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INTERVIEW

Japanese

SPARK!!SOUND!!SHOW!!

2020年11月号掲載

SPARK!!SOUND!!SHOW!!

SPARK!!SOUND!!SHOW!!

Official Site

メンバー:タナカユーキ(Vo/Gt) イチロー(Dr/Cho/169)

インタビュアー:秦 理絵

SPARK!!SOUND!!SHOW!!が11月4日にリリースするニュー・シングル『STEAL!!』表題曲が、アニメ"アクダマドライブ"のオープニング・テーマとしてオンエア中だ。メンバー自身、今回の起用について、"寛大な制作陣だと思います"と語る今回のタイアップだが、ディストピア世界を舞台にアクダマと呼ばれる犯罪者が活躍する"アクダマドライブ"の世界観は、スサシのイメージにぴったりハマった。以下のインタビューでは、バンドの真骨頂とも言えるデジタル・パンクをさらに洗練させた新曲「STEAL!!」を掘り下げつつ、2019年ライヴハウス・シーンで大躍進を遂げた矢先のコロナ自粛中に考えたこと、さらにバンドの行く末について、タナカユーキとイチローのふたりに語ってもらった。

-イチローさん、ドレッドヘアにしたんですね。

イチロー:あ、そうなんですよ。結構前なんですけど。最近はコロナでライヴができないから、この髪型になってからはほとんど人に会えてないんです。

-いったいどこに向かってるんですか(笑)?

イチロー:どこに向かってるか? それは誰もいないところ、ですよね。この髪型に合うように筋トレをして、日サロにも通ってるんです。よりネイティヴに寄せていきたいなって。

タナカ:それは"誰もいてないところ"ではないけどな。現地の人に寄せにいってる(笑)。

イチロー:今日はメンズ・ファッション誌のインタビューみたいな感じでお願いします!

-今回のスサシ(SPARK!!SOUND!!SHOW!!)のインタビュー。ユーキさんとイチローさんのふたりということで、少し先行きが不安です。前回のインタビュー(※Skream!2019年10月号掲載)ではイチローさんが暴走してたので......。

イチロー:ははは、そう感じてもらえてるなら、正直嬉しいです。

タナカ:我々は違和感を与えるバンドですから(笑)。

-Skream!でのインタビューは1年ぶりなので、少し振り返りたいんですけど。昨年9月に発表した2ndフル・アルバム『NU BLACK』のリリース・ツアーを10月から年明けまでまわって、本編を終えたところで、コロナ自粛に突入したという感じでしたね。

タナカ:ライヴ出演自体は3月6日まででしたね。

イチロー:僕らのライヴとしては2月に予定していたツアーのエクストラ("NU BLACK RELEASE TOUR EXTRA SHOW")が延期になって。結果的に、それも中止になっちゃったんですけど。その頃から"これは結構長引くな"っていうのを、わりと早めに察してはいて。予定してた制作スケジュールを前倒しにしたんです。

-それが9月にリリースした『スサ死 e.p.』?

タナカ:そうです。もともと11月に盤で出す予定だったんですけど。こういうときはスピード感が大事だから、デジタルで出したほうがいいということになって。

-バンドとしては2019年頃からライヴのペースも動員ものぼり調子だったと思いますけど、すぐに制作に気持ちを切り替えることはできたんですか?

タナカ:最初は切り替えられなかったですね。毎日、しんどかったです。頭おかしなるかと思いました。そういうヴォーカリストは多かったと思うんですよ。もともとヴォーカリストって、ワーって人前に出て、ちやほやされて、自己肯定感を高めて生きてきた人たちだから。ライヴがゼロになって、一気に食らってしまったというか。音楽が好きけりゃ好きなほど、しんどかったんちゃうかなって思います。

-当時オンラインでメンバーと連絡を取り合ったりはしてたんですか?

タナカ:メンバーとはそんななかったかな。業務連絡ぐらいで。

イチロー:ミーティングをこまめにやってましたけどね。

タナカ:Zoomでね。俺は、daipon(ENTH/Vo/Ba)とふたりで1回Zoom飲みをやったんですよ。でも全然盛り上がらなかった(笑)。daiponも落ち込みがちやったし。ずっとパーティーしながら生きてたぶん、パーティーがなくなったからダメになりましたね。

-その時期、どういうことを考えて過ごしてましたか? バンドのこと、音楽のこと、人生のこと、向き合わざるを得なかったと思うんですけど。

タナカ:あぁ......リリックを書いてて、初めて"死にたい"とか書きましたね。もちろん本気で思ってないけど。"全然生きた心地がせえへんな"ってなったときに、今までNIRVANAとかそんなに聴いてなかったけど、Kurt Cobain(Vo/Gt)、このノリやったんかなとか思ったりしたっすね。病んだ感じのリリックを書いちゃう人って、こんな感じのマインドからくるんかなって、初めて思いました。

-そういう感情を吐き出すことによって、気持ちが落ち着いたりするんですか?

タナカ:それをライヴでやったときに気持ちは満たされるのかもしれないですね。ライヴ中は、"殺してくれ"みたいな感じでいっちゃうときがあるんですよ。だから、"死にたい"っていう気持ちにカチッとハマってライヴをやれたら、だいぶ気持ちいいやろうなとは思います。楽しいときに死ねたら、ラッキーやなと思ってるので。

-イチローさんは、自粛期間中どんなことを考えてましたか?

イチロー:"個人でできることはなんだろうな?"っていうのを考えて動くようにしてました。YouTubeを開設して、ゲーム実況をやったりして。もうやめましたけど。

タナカ:基本、イチローは全部かじっていくんですよ。

イチロー:家庭菜園をやってやめて。

-自粛期間中にやりがちなことに手を出していったんですね(笑)。

イチロー:やってみたところで全然続かないんですけど。

タナカ:やめる速さで競ってるもんな。続けることとかクソくらえ。

イチロー:ひとつ継続してるのが、その間に体重を増やせてたので、コロナが明けて、人に見てもらえる機会を作れたときに、"誰だよ?"って思われるぐらい見た目的に変われてたらと思ってて。それが今なんですよ。誰にも理解はされないんですけど(笑)。

-落ち込みがちだったユーキさんにとっては、同じバンドの中にイチローさんみたいな明るい存在がいることって、救いになったりしませんか?

タナカ:あ、そうなんですよ。かっこいいなと思いますもん。

イチロー:めちゃくちゃいいこと言ってくれてる。俺のこと、"救い"とか言っちゃいます?

タナカ:イチローは1ミリの褒めを100点で受け取れますからね。そんなふうに生きられたら、別にヴォーカルとかやらんでええもんなぁ、と思いますよね(笑)。

-バンドとしていいバランスだと思います。そういう時期だったからこそ、レコーディングを前倒しにしたのは正解だったのかもしれないですね。

タナカ:うん。RECでスタジオに入れるようになったのは大きかったです。

イチロー:ずっとスタジオにも入れなかったからね。

タナカ:スタジオだけで全然楽しかったですもん。"デカい音を出せる!"って。それで心が健康になっていったんです。俺らは未だに配信ライヴもやってないので、スタジオには踊りに行くぐらいのノリですから。練習とも思ってなくて。

-それが何月ぐらい?

イチロー:6月ぐらいですかね。

タナカ:まずは『スサ死 e.p.』から着手したんです。『スサ死 e.p.』は、すでにリリックもオケもできあがってて、本当は3月か4月ぐらいに録ろうって言ってたのが、コロナになってしまったので。スタジオに入れるようになって、すぐにレコーディングをして。そのあとに、まったくゼロからの新曲として、「STEAL!!」を作り始めた感じですね。

-本題の「STEAL!!」の話に入る前に、今のバンドのモードを探りたいんですけど。『NU BLACK』の重々しい作風とは変わって、『スサ死 e.p.』は開放感があるなと思いました。スピーディだし、シンセの使いどころも洗練されてますね。

タナカ:作曲にタクマ(Syn/Gt/Cho)のニュアンスが増えたことで、より男の子が喜ぶ系のサウンドのウェイトが増えてると思いますね。個人的には過去で一番いい作品だと思います。穴がないというか。前作『NU BLACK』では、自分たちの技術のなさで、詰まり切ってない部分もあったけど、それを踏まえて、小技も覚えて、上手くなって、『スサ死 e.p.』は音的に妥協がないんです。初めてRIZEのJESSE(Vo/Gt)が録ってるスタジオで、Colinってエンジニアと一緒にやったんですけど。それもめっちゃ最高でした。

イチロー:初めての環境だったんだよね。

-新しい環境を求めたのは、このタイミングでバンドとしてひと皮剥けたいとか、そういう気持ちがあったからですか?

タナカ:俺はないですね。おもろそうやから飛びついたぐらいで。基本そんな"ひと皮剥けたい"とか上昇志向はないですよ。快楽主義なんで(笑)。上昇志向があるのは、スポーツに打ち込んでた人らだけじゃないですかね。俺らは短所を埋めるカロリーはもったいないと思ってるんです。そのぶん長所を伸ばしていくというか。

イチロー:意気込んで一歩踏み出すみたいなことはないですね。

-"もっと面白いことをやろう"とか"長所を伸ばして一点突破していこう"っていう欲求は、ある意味、ミュージシャンらしい上昇志向だとも思いますけど。

タナカ:自分らからしたら、そう捉えられてたらラッキーって感じかな。自分らは頑張ってるつもりはないけど、楽しいほう、楽しいほうっていう選択をしてたら、周りは"レベルが上がった"と言ってくれてる。最高ですよね。遊んで、結果だけついてくるっていうのは。