Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

THE BACK HORN

THE BACK HORN

Member:松田晋二 (Dr)

Interviewer:沖 さやこ

今年は3月にシングル『シリウス』、そして6月には約2年ぶりとなる『リヴスコール』をリリースしたTHE BACK HORN。現在はその作品を引っさげたツアーで全国を回っている。年が明けて1月には5年ぶりとなる武道館公演、そして追加公演では宮古・大船渡・石巻の“東北ライブハウス大作戦”がキッカケで完成した3箇所のライヴハウスを回る予定だ。そんなツアー真っただ中の彼らを代表して松田晋二(Dr)に今のTHE BACK HORNの状態、いよいよ1月にせまった武道館公演、そして宮古・大船渡・石巻のライヴへの意気込みを訊いた。

-まず、今年の活動を簡単に振り返って頂いてもよろしいでしょうか。どんな年だったか教えて頂けると幸いです。

2011年に1年間作りためていた曲たちをレコーディングし、それをリリースして、全国各地をツアーで回った年です。『世界中に花束を』の緊急配信以外に楽曲を発表した1年ではなかったので、どんな音楽を鳴らすべきかをもう1度自らに問い直して、話し合い、音楽に向かった1年だったと思います。その結果、アルバム『リヴスコール』を発表できました。

-ツアーも佳境だと思いますが、各地の手ごたえはいかがでしょうか?

今回のツアーは、ライヴ1本にかけるパワーが、より格段に上がってきたのを実感しています。今までももちろんそうだったけど、『リヴスコール』が自分達にとってすごく大事な作品に仕上がったし、またライヴで伝えていくことで改めて成立していく作品だと思ったので、そこでしか味わえないお客さんの雰囲気と、自分たちの高い熱量を全国各地で実感できています。

-『リヴスコール』はとてもメッセージ性の強いアルバムで、より人の心に語り掛ける開けた作品だと思います。ライヴで収録曲を演奏した感触はいかがですか?

これまでも楽曲の形に対して、忠実に向き合ってライヴで再現していくことはありましたが、今回は自分の身を楽曲にゆだねることによって、大きなうねりが生まれるシーンが多かったです。頭を使ってライヴを組み立てていくというよりもむしろ、感じるものを大事にしてパワーが増幅されるツアーになっていると思います。

-『リヴスコール』の楽曲を演奏する上で、今までのライヴなどでは感じられなかったことや、より強くなったものなどはありますか?また、お客さんのリアクションはいかがですか?

お客さん自身が至福なひと時を一緒に味わっているという実感があります。自分達がお客さんへ与えるというよりは、同じ瞬間を共有できているように感じています。

-この作品はより“ライヴ”というものに密接なものだと思うのですが、いかがでしょうか。

単に楽曲自体のライヴ感というよりは、気持ちの部分でライヴ感に密接していると思います。「トロイメライ」「風の詩」のような壮大な世界観を描いている曲もあれば、抽象画や水彩画のように淡い世界観を描いている楽曲もあって、エネルギーを放出するだけではない、しなやかなライヴになっていると感じます。

-プレイの面でお伺いしたいのですが、『リヴスコール』の楽曲は自由度が高い分非常にリズムが入り組んでいてより肉体的だと思います。プレイヤーとしてスキルアップしたなと思う部分や、他メンバーさんを見て思うところなどはありますか?

全員で曲に向かっているベクトルをすごく感じているので、各々のプレイも役割をしっかりわかって楽曲に向かっている気がします。個々のスキルが上がったなというよりも、みんなの向かっている気持ちのベクトルにおける強さを感じます。

-THE BACK HORNは常に活動し続けてるバンドですが、メンバーさん個々の活動も含め、去年から今年に掛けてかなり濃密だったのではないかと思います。改めてバンドの空気というものに変化などはありましたか。

2011年の「世界中に花束を」が生まれてからバンドがまた1つになったと思います。言葉とか理屈とか4人が歩んできた経験とか、それぞれが思うTHE BACK HORN像を超えて、音楽の素晴らしさであったり、自分たちが生かされていることを味わった上でどう音楽を伝えるかという、音楽に対する姿勢を共有できているのが自分たちの強みに繋がっています。震災から1年以上経った今でも強く各々にそれが残っているし、聴いてくれる人の力になる楽曲を届けたいという気持ちがより濃密になった気がします。