Japanese
THE BACK HORN
Skream! マガジン 2012年05月号掲載
2012.04.05 @SHIBUYA-AX
Writer Mio Yamada
唐突だが、“生の音が生まれる瞬間を体感できる”というライヴの魅力は、底知れぬものがある。出演バンドがステージに残す空気が融合し、ステージとフロアの熱がぶつかり合う濃密な空間は、音の無限性を感じさせてくれるのだ。しかし、ライヴ・ハウスから足が遠のいてしまうと、あの突き刺さるような感触が薄れてしまう。“KYO-MEIライブ~シリウス~ & Hand In Hand”と銘打たれた企画は、THE BACK HORN、Nothing’s Carved In Stoneという2組が、大阪、東京を舞台にそれぞれの音を共鳴させた。音楽というフィールドで生への熱情を迸らせる彼らのライヴは、鈍っていた“生”に、これでもかと言わんばかりの揺さぶりをかけてくれた。
この日、最初に舞台を踏んだのは、Nothing's Carved In Stoneの面々だ。「Truth」で幕を開け、「Spiralbreak」へとなだれ込む。村松拓(Vo&Gt)が見せるストイックな佇まいと、日向秀和(Ba)の変幻自在なベースに絡め捕られていく。恐ろしいほどに強烈な個性の集合体であるNothing’s Carved In Stoneのステージは、4人から放たれたのか、オーディエンスから湧きあがる熱なのか、冷静に判別できないほど、秒刻みで音の破壊力が増していく。怒涛のパフォーマンスが続くなか、新曲「Inside Out」、「Pride」がお披露目されると、フロアはひとつの生命体であるかのようにゆらゆらと蠢いた。
Nothing’s Carved In Stoneは、THE BACK HORNが掲げる“KYO-MEI”に同じ熱を感じ取ったといい、“Hand In Handは、Shake Handじゃなくて、お互いに手を取り合って受け入れること”(村松)と語った。そんな熱っぽさを口にしたかと思えば、間髪入れずに“AX足りてねえだろ、かかってこい!”、そう挑発し、テクニカルに神経を昂ぶらせるサウンドを展開する。
“全力で来てくれたら、全力で返す”(村松)というように、ステージとフロアの“対話”が存在するライヴは、その時その場にだけ生まれるものがある。だからこそ、私たちは何度となくライヴに足を運び、まだ到達したことのない空間をともにつくり上げに行くのだろう。朦朧とする頭でそんなことを考えながら、“Thank you, I love you!!”と絶叫しステージを後にする彼らを見つめていた。
大阪とは出番を変え、THE BACK HORNがNothing's Carved In Stoneの残した空気を迎え撃った。山田将司 (Vo)の“こんばんは、THE BACK HORNです”といういつもの一言に続き、謎めいた宗教色漂う「雷電」でスタート。顔がギリギリ判別できる程度の、わずかなライトで4人が照らしだされる。フロアは一切の光も許されず、地を揺らすドラム、身体を這いずるようなベース、すすり泣くギター、そして妖艶なヴォーカルに否応なしに引きずり込まれていく。
松田晋二 (Dr)は、“音楽という場を通じて繋がっていく。今日しかない時間を音楽にどっぷり浸かってください”とフロアに投げかける。「罠」、「汚れなき涙」、フロアがどよめいた「桜雪」(私も左に同じです)へと突き進むなか、オーディエンスも我先にと拳を突き上げ、命がけの対峙に挑んだ。山田も甘美な妖艶さをかなぐり捨て、凄まじい熱量のなか身を投じていく。そして、ぐっしょりと汗に濡れた細い身体を振り絞り、声を限りに「立ち上がれ」と叫んだ。「刃」に熱狂するフロアは、煌々としたライトが隅々まで照らし出されて、そこには男女問わず人波に乗り、歓喜に身を任せるオーディエンスの波があった。
ステージも終盤に近付くと、開放しきった衝動を抑え込んだ山田が、“毎日何があるかわからない世の中を越えて行ける音楽をやっていきたい”と言葉にした。弱さも包み込む柔らかさを持った「世界中に花束を」へと繋ぎ、ラストは、なまなましい“生”を通過して生まれた「シリウス」を、神経に深く刻みつけるように、命を高らかに歌い上げた。
アンコールでは、6/6に最新アルバム『リヴスコール』をリリースすることを発表。“去年1年に蓄えた思いを込めました”(松田)と、「生命の賛歌」になったという新作への期待感をあおった。どのような形で、命の深淵に立った作品なのか。残る2カ月が待ち遠しい。おなじみの「無限の荒野」では、中央のスピーカーに仁王立ちして見せる菅波栄純(Gt)を、山田が肩車しようとする一幕も。そんな無邪気な姿が、余計に私たちを捉えて離さないのだろう。命を歌うことの計りしれない重さと、生きることのなまなましさを知る彼らは、見るたびに色気のあるバンドだと痛感せずにはいられない。
- 1
LIVE INFO
- 2025.08.22
-
奏人心
KING BROTHERS
"WILD BUNCH FEST. 2025"
TENDOUJI
THE BAWDIES
終活クラブ
YOASOBI
JunIzawa
ナナヲアカリ
Broken my toybox
RAY
フレンズ
Rei
キュウソネコカミ
- 2025.08.23
-
PENGUIN RESEARCH
KING BROTHERS
Maica_n
"MONSTER baSH 2025"
大森靖子
"WILD BUNCH FEST. 2025"
ぜんぶ君のせいだ。
LOCAL CONNECT
浪漫革命
リーガルリリー
Buzz72+
Appare!
佐々木亮介(a flood of circle)
w.o.d.
Eve
マオ(シド)
- 2025.08.24
-
大森靖子
"Sky Jamboree 2025"
KING BROTHERS
Maica_n
"MONSTER baSH 2025"
"WILD BUNCH FEST. 2025"
ぜんぶ君のせいだ。
cinema staff
LOCAL CONNECT
ビッケブランカ
Eve
マオ(シド)
小林柊矢 / 心愛 -KOKONA- / 虎鷹 / 荒木一仁 ほか
- 2025.08.25
-
Hump Back
神聖かまってちゃん
THE YELLOW MONKEY
- 2025.08.28
-
KALMA
Maica_n
ビレッジマンズストア
THE BAWDIES
22/7
- 2025.08.29
-
the cabs
神はサイコロを振らない
Bye-Bye-Handの方程式
安藤裕子×清水ミチコ
そこに鳴る
ゲスの極み乙女 × 礼賛 × roi bob
[Animelo Summer Live 2025 "ThanXX!"]
"SWEET LOVE SHOWER 2025"
- 2025.08.30
-
Kroi
reGretGirl
ナナヲアカリ
木村カエラ / OKAMOTO'S / 原因は自分にある。 ほか
豆柴の大群
ビレッジマンズストア
アーバンギャルド
SPRISE
天女神樂
ぜんぶ君のせいだ。
"ナノボロ2025"
Maica_n
"RUSH BALL 2025"
ビッケブランカ
レイラ
9mm Parabellum Bullet / THE BACK HORN / ACIDMAN / yama ほか
PIGGS
eastern youth
Appare!
VENUS PETER
GRAPEVINE
Lucky Kilimanjaro / 眉村ちあき / 森 大翔
崎山蒼志
セックスマシーン!!
[Animelo Summer Live 2025 "ThanXX!"]
NEK!
"SWEET LOVE SHOWER 2025"
Faulieu.
- 2025.08.31
-
reGretGirl
Broken my toybox
BLUE ENCOUNT / スキマスイッチ / 家入レオ / CLAN QUEEN ほか
ビレッジマンズストア
大森靖子
SPRISE
"ナノボロ2025"
"RUSH BALL 2025"
HY
GOOD BYE APRIL
Nothing's Carved In Stone / Base Ball Bear / ヤングスキニー / GLIM SPANKY ほか
ぜんぶ君のせいだ。
LACCO TOWER
なきごと
四星球 × G-FREAK FACTORY
RAY
Miyuu
GANG PARADE
ONIGAWARA
伊東歌詞太郎
ZAZEN BOYS
PK shampoo
[Animelo Summer Live 2025 "ThanXX!"]
"SWEET LOVE SHOWER 2025"
Academic BANANA / Yeti / BACKDAV
- 2025.09.01
-
打首獄門同好会
DIRTY LOOPS
とまとくらぶ
- 2025.09.02
-
Hump Back
とまとくらぶ
フラワーカンパニーズ / Conton Candy / ヒグチアイ / TOSHI-LOW
ずっと真夜中でいいのに。
打首獄門同好会
YOASOBI
め組 / ザ・チャレンジ / NaNoMoRaL / 宇宙団
- 2025.09.03
-
YOASOBI
DIRTY LOOPS
WurtS × なとり
THE YELLOW MONKEY
- 2025.09.04
-
キュウソネコカミ
打首獄門同好会
とまとくらぶ
DIRTY LOOPS
ハンブレッダーズ
終活クラブ
a flood of circle × 金属バット
TOOBOE
神はサイコロを振らない
- 2025.09.05
-
Age Factory
GOOD BYE APRIL
fox capture plan
水曜日のカンパネラ
大森靖子
セックスマシーン!!
YOASOBI
JYOCHO × 長瀬有花
cakebox(シノダ/ヒトリエ)
KING BROTHERS
DIRTY LOOPS
EGO-WRAPPIN' / Original Love Acoustic Session
秋山黄色
ぜんぶ君のせいだ。
This is LAST
WtB
神はサイコロを振らない
PENGUIN RESEARCH
Bentham / Yobahi / WELL DONE SABOTAGE / Loojy
- 2025.09.06
-
"WANIMA presents 1CHANCE FESTIVAL 2025"
GRAPEVINE
Creepy Nuts
eastern youth
Broken my toybox
青木陽菜
9mm Parabellum Bullet / 眉村ちあき / 浪漫革命 / THE BOHEMIANS ほか
Appare!
カミナリグモ
TOKYOてふてふ
ヨルシカ
藤沢アユミ
大森靖子
なきごと
"TREASURE05X 2025"
ADAM at / TGMX(FRONTIER BACKYARD) / 荒井岳史 / 渡邊 忍
セックスマシーン!!
ぜんぶ君のせいだ。
TOOBOE
YOASOBI
KING BROTHERS
Victoria(MÅNESKIN)
Ryu Matsuyama
SIX LOUNGE / TENDRE / ハナレグミ / 日食なつこ ほか
WtB
SCOOBIE DO
NakamuraEmi
りぶ
優里
PIGGS
RELEASE INFO
- 2025.08.22
- 2025.08.27
- 2025.08.29
- 2025.09.01
- 2025.09.03
- 2025.09.05
- 2025.09.06
- 2025.09.10
- 2025.09.12
- 2025.09.17
- 2025.09.19
- 2025.09.24
- 2025.09.26
- 2025.10.01
- 2025.10.03
- 2025.10.05
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
ExWHYZ
Skream! 2025年08月号