Japanese
THE BACK HORN
Skream! マガジン 2019年03月号掲載
2019.02.08 @日本武道館
Writer 石角 友香
1度目は緊張感、2度目は感動、そして今回3度目の武道館公演には歓喜が渦巻いていた。驚いたのは、シンプルなセットに意気揚々と明るく登場した4人の佇まいも、演奏がスタートしたムードも非常に親密で、主戦場としているライヴハウスのような近さを感じたことだ。昨年の10月に新宿LOFTからスタートしたツアーのファイナルでもあるこの日。21公演すべて異なるセットリストで臨んできた旅の途上で決定したであろう、武道館のセットリスト。普段から一期一会、その日しかない感情や感覚を大切に、バンドへフィードバックしてきたTHE BACK HORNらしいやり方なのだが、特に結成から20年にわたる日々の中で、改めて光を当てた楽曲が多いツアーだったこともはっきり認識できた。それにしても21公演毎回異なるセットリストでの演奏が可能なのは、生み出された楽曲がライヴで表現され続けているからこそでもある。
ライヴはここ3年ほどの、再び人間の闇を照射し、自らの内部に潜るような初期の持ち味を今のタフさで描くスタンスを明確にした「その先へ」でスタート。怒濤のように人間の暗部や真実を暴く楽曲が続く。中でも「サニー」や「ジョーカー」に滲む少年の叫びは、大人になった今も、いやむしろ大人になったバンドだからこそ、生きづらさや、理不尽な世界に生きる現実の子供たちの存在をあぶり出すし、今も解決できない自分自身の中にある悲しさや悔しさを浮き彫りにした。デビュー時から彼らと共に歳を重ねてきたファンも、近年彼らの音楽に触れ、ライヴに足を運ぶようになった20代のファンも存在する今だからこそ、そうした楽曲が演奏され続けることに意義がある。
加えて新旧あらゆる楽曲のイントロに、しかも武道館というスケールで同じように歓声が上がることが、1曲1曲への想いの濃度を知らしめるのだ。インディーズ時代の「ひとり言」への大きな反応にそれは明らかだった。さらに演劇的な「悪人」で象徴的なワードが明朝体で禍々しくヴィジョンに映し出され、肉筆的な渦の映像に繋がっていった「雷電」。ヘヴィネスやインダストリアル感と民族性が渾然一体となった中盤までの重厚感は、白眉だった。しかもアンサンブルの抜き差しが格段に研ぎ澄まされ、楽器隊3人それぞれの演奏が際立つ。20年のうちの近年の進化だろう。
中盤以降はこのバンドのメロディの美しさや、そのメロディに乗る歌詞の瑞々しいリリシズムに心打たれる「ヘッドフォンチルドレン」や「美しい名前」、そして少々久々に聴いた「未来」。ひとつの音、ビートの解像度の高さが聴き手を曲の主役にしていく。心象や情景に嘘がない。その嘘のなさの連続性の先に今があることを実感できるタームだった。
終盤は昨年のリリース以来新たなアンセムと化した感のある「Running Away」に始まり、動的エモーションに溢れる「シンフォニア」、「コバルトブルー」、今回のツアーで本編を締めくくってきた勇壮で歌謡として強いメロディを持つ「刃」が、この日も桜吹雪を模したような紙吹雪が舞い、客電もすべて点灯し、武道館全体を見わたせるシチュエーションで鳴らされた。みんな、命を携えてここにいる。"生きてまた会おう"と山田将司(Vo)がいつものライヴどおりの挨拶をした。引き締まった演奏とアンコールも含めトータル21曲という潔さ。4人だけで鳴らす音と楽曲のバリエーションに、広がるイマジネーション。音楽の自由度を獲得すればするほど、人が抱える孤独を前向きなものとして捉えさせてくれるバンドだ。これからも無二でいてほしい。
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