披露した「good sleep」が、改めてバンド編成で披露された。"今の4人で初めて作った曲です。今回のツアーではまだ4人でやってなかったから。ファイナルなんで、特別に"。そう伝えたあと、ステージの天井から美しい光が降り注ぎ、4人で演奏した「good sleep」では、タクマとチヨが互いの背中を預け合うように演奏していた。"今回のツアーでは喧嘩もしたけど、楽しかった"と、終盤のMCで約1年ぶりのツアーを振り返ったユーキ。"(ツアーを通じて)チームが友達になれた"、"そんな自分たちに向けて"と言葉を添えて届けたのは「アワーミュージック」だった。スサシのほぼ全曲のソングライティングを手がけるユーキは、スサシの歌詞のほとんどが"意味ゼロ"だと言うが、中には自身の想いを熱く吐露する曲もある。それが「アワーミュージック」であり、次に演奏された「優気」だった。人は誰もが孤独であるという前提に立ち、それでも自分たちの音楽を求める人は決してひとりぼっちにしないと、決意を込めた歌。そんなクサいことを、彼らは直接的に言うタイプのバンドではないけれど、その根底には音楽への熱い信頼があり、リスナーへの想いがあることを、音楽を通じて伝えた瞬間だった。
鋭いギターのハウリングが会場の空気を切り裂いた「good die」から、いよいよライヴはクライマックスに向かった。パラリラ音が炸裂する容赦ない暴走ソング「†黒天使†」で、明らかに4人のギアが1段上がる。続く「GODSPEED」では、超高速のビートに呼応して激しく明滅する光が言いようのないトランス感を生んだ。そして、"怒りを歌ったあとには、愛を歌うことにしてるんだ"と、ユーキ。フロウを刻むように語り掛けたのは、希望を踏みつけられた時代に革命を起こせるのはダンス・ミュージックであるという信念、明日から(緊急事態宣言のために)光が消える街の光になるという宣言、この時代に必要なのはカウンターカルチャーであるという意志だった。そんなバンドの野心と反骨精神を丸ごとぶつける「MARS」のあと、「スサシのマーチ」では、ユーキがPAに"全員殺してください"と、さらに音を大きくするように要求。チヨはベースを弾きながら激しく回転し、タクマは上着を脱ぎ捨てる。神も仏も恐れない不謹慎上等のノリで本能のままに暴れた「南無」のあと、圧倒的なラスボス降臨の様相を呈したラスト・ソングは、インスト曲「MAD AGE」からの「MAD HYMN」だった。最後にユーキは"俺が死ぬときは、こんな感じの葬式を開いてください"と言った。最近はあらゆる分野で優等生的な表現しか許されない風潮にある。だが、そんな窮屈な時代に反旗を翻すように、自ら"悪役"を引き受けるのがSPARK!!SOUND!!SHOW!!だ。音楽の無法地帯のような彼らのダンス・ミュージックには、抑圧から解放するパワーがあった。
- 1
LIVE INFO
- 2025.11.21
-
THE BAWDIES
ポルカドットスティングレイ
PEDRO
SHERBETS
ドラマチックアラスカ
荒谷翔大
ザ・シスターズハイ
Adrian Sherwood
Hakubi
LONGMAN
reGretGirl
キタニタツヤ
東京スカパラダイスオーケストラ
SPRISE
Anyeed(Dyna/ego apartment)
超☆社会的サンダル
TOKYOてふてふ
TOMOO
浪漫革命
吉澤嘉代子
フレデリック
Bye-Bye-Handの方程式
FINLANDS
- 2025.11.22
-
Chimothy→
ねぐせ。
AIRFLIP
ポルカドットスティングレイ
wacci
キュウソネコカミ
ズーカラデル
NEE
the paddles
TOKYOてふてふ
LiSA
優里
BLUE ENCOUNT
moon drop
チリヌルヲワカ
ASP
Eve
miwa
Conton Candy
ストレイテナー
The Biscats
セックスマシーン!!
離婚伝説
Ado
MOS
荒谷翔大
リーガルリリー
NANIMONO
brainchild's
SUPER BEAVER
藤巻亮太
ビレッジマンズストア
PIGGS
sajou no hana
SPRISE
アーバンギャルド
Omoinotake / クリープハイプ / Saucy Dog / マルシィ ほか
CVLTE
RADWIMPS
ガガガSP / SpecialThanks / YONA YONA WEEKENDERS / BACK LIFT ほか
フレデリック
osage
- 2025.11.23
-
SHERBETS
NEE
キュウソネコカミ
ズーカラデル
Awesome City Club
ザ・クロマニヨンズ
ぜんぶ君のせいだ。
PENGUIN RESEARCH
怒髪天
優里
Eve
くるり
MEW
Galileo Galilei
Ado
秋野 温(鶴)
THE BAWDIES
チリヌルヲワカ
東京スカパラダイスオーケストラ
離婚伝説
CNBLUE
佐々木亮介(a flood of circle)
BLUE ENCOUNT / yama / Novelbright / 新しい学校のリーダーズ ほか
山本彩
ExWHYZ
RADWIMPS
OKAMOTO'S
Laura day romance
- 2025.11.24
-
リーガルリリー
ポルカドットスティングレイ
WurtS
brainchild's
ねぐせ。
キタニタツヤ
u named (radica)
ザ・クロマニヨンズ
ぜんぶ君のせいだ。
go!go!vanillas
LiSA
Lucky Kilimanjaro
すなお
私立恵比寿中学
くるり
NANIMONO
ブランデー戦記
清 竜人
Conton Candy
凛として時雨
秋山黄色
The Biscats
9mm Parabellum Bullet
LACCO TOWER
No Buses
CNBLUE
miwa
山本彩
BIGMAMA
崎山蒼志
ExWHYZ
RADWIMPS
Ayumu Imazu
MEW
- 2025.11.25
-
打首獄門同好会
Another Diary
すなお
シベリアンハスキー
The Ravens
chilldspot
- 2025.11.26
-
Dios
桃色ドロシー
ザ・クロマニヨンズ
シベリアンハスキー
TENDRE
UVERworld
PEDRO
BLUE ENCOUNT
material club
Mirror,Mirror
Galileo Galilei
chilldspot
- 2025.11.27
-
打首獄門同好会
MONOEYES
Cody・Lee(李)
moon drop
桃色ドロシー
オレンジスパイニクラブ
OKAMOTO'S
ザ・クロマニヨンズ
TENDRE
Another Diary
cakebox(シノダ/ヒトリエ)
PEDRO
Tempalay
あたらよ
- 2025.11.28
-
Galileo Galilei
優里
BLUE ENCOUNT
go!go!vanillas
怒髪天
DJ後藤まりこ × クリトリック・リス
VII DAYS REASON
Dios
崎山蒼志
凛として時雨
ズーカラデル
コレサワ
SHERBETS
Another Diary
cakebox(シノダ/ヒトリエ)
ポルカドットスティングレイ
おいしくるメロンパン
sajou no hana
NEK!
CENT
OKAMOTO'S
meiyo
RAY
reGretGirl
- 2025.11.29
-
ビレッジマンズストア
Appare!
YOASOBI
NEE
暴動クラブ
brainchild's
Cody・Lee(李)
キタニタツヤ
優里
くるり
TOKYOてふてふ
MONOEYES
キュウソネコカミ
moon drop
THE BACK HORN
androp
The Biscats
フレデリック
チリヌルヲワカ
怒髪天
eill
LOCAL CONNECT
wacci
LACCO TOWER
大橋ちっぽけ
BLUE ENCOUNT
ドラマチックアラスカ
アーバンギャルド
ねぐせ。
ExWHYZ
UVERworld
フラワーカンパニーズ
愛美
浪漫革命
東京スカパラダイスオーケストラ
BACK LIFT / 魔法少女になり隊 / LEEVELLES / パピプペポは難しい ほか
Bentham
MONO NO AWARE
NANIMONO
カミナリグモ
9mm Parabellum Bullet
PIGGS
- 2025.11.30
-
ビレッジマンズストア
YOASOBI
NEE
TOKYOてふてふ
凛として時雨
キタニタツヤ
崎山蒼志
くるり
キュウソネコカミ
moon drop
SHERBETS
THE BACK HORN
TENDRE
アーバンギャルド
the paddles
秋山黄色
TOMOO
LACCO TOWER
ドラマチックアラスカ
LUCY
ExWHYZ
Maki / SIX LOUNGE / w.o.d. / KUZIRA / TETORA
UVERworld
フラワーカンパニーズ
ポルカドットスティングレイ
NANIMONO
ズーカラデル
ぼっちぼろまる×ポップしなないで×ぜったくん
コレサワ / ヒグチアイ / のん / ひぐちけい
miwa
MONO NO AWARE
Conton Candy
JYOCHO
離婚伝説
- 2025.12.02
-
RADWIMPS
LONGMAN
Dios
RAY
マカロニえんぴつ × DISH//
私立恵比寿中学
GLIM SPANKY
SUPER BEAVER
IneedS
- 2025.12.04
-
TENDRE
LEGO BIG MORL
私立恵比寿中学
SHERBETS
Homecomings
アーバンギャルド
キュウソネコカミ
吉井和哉
Hakubi
- 2025.12.05
-
桃色ドロシー
私立恵比寿中学
moon drop
ポルカドットスティングレイ
ザ・クロマニヨンズ
NANIMONO
eill
Laughing Hick
崎山蒼志
さかいゆう / 望月敬史 / L'OSMOSE(O.A.)
flumpool
とまとくらぶ
Another Diary
岡崎体育
Rei
ズーカラデル
打首獄門同好会
- 2025.12.06
-
キュウソネコカミ
AIRFLIP
ザ・クロマニヨンズ
凛として時雨
OKAMOTO'S
BLUE ENCOUNT
indigo la End / a flood of circle / Galileo Galilei / go!go!vanillas ほか
Cody・Lee(李)
brainchild's
LEGO BIG MORL
NANIMONO
怒髪天
ねぐせ。
CVLTE
UVERworld
eastern youth
キタニタツヤ
優里
Kroi / Jeremy Quartus(Nulbarich) / BREIMEN / luv
flumpool
チリヌルヲワカ
Aooo
Mirror,Mirror
心愛 -KOKONA-
THEラブ人間 / ビレッジマンズストア / 忘れらんねえよ / KALMA ほか
フラワーカンパニーズ
Ryu Matsuyama
MyGO!!!!!
RELEASE INFO
- 2025.11.21
- 2025.11.22
- 2025.11.26
- 2025.11.27
- 2025.11.29
- 2025.12.01
- 2025.12.03
- 2025.12.05
- 2025.12.10
- 2025.12.12
- 2025.12.17
- 2025.12.20
- 2025.12.21
- 2025.12.24
- 2026.01.01
- 2026.01.07
FREE MAGAZINE

-
Cover Artists
ザ・クロマニヨンズ
Skream! 2025年11月号



















