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INTERVIEW

Japanese

the quiet room

2023年12月号掲載

the quiet room

Member:菊池 遼(Vo/Gt) 前田 翔平(Ba) 斉藤 弦(Gt)

Interviewer:高橋 美穂

明るい気持ちになれるように、軽やかに聴けるように、楽曲を作るうえで意識している


-新曲「Nowplaying 」も、すごく解き放たれていて、ライヴで聴きたくなる仕上がりになっていますが、この楽曲の発端というのは?

菊池:これ、3ヶ月連続リリースに自然となったんですけど、1曲目(2023年9月リリースの「Tsubomi」)、2曲目(2023年10月リリースの「悪い癖」)はラヴ・ソングだったから、3曲目では自分を解き放って、好きなことについてやってみようかなと思っていたので、そういう印象を持ってもらえて嬉しいですね。

-好きなことっていうと、やっぱり音楽なんですね。

菊池:そうですね。自分の人生が1枚のアルバムだったとして、今はいったい何曲目なのか? っていうのをテーマに曲を作りました。

-ライヴやリスナーのことも思いながら作ったのかな? っていうイメージがあったんですけど、そのあたりっていかがでしょうか。

菊池:そうですね。コロナ禍だけではないんですけど、ずっとバンドをやってきて、ほんとに自分たちだけの力ではできないというか。さっきのオーディションの発言で、すごい自信家だと思われていたらイヤなんですけど(笑)、自分の力というよりかは、メンバーや周りのスタッフ、特にリスナーに支えられていると常々感じているので、この曲にはそういうところも反映されていると思います。

-支えてくれている方という意味では、アレンジャーの須藤 優(XIIX/Ba)さんもその中のひとりではないでしょうか。

菊池:そうですね。(2022年リリースのシングル「Twinkle Star Girl」に続き)アレンジャーとして入っていただくのは2曲目だったので、須藤さんもthe quiet roomのバンド像を理解してくれていて。アレンジャーさんとかを入れると、楽曲のイメージがガラッと変わったりするんですけど、今回に関しては自分たちのやりたいことを守りつつ、須藤さんのアレンジも加わって。すごく嬉しかったし、楽しかったです。

前田:アレンジャーさんに入っていただくと、キラキラになってバンド感がなくなったりしちゃうのかなって思っていたんですけど、今回はかなりバンド感があって、ゴージャスになった感じがして。自分たちのアレンジもしっかり残っているので、胸張って自分たちのものって言えるし、ライヴでやるのも楽しみですね。

-斉藤さんは、この楽曲の聴きどころはどこだと思いますか?

斉藤:スタジアムで聴きたいような広い音像なので、いつかそういうところでもできたらいいなって思うんですけど、聴きどころは......全編のギター、っていうのはエゴなんですが(笑)。でも、サビに入ったときの解放感は聴いてほしいですね。一緒にぶち上がってほしいっていうか。ライヴでも、手を上げるでも、飛び跳ねるでも、一緒に盛り上がってほしいと思っています。

-個人的には、終盤の"Nowplaying 今これ何曲目?"っていう歌い方、言い方がすごくチャーミングだと思いました。ここをフックにしたいという意図もあったんでしょうか。

菊池:そうですね。この曲の大事なテーマでもありますし。あと、ちょっと砕けた言い方にしているのは、結構真面目なテーマなので、そのまま歌詞を書き上げたら重たく聴こえてしまうかなって。だから明るい気持ちになれるように、軽やかに聴けるように。そういうところは、the quiet roomの楽曲を作るうえで意識しているので、さっき言っていただきましたけど、チャーミングに聴こえるほうがいいかなっていうことで、こういうアレンジになっています。

-そもそも"Nowplaying"っていう言葉自体がキャッチーですよね。日常でもいろんなところで触れるけれど、でも楽曲で歌われることってあまりない言葉だなぁと。だから、目のつけどころがいいなぁと思いました。

菊池:ありがとうございます。あんまり考えていなかったですけど(笑)。ふわっと出てきましたね。

-J-POPが好きだったっておっしゃっていましたけど、そもそも自然体でキャッチーなものを生み出すスキルに長けているというか。

菊池:ありがとうございます。キャッチーなメロディやフレーズに関しては、自信を持ってやっていけたらと思っているので、そういうふうに言ってもらえて嬉しいですね。

-でも、J-POPに振り切るわけではなく、このメンバーのバンド・サウンドありきという楽曲に着地している。

菊池:そうですね。ロック・バンドとして始まったので、どれだけポップになろうが、逆を言うとどれだけ激しくなろうが、ちゃんと歌は残したいし。バンドとしてのバランス感覚は、すごく大事にしたいと思っていますね。

-そう考えると、ポップ且つバンドである「Nowplaying」は理想的な仕上がりですね。

菊池:うまくいったと思います。今回3曲連続リリースして、1曲目の「Tsubomi」もアレンジャーさんを入れていて、レフティ(宮田"レフティ"リョウ)さんなんですけど、もともとの曲調がポップですし、仕上がりもポップス寄りではあるんですが、その中にもバンド感があって。だから、きらびやかになったり、ポップスになることをネガティヴには捉えていなくて、芯にバンドを残すことは大事ですけど、あまりそこにとらわれすぎないようにしたいとは思っています。逆を言えば、そんなアレンジになっても、自然とバンド感は出るのかなと。

-一番優先したいのは、いい曲にするっていうところなんでしょうけど。これだけライヴ活動を重ねているんだから、どんな楽曲をやってもバンド感は出るんだと思いますよ。

菊池:逆にバンド感を完全になくされちゃったら負けだって感じですね(笑)。自分たちのやっていることは、どんだけアレンジを重ねても消えないと思っているので。今後も、そういうふうに曲を作っていきたいですね。

-年明け1月14日にはZepp Shinjukuでのワンマン・ライヴも控えています。大きな場所でもライヴをやっていきたいという、その1歩になりますね。

菊池:はい。初Zeppワンマンなんですよ。なのですごく楽しみですし、いきなりZeppをやるわけではなく、(CLUB)QUATTROやって、LIQUIDROOMやって、地道に活動を続けてきてのZeppだから、いいライヴができる自信もありますし。着実に積み上げてきたものを、ここで見せたいと思っています。

前田:純粋に楽しみですね。今年の3月ぐらいにZeppやりますって発表して、1年間それに向けてライヴを月に10本近くやってきたので、力がついている自信はあって。みんなに楽しんでいただけるライヴになると思います。

斉藤:「Nowplaying」みたいな、デカいところが似合う曲もありますし、ずっとやってきた曲も見せられるのがとても楽しみっていうのはあるんですけど。Zepp Shinjukuにいる中で、誰よりも自分が楽しもうという気持ちで臨みたいと思っています。

-Zeppって、バンドとして目指してきたハコだったんでしょうか?

菊池:そうですね。イベントで出してもらうことは何回かあったんですけど、自分たちのワンマンでZeppに立つのは、大きな目標のひとつだったので。来年、バンドとして1発目のライヴでいいスタートが切れるように、頑張りたいと思っています。

RELEASE INFORMATION

the quiet room
DIGITAL SINGLE
「Nowplaying」
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[murffin discs / mini muff records]
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