Japanese
THE BACK HORN
Skream! マガジン 2018年07月号掲載
2018.05.20 @Zepp DiverCity Tokyo
Writer 石角 友香
バンド結成20周年の2018年。ミニ・アルバム『情景泥棒』の自由度をライヴという場で立体化していく今の4人のタフネスが漲っていた。3月に東京、大阪でワンマンを開催し、その後は対バン・ツアーでUNISON SQUARE GARDEN、9mm Parabellum Bullet、アルカラ、クリープハイプ、Nothing's Carved In Stoneと共演してきた彼ら。今回のファイナルは、ファンからのリクエストも反映し、最近のライヴではレアなレパートリーも取り入れたセットリストだった。2017年10月リリースのベスト・アルバム『BEST THE BACK HORN Ⅱ』以降、改めて初期楽曲やカップリング曲など、今のスキルと表現力で演奏したいメンバーと、それを観たいというファン双方の気持ちが幸福なリンクを見せている。しかもその実現は懐かしさよりスリリングなもの。ここがTHE BACK HORNというバンドのユニークさだ。
実際のライヴの流れも非常に意識的だった。ツアー全般で1曲目にセットしている「がんじがらめ」。ラガマフィン(※レゲエの一種)的なリズムに今の日本の閉塞しきった状況を思わせる歌詞が乗るのだが、ライヴだとことさら負のパワーに巻き込まれることなく笑い飛ばし、自分の生きる力を信じろと言わんばかりの平成版"ええじゃないか"のようなムードが巻き起こる。痛快だ。続いて最近のライヴではレアと言えるだろう「ラフレシア」が重厚にシアトリカルに鳴らされる。さらにシンフォニックな表現が冴える「幾千光年の孤独」と、キャリアを横断した楽曲が演奏されたのだが、惹きつけられたのは各楽器のリズム・アプローチの研ぎ澄まされた演奏。冒頭の「がんじがらめ」は抜き差しと音の隙間を感じられるアレンジなのはともかく、これまで音の壁で襲い掛かっていた過去の楽曲が、フレーズひとつひとつが磨かれて今に蘇る様には、頼もしさから笑顔になっている自分に気づいたほどだ。加えて、この日は上手と下手に張り出した花道のせいで、よりメンバーが近く、大きく存在感を持ってパフォーマンスすることで、普段以上にフロント3人の振り切れた様子に触れることができたのも大きい。
さらに「赤眼の路上」、「墓石フィーバー」など、イントロごとに歓声が上がる久々に披露されるレア楽曲に続いて、ミニ・アルバムのピーク・ポイントである「情景泥棒」から「情景泥棒~時空オデッセイ~」が一編の叙事詩的に披露された場面はハイライトだった。特に「情景泥棒~時空オデッセイ~」での山田将司(Vo)のエフェクト・ヴォイスにメンバーのコーラスが重なり、松田晋二(Dr)、岡峰光舟(Ba)が鳴らすイーヴンのビート、菅波栄純(Gt)の情景的な音色は、どこかトラップ的でもあり、トランシーな空間を作り上げる。神話や土着性を感じる彼ららしい世界観を今の演奏で更新した前半の集中力がとにかく素晴らしかった。
後半も新旧の楽曲を織り交ぜつつ、「導火線」、「刃」、「コバルトブルー」といった、ライヴの鉄板ナンバーが続き、拳が突き上がるエネルギーの交換が過熱する構成。そんななかでも菅波のギター・サウンドとフレージングの繊細さに触れることができた「桜雪」や「奇跡」は、彼らの奥行きの深さを証明していた。本編ラストはミニ・アルバムのTrack.1「Running Away」。シンガロングできるうえに、まさに"また、ここから走り出す"意志を音像に定着させたこの曲が、ライヴの場で共鳴し合う情景はTHE BACK HORNのライヴで常に感じる、バンドとファンの信頼関係そのものだ。山田の"生きてまた会おう"という言葉が、歳月と共に切実で確かなものになっていくように思えた。20周年イヤーは新たなツアー、そして3度目の武道館公演へと続いていく。
[Setlist]
1. がんじがらめ
2. ラフレシア
3. 幾千光年の孤独
4. 赤眼の路上
5. 罠
6. 雷電
7. 墓石フィーバー
8. 情景泥棒
9. 情景泥棒~時空オデッセイ~
10. 光の螺旋
11. 桜雪
12. 奇跡
13. 儚き獣たち
14. 導火線
15. 刃
16. コバルトブルー
17. Running Away
en1. 閃光
en2. グローリア
en3. サイレン
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