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INTERVIEW

Japanese

THE BACK HORN × Skream! × バイトル

2018年03月号掲載

THE BACK HORN × Skream! × バイトル

Member:山田 将司(Vo) 菅波 栄純(Gt) 岡峰 光舟(Ba) 松田 晋二(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり Photo by 上溝恭香

八木澤:とてもためになります。では、もうひとつ質問です。個人的に感じていることなんですが、ここ数年リリースされた曲は、コーラスが昔よりも多く入っている曲が多いなと思っていて。『孤独を繋いで』(2017年リリースの26thシングル)でのインタビューで、ライヴを意識してみんなで作っていったという話を読んだのですが、昔の曲を作る感覚と今とで、一番違うなと感じるのはどんなところですか。

菅波:自分の中では歌詞というのが大事で。コーラスが曲にふんだんに入ってくるようになったのはたしかに最近なんですけど、歌詞が大事ということは、変わってないんです。ただ歌詞の書き方が、俺は結構変わっていて。昔は、メロディができてから歌詞を考えていたんですけど、最近は、歌詞を考えてからメロディをつけることが多くなって。どちらのやり方でも歌詞を大事に作ることはできるんですけど。最近の方が、なんて言うか、よりいっそう歌詞が物語的に進んでいくことが多いというか。言葉が先にストーリーとして進んでいかないと、曲が進んでいかないようになって。そういう手法の変化はあるかもしれないですね。どちらがいい悪いというのはないんですけど。

松田:あと昔は、ライヴを想像しながら作っていなかった感じはありますね。最近は当たり前のように、曲を作ったらライヴがあって。ライヴをやってみて、ここでみんなで体感的にひとつになれそうだなというのが、楽曲に返還されてきたり。ここにコーラスがあれば歌ってくれるんじゃないかとか。それが昔は、曲の中だけの世界観でやっていた感じがあったなと思いますね。それがどんどん、ライヴをするのと並行してアルバムを作るごとに、両方を行き来するようになったのはあると思います。

菅波:これはおまけみたいなものですけど、昔と変わったと思うところでは、曲を作る時期ってあるじゃないですか。昔は絶え間なく、何してるときも曲のことを考えながら生活をしていたんですけど。今は集中する時間を決めてというか、"今だ"って思う瞬間に書くようにしていて。それ以外のところをなるべく曲のことを考えずに過ごしていますね。最近テレビで見たことなんですけど、何も考えてない状態と、何かが閃いたときの脳の状態はかなり似ているそうなんです。ということは、自分が考えに取り憑かれているところから1回離れることで、脳はたぶん、やっと俺の出番がきたんだなって動き始めるというか。それで作業をしてくれて、いろんなことを結びつけてくれるみたいなので、歌詞とかも思いつかなかったら、寝るようにしてるんです。そしたら、次の朝とか昼間くらいに、"きたーっ!"ていう感じになるので(笑)。それは結構、コツのような気がしますね。

八木澤:昔は、4人で山にこもって曲作りの合宿をしたということもあったと思うんですが、そういうのではなく日常のなかで作るという感じですね。

菅波:山にこもっていたころも、みんなで人生ゲームやったりとかしてて(笑)。そこで無意識に考えていたのかもしれないけど。

岡峰:合宿で覚えてるのは、マツの話が長くてなかなか寝られないっていうことで。部屋はたくさんあったんですけど、なぜか4人で同じ部屋に寝ていたんですよ。

松田:あれは、光舟と将司が迷惑がるのをわかっていて、栄純が"マツ、喋らなくていいの?"みたいな感じで煽るから。"宇宙のホワイトホールは本当にブラックホールに繋がってるの?"とか。

菅波:マツ、好きなんですよ、宇宙の話が。で、寝る位置がだんだん決まってくるんですけど、光舟の上にだいたい照明のスイッチがあるんですよ。光舟が、消灯っていう感じでぱちっと消すんですけど、それは意味があるわけじゃないですか。"もう寝たいよ"っていう。でも消えてから、マツがボソボソ話し始めるんですよ。

松田:しばらく誰も返事しないのに喋って。喋ったあとに、"みんな寝た?"って言うと、みんなプッて吹き出すので。

菅波:そこで吹き出した奴が、相槌打たなきゃいけないっていうね。

松田:その黒幕は、栄純だからね。でも、そこでみんなでゼロから生み出した曲とか、雪を見ながらできた「世界樹の下で」(2002年リリースの2ndアルバム『心臓オーケストラ』収録曲)とかもあるから。一概に、どれが昔と違うかというのはないんですけどね。

岡峰:みんなで生活することで出たトランス状態みたいなものもあるからね。

松田:合宿で、何かしら生み出して持って帰りたいというのもあったので。そのなかでできた良さもありますしね。今は今で、出てきたものをみんなで共有してアレンジをしながらビルドアップしていこうという感じで。今回のミニ・アルバムは、まさにそうですしね。いろいろな方法があるんだなというのは、長くやってくるとわかることではありますね。

八木澤:わかりました。いろんな楽しいお話をどうもありがとうございました。


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