Japanese
Mellow Youth / Academic BANANA feat 小林太郎 / DELMO / Sijima
Skream! マガジン 2019年07月号掲載
2019.06.13 @下北沢LIVEHOLIC
Writer 蜂須賀 ちなみ
6月13日公演には、ジャンルは違えど、歌謡曲から色濃く影響を受けているアーティスト4組が集まった。
この日のトップバッターは、2018年4月に始動したばかりの5人組バンド、Sijima。前半は、7月中旬に配信リリースされる新曲「Sweet Rain」をはじめとしたスロー~ミドル・テンポの曲を中心に披露する。シティ・ポップ、AORにインスパイアされたサウンドが観客をゆるやかに揺らす。そして"梅雨はもう終わりです"と告げ、ベースのリフから始まる「Magic Time」以降はアッパー・チューン中心。ラストの「Goodbye」に向かってメンバーの呼吸がしっかり噛み合い、バンド・サウンドが分厚くなっていったのが良かった。
続いては、ソングライターの鈴木タケルによるソロ・プロジェクト、DELMOが登場。彼は、疾走感溢れる「カメレオン」、4ビートのダンス・チューン「ゆらら」、ハンド・マイクでしっとり歌う「monochro」など計6曲を披露した。短い時間で自身の多面性を見せるチャレンジングなステージ。地元からの付き合いであるサポート・メンバーとも息が合っており、特にプログレっぽさのある「twilight」の炸裂っぷりが痛快だった。終盤のMCでは地元浜松の先輩であるAcademic BANANAや小林太郎と共演できる喜びを語る場面も。
Academic BANANAは「抱擁」からスタート。中性的なヴォーカルとファンク、ジャズなどの要素も感じられる歌謡ロック・サウンドが絡み合う。大切な友達に子供が生まれたことをきっかけに誕生したというバラード「Baby」では、やさしいメロディの中に大人になることへの葛藤をも覗かせた。後半には、スプリットEP『ESCAPE』を共に制作した小林太郎が登場し、3曲をコラボ。小林のパワフルな歌声が会場狭しと響きわたるなか、それに感化されるように、バンドのアンサンブルもどんどんエネルギッシュになっていった。
トリはツイン・ヴォーカルの5人組バンド、Mellow Youth。ちなみに、この日唯一キーボードのいない編成だ。今年4月から7月にかけて4ヶ月連続配信リリースを行っている彼らは、それらを中心に披露。フロントマンには特有の色気があるし、彼らもアーバンな曲を鳴らすバンドではあるが、生で聴くと、洒脱さよりも男気の方が際立つ。衣装を黒で統一したメンバーは一見クールだが、ガシガシと楽器を弾きながら嬉しそうに顔を見合わせる様子は微笑ましく、アンサンブルもぐいぐいと白熱。ラストの「Neon sign」から「Rouge&Memory」への流れが特に良かった。
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