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INTERVIEW

Japanese

The Shiawase

2020年12月号掲載

The Shiawase

Eggsプロジェクト

Official Site

メンバー:仲井 陸(Vo/Gt) 木村 駿太(Ba/Cho) 神谷 幸宏(Dr/Cho)

インタビュアー:稲垣 遥

ずっと好きだった女の子とヤンキーが付き合ってますけども そのヤンキーよりも絶対俺のほうがかっこ良くなるって信じてるんで


-話を聞いていると"新しいものを生み出す"というのは共通認識でありそうですね。歌詞で言うとラヴ・ソング、もっと言うと片思いの歌が多い気がしますけど。実体験として、そういうときに曲が浮かぶということですか?

仲井:やっぱり女性がいないと曲が書けないですねぇ~......。

-音楽を始めるきっかけでもあったけど、今もそこが曲を作るエネルギーになると。

仲井:でも、今回のCDは初めて恋愛ソングじゃない曲が入ったんですよね! 仲井 陸の第2章を進めたいなと。

-では作品の話をする前に、The Shiawaseは活動を開始してから、2018年の"未確認フェスティバル"、2019年の"出れんの!?サマソニ!?"に挑戦しています。ファイナリストに残りつつ、グランプリや"サマソニ"出演までは叶わなかったなかで、今年は3月に"ビクターロック祭り"のオーディション企画("ワン!チャン!!~ビクターロック祭り2020への挑戦~")でグランプリを獲得されましたね。結果今年は"ビクターロック祭り"が中止になり出演はできなかったですが、自身の気持ちに変化があったりはしました?

木村:そうですね。今まで一番を獲れなかったというか、欲しいところに手が届かなかったというのがあったので。前回の『こたつ』っていうEP(2019年)を出して、"ビクターロック祭り"のオーディションに挑んで、"ビクターロック祭り"はなかったんですけど、曲やライヴの良さが認められて結果が出たので、自分たちとしてはすごく良かったなというか、これからまた頑張れるなと、モチベーションに繋がったなと思うんです。でも、前のEPが結構評判良くてグランプリも獲れたんで、今回作るときにすごく苦労したなって。

仲井:マジで苦労した~。

-前回よりもいいものを作らないとっていうところですね。

仲井:はい。

木村:でも、比較できんくらい違うものができたので。

仲井:そうやな。

木村:The Shiawaseの幅広さがまた見えたというか。

-今作の制作を始めたのは、そのグランプリを獲った頃とかですか?

仲井:制作を始めたのは夏とかかな?

-コロナ禍でしたが、先ほど曲を作るときの話にも出た、曲のもととなる女の子との出会いとか出来事も減っちゃったんじゃないですか? 大学生活も一変していそうですが。

仲井:そうですね~。コロナが1回落ちつきだして第2波が来る前。これは別の話になっちゃうんですけど、大学に入ってから好きな子がまたできちゃって、その子と3年越しくらいに初めて食事ができたんですよ。でも、その食事の日の前日に第2波が来たみたいなことが発表されて、なくなっちゃったんです。だから、そこから曲作りがスタートしましたね。

-その悔しさがエネルギーになったと。

仲井:その第2波のせいで今回の「お前のマフィン」って曲が生まれて。"お前に会えなかった"っていう歌なんですけど。そこからが曲作りのタームでした。

-曲作りの方法は変わらなかった感じですか?

木村:何も変わってないですかね。

仲井:あ、でも、DTMとかパソコンで曲を作るのをやろうって初めて挑戦したんですけど、あれでできたのが「第一話「15秒間のアベック」」ですね。

-それであの曲はいろんな楽器の音が入っていたりもするんですね。

仲井:あれ結構いいですよね。

木村:ライヴでやりたいよね。

仲井:ライヴでやりたいけど、再現不可能。楽器で言うと10個くらい入ってるから。

神谷:(笑)

仲井:ヴィブラスラップっていう、ビヤ~ン! っていう楽器が入ってるんですけど、そこのために何万円のヴィブラスラップを用意したり、カスタネットも3万円とかのすごいのを用意したりして、1個ずつ作り上げた、俺のDTMデビューの曲ですね。

-その「第一話「15秒間のアベック」」は、歌い方も含めてはっぴいえんどみたいな雰囲気もあるなぁって感じました。

仲井:はっぴいえんどは本当にずっと大好きなバンドで。バンド名もそこからきていたりするんです。あ、でも細野晴臣(はっぴいえんど)さんのアルバムをレコーディング前日に買ったんですよ。それを聴いて、"あー! これだぁーっ!"てなって。前日なんでメンバーにこういう感じでとかもちゃんと言えなかったんですけど、即興みたいな感じで採り入れました。

-木村さんと神谷さんは、この曲ではどういうアプローチをしていったんですか?

木村:バンドでドラムありきのアレンジから、最終的にアコースティックな雰囲気になったんですけど、もう1個手前にボサノヴァのイメージもあって。その聴かせてもらった細野晴臣さんの曲もボサノヴァの雰囲気があったりしたので、作るうえではボサノヴァの空気を出しつつみたいなところは意識しました。あと、たくさん音があったので、あんまり主張しすぎないようにしつつ、ドラムがいなくて曲の中のロー感があんまないので、そこを重点的にやりました。

仲井:この曲に関しては、言いにくいんですけど......神谷さんは......。

神谷:参加してないんですよ(笑)。

-そうなんですね。パーカッションにはサポートの方も迎えているそうですもんね。

仲井:現地のね。

神谷:ほぼ現地みたいな人を(笑)。

仲井:友達なんですけど、呼び寄せて一緒に作ってもらってます。なので、最初のバンド・アレンジのときはドラムもあったんですけど、こうやって最終的にはメンバーの参加しない曲を作ってしまったっていうね。

神谷:新しいですね。

-この曲はタイトル("第一話「15秒間のアベック」")や、言葉選びも面白いですね。

仲井:この曲名の理由、わかりますか!?

-Instagramのストーリーが15秒というところですよね。

仲井:おぉっ! そうですねぇ! それを観ている15秒間は自分が彼氏に思えるみたいな。

-好きな女の子が他の男とお酒を飲んで赤くなっているところで、"見れて嬉しいが"という言葉が出てくるのは男性ならではな感じもして面白かったです。

仲井:ほんとですか!? iPhoneの画面録画を押して、そのまま再生して。

木村&神谷:(笑)

-録画しちゃうんですか!?

仲井:やりますやります。そりゃあ、やりますよ(笑)。いつでも楽しむんで。

-この曲も含めて冒頭3曲片思いの曲が続きますが、同じ気持ちに訴え掛けるでも、沈んだ思いに浸る感じはなくて、前向きな部分が大きいのがThe Shiawaseというバンドらしさなのかなって。

仲井:そうですね。結局俺がずっと好きだった女の子とヤンキーが付き合ってますけども、そのヤンキーよりも絶対俺のほうがビッグになって、絶対俺のほうがかっこ良くなるって信じてるんで、まぁまぁいいかと。別れてもらって、それに気づいたら結婚してほしいなって思ってるんですけども。

-それが叶ったらもうみんな泣くと思います。

仲井:もうバンドが終わります。

一同:(笑)

-で、そんな片想いの曲の中で「NANOHANA」は両想いのすごく幸せなナンバーで、こんな曲もするんだと驚きました。

仲井:たしかに。

木村:3年前くらいにもととなるものはあって、自分らの企画とかではやってた曲ですね。

仲井:曲ができたときはいい感じの女の子がいたんです。歌詞はちょっとずつ変わってるんですけど、本当に幸せなときにできた曲です。

-ファンシーで優しくて夢心地なサウンドだから、夢なのかな? とも思いましたけど。

仲井:妄想の部分もありますけどね。でも、噓は書けないんで。

-聴いている方にも、自分たちの曲を聴いて元気を出してほしいという気持ちはあったりします?

仲井:表向きはそうですね。

木村:でも、そんなこと思っては作ってないよね。

仲井:はい、作ってないです。そのヤンキーと付き合っている子に聴かせたいっていう。

-そこにも噓がないのはある種潔くていいですね。また、先ほども話に出た「お前のマフィン」は曲の展開が盛りだくさんで。

仲井:あれは本当もう、長年やりたかったものが実現できたっていう大好きな曲ですね。