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Academic BANANA 齋藤知輝の"大切なことはすべてラブソングが教えてくれた。"【第5回】

2025年03月号掲載

Academic BANANA 齋藤知輝の"大切なことはすべてラブソングが教えてくれた。"【第5回】

5回目です!Academic BANANAの齋藤知輝です。雪も少しずつ溶けて、生活のところどころで春を感じる頃でしょうか?いやいや絶賛雪景色だよっ!なんて地域の方もいらっしゃると思いますが、そういえば今年、生の雪見てないかも......?『大切なことはすべてラブソングが教えてくれた。』では、僕が素敵だな~と思ったラブソングを毎回2曲紹介させていただきます。是非楽曲を聴きながら読んでみてくださいね!

今回は3月。出会いと別れの季節ということで、今回は別れに注目して楽曲を紹介します。

1曲目はHOWL BE QUIETさんの「サネカズラ」。僕は学生の頃、テレビ朝日系列で放送されていた「ストリートファイターズ」という番組のHジェネ祭り全国大会に出演させていただいていたのですが、僕が卒業した次の年の全国大会に出演していたtistaさんというバンドがものすごく素敵で!そのVocalを務めていたのがHOWL BE QUIETさんのVocal竹縄くんということで、新曲がリリースされるたびにチェックしてました。同じ大会の出身者ということでちょっと勝手に親近感があるという(笑)。この「サネカズラ」は一緒に暮らしていた女性の部屋から出ていくという曲。"やり返したい 傷付けられた分、傷付けたい みたいな気持ちもあった"とリリース当時のインタビューでもあるように、"どうすれば君のことを 傷付けられるか考えて"とか"そうして晴れて君の一人暮らしの部屋が出来たよ"みたいな少し嫌味っぽい歌詞も出てくるのだけどこの言葉達を送り出すメロディと歌声からは優しさを感じてしまってそれがとてつもなく切ない。「サネカズラ」の花言葉が"再会"なのも確かにズルいけど、こんな素敵な曲を残して去っていくバンドマンがやっぱ一番ズルい。




2曲目はチューリップさんの「サボテンの花」。この楽曲は、『坂崎幸之助直伝! ギター教室』という僕の原点の一つとも言えるギターの教則本に楽譜が収録されていて、両親が聴いていたのを覚えていたので、唄いながら練習していました。「サネカズラ」は男性が出ていった曲でしたが、この「サボテンの花」は"君は部屋をとびだした 真冬の空の下に"とあるように女性が出ていった楽曲。"君が育てたサボテンは 小さな花をつくった 春はもうすぐそこまで 恋は今終った"女性が出ていったその日ではなく、サボテンの花が咲くことで恋の終わりを感じる。でもそのサボテンの花を育てたのは君だったという。ちなみに僕は"編みかけていた手袋と 洗いかけの洗濯物"をずっと"網掛けていた"だと思ってました。昔よく学校とかで濡れた手袋をストーブの前の網に掛けていたので(笑)。

HOWL BE QUIETさんの「サネカズラ」。チューリップさんの「サボテンの花」。是非2曲合わせて聴いてみてくださいね。そして、花つながりということで、僕のバンドAcademic BANANAがTakuya IDE(T-iD)を迎えて制作した「マーガレット」も是非聴いてみてくださいね。

Academic BANANA

2017年結成。翌年に1st EP『東京』でデビュー。フォーク、ブルース、ロック、ジャズ、ファンク、クラシック、フュージョン等、メンバーそれぞれが多様な音楽からインスパイアされることによって生み出される独自の楽曲を"ネオ歌謡曲"と名付ける。2023年10月に2ndフル・アルバム、2024年8月に2nd EPを発売。今年6月1日には"BANANA"にちなみ、チケット代"877"円のライヴを開催する。 ​