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INTERVIEW

Japanese

SAKANAMON

SAKANAMON

メンバー:藤森 元生(Vo/Gt) 森野 光晴(Ba)

インタビュアー:秦 理絵

-そこに11年目以降を進んでいくSAKANAMONのヒントもありそう。

藤森:たしかに。こういうユーモアは面白いからやりたいんですよね。マイナスターズっていう、さまぁ~ずがやってたバンドがあるんですけど、すげぇくだらなくて、アホみたいな歌を作ってるんですよ。その歌詞もめちゃくちゃ面白いんです。それも意識しましたね。途中で全然関係ない方に脱線していくあたりとか。

-鬼の曲なのに、途中から鰐とか蟹の歌になっていくっていう。

藤森:そうそう(笑)。

森野:藤森君は、めちゃくちゃこの曲を推してるわけですよ。

森野:でも、大人たちには全然響かなくて(笑)。

-まぁ......響かないというより、いわゆるアルバムのリードっぽくないかもしれないですよね。10周年イヤーを終えたSAKANAMONの一発目にはふざけすぎというか(笑)。

藤森:でも、普通にいい曲はもういいじゃんって。"ありがとう! 10周年のSAKANAMON"っていう感動のあとに、いきなり"鬼怖い"ってなっちゃうのがSAKANAMONだと思ってるので。このズコー! ってなる感じがいいんですよ。

森野:今回これがシングルになったことで、もしお客さんが"これがいい!"って気に入ってくれたら、大人も考えを改めてくれるかもしれないよね。こういう出し方をすることで、"みんなどういうSAKANAMONが好き?"っていう意識調査になるかもしれない。

-あはは、なるほどね(笑)。で、3月にリリースされるのが、ミディアム・テンポのラヴ・ソング「アフターイメージ」です。これは作曲が森野さんですね。

森野:メンバーとかマネージャーに渡す前に、藤森君に何曲か聴かせたうちの"いいね"って言ってくれた1曲ですね。

藤森:最近の(森野の)デモはクオリティが上がっていて、他にもいける曲があったんですけど、より新しい曲がいいかなと思ったんです。今までのSAKANAMONにはなくて、なおかつシンプルでキャッチーだなと思って。

-ピアノとシンセのアレンジがきれいですけど、作りながら入れたんですか?

森野:最初から入れてたと思います。イメージとしては、こういうしっとりしたテンポなので、自分の中で普通のバラードにしないようにっていうテーマがあって。ポップになりすぎないようにというか。ちょっとオルタナティヴな感じを意識しましたね。そういうところからコーラスも変わった感じで入れてるんです。

-ぽつんと光を残すような温かいサウンド感と歌詞も雰囲気もよく合ってますよね。

藤森:歌詞はめちゃくちゃ迷ったんですよ。DIYする歌にするか、目に光が残って消えない、みたいな歌にするか。で、結果、混ぜたんです(笑)。なんか僕じゃないみたいな歌詞で気に入ってるんですよね。いつもは具体的に歌っちゃったり、逆に具体的に絵が見える言葉を選ばないで想像する余白を残したりすることはあるんですけど。この曲は、具体的な景色があるけど、その景色の中で何をやってるか、背景は見えないっていうか。

-"一脚の椅子"がある景色は具体的だけど、どういう経緯でそこに辿り着いたのかっていう背景の物語はいろいろ想像できる。

藤森:うん。バック・ストーリーを想像できるような歌詞が書けたなと思います。そういう歌詞に憧れてたんです。あと、ネジっていう言葉を使いたかったんですよね。たぶん......田舎に彼女を置いてきて、東京でひとり暮らしを始めて。新しい部屋で椅子を作って、ネジをハメてる。それと同時に自分の気持ちにも整理をつけるっていう感じですかね。

-なるほど。今回は3ヶ月連続リリースですけど、本当に振り幅の広い3曲になりましたね。最初に"どうしてこういう出し方をしたのか?"って聞いたけど、つまるところ、"全部好きだから"に尽きるんだろうなって思います。

森野:本当にそうですね。アルバムの中で曲に優劣をつけたくないっていうのは、昔から言ってて。別にリード曲だけが大事な曲ではないし、全部大事な曲なので。

-今は次のアルバムのことで迷ってるとは言ってましたけど、10周年イヤーを終えて、バンドとして何を大事にして進んでいくかっていうのは見えていますか?

藤森:やっぱりオリジナリティですかね。

-それ、ずっと言ってますね。

藤森:よくメンバーとかスタッフで話し合いをすると、誰々みたいな曲を書いたらいいんじゃないかなとか、誰々の歌詞はどうなってるから売れてるんだとか、売れてるバンドを引き合いに出した話もするんです。そういうのもわかるんですけど、その"誰々"っていうのは、他の誰々のマネをして売れたわけじゃないと思うんですよ。俺たちも"誰々"になんなきゃいけないと思うから、二番煎じ的な考え方はやめたいと考えてて。ちゃんと俺たちしかできない新しいことをやらなきゃいけないんだと感じながら......何も思いついてないですけどね(笑)。ただ、いい曲じゃなきゃいけない。結局、それだけなんだろうなとは思います。みんなが納得する、新しくていい曲を書けばいいんですよね。

-今話を聞いてて、もしかしてSAKANAMONって、今まで以上に売れたいと思うようになったのかな、と思いました。ここまではマイペースにやってきたけど、節目の10年目が幸せだったぶん、次の10年に対する自分たちへの期待がデカくなったというか、欲張りになったというか。それで、次の一歩を迷ってるんだろうなっていうのを感じました。

藤森:そうかも。うん、そうかもしれない。今回のワンマン、ツーマンでめちゃくちゃ安心できる部分があったんですよ。こういう場所を繋げていきたいっていう気持ちが強くなったんですよね。だから"売れたい"っていうよりは、"消えたくない"って思っちゃったのかも。飽きられたくないし、いいと思ってほしいし、少なくともファンの気持ちを裏切らないようにしたい。でも、そのファンがどんな気持ちなのかわからない(笑)。それが、今なんです。

森野:そうだね。3月から始まるツアーはリクエスト・ツアーなので、そこで見えてくるものがあるかなって思うよね。めちゃくちゃお客さんに頼ってるな。

藤森:2019年前半は模索の半年になりそうですね。みなさんの反応で楽しませてもらいますので、きっと次に何かを出すときには、答えが出ていることでしょう(笑)。