Japanese
THE BACK HORN
2018年10月号掲載
メンバー:山田 将司(Vo) 菅波 栄純(Gt) 岡峰 光舟(Ba) 松田 晋二(Dr)
インタビュアー:石角 友香
結成20周年に際して、ベスト・アルバムをリリースし、"マニアックヘブン"を初の全国ツアー形式で開催してきたTHE BACK HORN。彼らならではの周年のラストを飾るのは、長らくファンに待望されてきたインディーズ時代のアルバム2作(『何処へ行く』、『甦る陽』)とシングル『風船』収録曲のリレコーディングによって蘇った『ALL INDIES THE BACK HORN』だ。今もライヴで演奏する機会のある楽曲も多いが、彼らにとってそれらの楽曲の変化と不変はなんなのか。併せて作家、住野よるとの連載小説と並走する形でのコラボレーションが新しい、配信シングル「ハナレバナレ」についても訊いた。
若いときに達観したつもりで書いていた歌詞を、実際に時間を経てきた今の自分が歌う不思議さ、面白さがある
-まず、インディーズ時代の楽曲を再録するというアイディアはどこから?
松田:(インディーズ時代の作品は)廃盤になってるんですけど、その行方というか、それはそのままでいいのか? っていう話から始まりました。今でもライヴでは演奏してるものもあったので、音源としては聴いてもらう機会はないけど、ライヴでは曲が生きてるなっていう感じがあったんですよね。
-バンドの20年を全部肯定しようという印象を受けました。
松田:去年は『BEST THE BACK HORN Ⅱ』(2017年リリースのベスト・アルバム)も出して、まさにこの20年間を振り返るというか、歩んできた道を見つめ直すっていうのもありますし、その始まりがインディーズですから。このタイミングだからこそ、もう1回録り直して、改めて出そうって気持ちになったのは間違いないですね。
-この数年のTHE BACK HORNにフィットする感じがしたんですよ。特にインディーズ時代の突っ込んだ世界観、でも若いみたいな部分が。だから今の曲と並べても違和感なく聴けるのかなという感じがして。
菅波:ライヴではずっとやってますからね。でも不思議だよね、新しい曲と並べてそう感じるっていうのは。
山田:俺が歌ってて思ったのは、昔の曲は達観した目線を持ってる曲が多いなと思って。なんか諦めてんのか、見切ってんのかわからないけど、等身大の目線というよりは、世の中をわかり切った感じの曲が多かったりして。"僕らの夢なんてどうせこんなもんさ"とか。
-現実に対して冷静ですね。
山田:それが逆に、20年経って実際に時間を経てきた人間たちがまたそれを表現したときに、もともと若いころに歌詞で描いていた俯瞰の目線のところに自分たちが追いついていってる感じ。そんな感じが、先ほど"フィットする感じがある"って言ってくれたことなのかな? って今ちょっと思いましたけど。
菅波:若いからって、超まっすぐで若いこと言ってるわけでもなかったってことだ。
-なるほど。THE BACK HORNの激烈さという意味でも、インディーズ時代の表現は容赦ないですからね。そこも近年の作品と共振するなと感じたんです。ところで岡峰さんは、リリース当時はバンドにはいなかった(※岡峰は2002年にTHE BACK HORNに加入した)けど、ライヴでやってる曲はあるわけで。そのへんってライヴでやるときに4人でもう一度アレンジを練り直したりしてるんですか?
岡峰:いや全然。そのまんまやり続けてましたね。今回レコーディングするときに改めてオリジナルのテンポ感とかをみんなで聴き直したりしてみて、そことライヴで経た形が結構違ったりするのも進化と捉えてもいい部分もあるし、もともとフリー・テンポのようにぐちゃぐちゃ動いてたところをちゃんとやろうとすると逆に難しいみたいな面白さもあったし。ライヴで進化した部分と、当時でしかできない独特のグルーヴをもう一度捉え直そうとする楽しさと、その両方がありましたね。
松田:当時は若さゆえなのか、何も怖くなくて。さっき将司が言ってた"達観"みたいなものが、結局何も知らなくて何も怖くないからそこまで思えたところもあるのかなと。実際の死に対する捉え方とか、自分や自分の周りも含めて、死と向き合う環境が10代後半にはなかったんですよね。でも、それは間違いとか正解とかじゃなくて、"こうなんだろうな"って思いを馳せるロマンや切なさに繋がっていて。近年の作品と比べても、このインディーズの3作(1999年リリースの1stミニ・アルバム『何処へ行く』、2000年4月リリースの2ndアルバム『甦る陽』、2000年9月リリースの1stシングル『風船』)は一番切なさがある作品だと思ってるんですけど、たぶんそれはほんとにその年齢のときの感覚だと思うんですよね。
-再録して、今回何か気づいたことがある曲もあるような気がするんですよ。特に録り直して良かったと思う曲はありますか?
岡峰:俺は全曲ですからね。「茜空」のキメとか、拍の取り方とか、そういうところは今回のレコーディングでようやくわかったことかも。
菅波:みんなで分析しました。
岡峰:オリジナルを聴き直したら、前のベースの平林(直己)がこの2枚(『何処へ行く』、『甦る陽』)の間ですごい成長してて。『何処へ行く』のころとかは荒々しいんですけど、『甦る陽』から急にセンスが開花してる感もあり、"これは自分からは出てこないフレーズだな"っていうのももちろんあるし。そういうところは変えずにいこうと思って。で、部分部分で味つけ程度に"自分ならこうする"というところは入れたりしましたね。レコーディングで一番面白かったのは「雨乞い」かな。この曲だけは4人で集まって録ったんです。それ以外は時間とかいろんな都合でパートごとに録ったんで。「雨乞い」はインストなんですけど、もともとあったバージョンも踏襲しつつ、遊び心っていうか、現代の4人のセンスが集結した感じが面白かったです。
-アイルランドのSFみたいですね(笑)。
一同:はははは(笑)。
菅波:やー、そうかもしんない(笑)。面白い。
岡峰:俺はイメージとしては白黒のときの黒澤映画"羅生門"とか、そのへんのやつが現代の技術で蘇ったみたいな感じなんですけど。
-さすが今のTHE BACK HORN。今のスキルでいくとサラッとやってるように聴こえます。"この曲にこんな側面があったのか"とか、"これは良くなった"とかありますか?
松田:それで言うと、「新世界」とか「甦る陽」とかは、曲の作り方自体が"作ろう"と思っても作れないものと言いますか、思い切ったアプローチで展開をどうにかねじ込むような感じがあったりするんですよね。でも、それを正当化するためにそのシーンをしっかり意味あるものにしてるっていうことは、その当時もちゃんとやってたなって。だから"遊び心"という言い方では表せない、遊び心を本物にするような力は感じますね。「新世界」は終盤にラップみたいなところがあったり、サビとAメロの間のセクションとかはなんとなく"こういう感じが切ないんだよな"みたいな感じでやってたりしたような記憶があって。いろいろと入れたがりで長いし、再録でも削ってはないんで短くはなってないんですけど、「新世界」、「甦る陽」あたりは今の演奏力でより鮮明に景色を表現できた感じがあります。
菅波:俺は「カラス」かな。ギターの表現力に関しては、今回のレコーディングで、自分の持てる全部をぶちこもうと思って。だから、今しかできないこと――例えば、曲によっては結構ミクスチャー的な曲があって、レゲエ調の部分があったり、そういうところにアドリブでフレーズを作って乗っけたりとかって昔はできなかったけど、今だったらできるんで。あと、今のレコーディング環境だとギターがピーピーハウったりとかしないんですよ。昔はひとつの部屋の中にアンプを置いて、ドラムもそこにいて、ひと部屋で録っちゃうような感じで1st(『何処へ行く』)とかは録ったんで、久しぶりにその感じもいいなと思って。例えば「カラス」は、ギター・ブースの中でアンプの前に立って、暴れながら弾いたんですよ。だから音とかもピーピーいっちゃってるんです。でもなんか久しぶりの感覚というか、レコーディングって、リズムとか音色を自分の頭の中にあるイメージに近づけるためにどんどん精度を上げてくのが昨今の作業だったんですけど、"もうそういう問題でもねぇな"って。ただ気持ちで演奏する、ライヴのときみたいな感覚でしたね。ひたすら曲に入り込むような気持ちでレコーディングをしたっていうのが久しぶりだったんで、すごい楽しかったし、なんかわかんないけど、弾き終わったら指から血が出てて(笑)。
-まさにライヴですね(笑)。
菅波:爪割れて、血が出てたんだけど。そういえば昔、(新宿)LOFTで(ライヴを)やったときに指が切れてたことがあって。そのあとライヴ終わりに血が出たまんま、当時LOFTで働いてた光舟がバーテンやってるとこに行って"酒をくれ"って言ったことを思い出して(笑)。
岡峰:そのころ、まだ(菅波を)知らなかったんで、"うわ、気持ち悪っ"と思って(笑)。"(出演者は)タダで酒貰えるって聞いたんですけど"とか言って。
菅波:ひどいセリフだな(笑)。今だからこそ構築するレコーディングもあるけど、ずっとライヴを絶え間なくやってるのもあって、音に入り込んでレコーディングするっていう部分も、自分の中でなくなったりはしてなくて、ある意味、自分の持ってる特技ではあると思うんです。それこそ1stを録ったころとか、それが表面に演奏力として出てなかった時代はあったとして、それは今も同じくエンジンとして俺の中にあるなって再確認できたし、有意義だったなと思いました。音楽が俺の中から出てくる仕組み自体は変わってないっていうことかもしれない。
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