Japanese
竹内唯人
2025年06月号掲載
Interviewer:サイトウ マサヒロ
-なるほど。EPの話に戻りますが、作品を通して、レコーディングで大切にしたことはありますか?
今まではオートチューンに頼った歌い方をしてたので、ちゃんと意味が伝わるような歌を目指しました。これまでは流し聴きできちゃうようなフロウと発音の仕方をしてしまっていたので、今回はドライブ中でも僕が何を言ってるか分かるような歌を意識していて、「ハナビラ」にはそれが特に分かりやすく現れていると思います。
-リリックの言葉選びでも、意味の伝わりやすさは気にしましたか?
いや、そこはあんまり。歌詞では自分が言いたいことをそのまま書きました。
-ちなみに、"CELL"というタイトルにはどのような意味合いがあるのでしょうか?
バイクがめちゃくちゃ好きで、10代の頃からずっと乗ってたんですけど、一度事故っちゃってやめたんです。でも最近また乗り始めて。そのエンジンを始動させるためのセルモーターと、今の唯人を構成する細胞としてのセルを掛け合わせました。あとは、"ドラゴンボール"のセルもありますね。どんどんいろんなものを吸収して、一番強くなるっていう(笑)。今はやっと第1形態になったところです。
-収録曲それぞれが別の角度から竹内さんの進化を感じさせる作品になりましたね。
マジで僕は変わったんだっていうことを伝えたいです。このEPは全部がリード曲で、どの曲にも嘘がないので。あとMVも作ったんですよ、一発撮りで。これからは全部一発撮りで作りたいなって思ってます。ずっとやり続けることを1つ決めたいんですよね。
-そうすることで、竹内唯人というアーティストの"らしさ"が明確になりそうです。
前はそれがなかったので、"別に俺じゃなくてもいいでしょ"っていう楽曲が多かった。そのときは僕が子供だったんだと思います。これからは素直な部分を上手く表に出して、音楽を楽しんでいることを伝えたいです。
-改めて、『CELL』は竹内さんにとってどんな作品になりましたか?
とにかく、やっと本当に自分がやりたかった音楽ができたのかもしれないと思ってます。自信を持って"聴いてくれ"って言える曲が揃っているので、僕のファンの方はもちろん、いろんな音楽好きに届いたらいいな。そして、今年1年の僕をみんなに見ていてほしいし、見つけてほしいです。
-リスナーにはどんなふうに楽しんでほしいですか?
違う生き方をしているみんなが、それぞれのライフスタイルに溶け込ませられる作品になったと思うので、日常の中で聴いてほしいです。生活の中で、ふとしたときに僕の曲を"いいな"と思ってほしい。昔の僕とはやりたいことが違うから、離れていっちゃう人もいるかもしれないけど......そのときはそのときかなって思ってます。
-それでも今は前に進みたい?
はい。今まで共演してきたアーティストともう1回コラボしてほしいっていう声も結構あるんですけど、今は自分の土台をもう1回作り直したいんです。どのタイミングでフィーチャリングを迎えるのかは難しいですけど、少し待っててもらいたいです。
-まずはこれから武者修行が始まると。
はい。だから本当に楽しみにしててほしいです。次のEPもあるので。
-すでに次作に向けて動き出しているんですね。
もう結構形になってきてて、全曲に夏に関するフレーズが入っています。音楽的にはPost Maloneっぽい感じのカントリー系の曲があります。最初の掴みからJ-POPっぽさはないですね。それでもちゃんと意味が伝わるように、日本語をしっかり発声してるっていう。
-あくまで日本語で表現するっていうことにはこだわりがあるんですか?
まぁ、日本人なので。もちろんメロディラインも妥協したくないから、そこで英語に落とし込むこともありますけど。あと、最近YouTubeを始めて、海外からもちょこちょこ観られてるんです。特にインドネシアの方が多くて、この間ライヴにも来てくれました。
-えっ、そのために日本に!?
そうです。
-すごい。海外の方に届けるために、英語も積極的に取り入れていきたい?
そうですね。たぶんできます。ロンドンに行ったとき、ずっとエセ英語で会話できてたので(笑)。
-日本語でも英語でも、歌詞で表現したいことは変わらないんでしょうか?
表現したいのは"自分自身"ですね。僕が身の丈に合ってないことを歌って聴く人が喜んでくれるかっていうと、そうじゃないと思ってます。
-EPをリリースすることで、ライヴ・パフォーマンスにも変化が生まれそうですね。
そうですね。この間やったライヴでは、ファンたちが"今までで一番いいライヴだった"って言ってくれました。間の開け方や余裕さを意識しながら曲作りをした分、ライヴでも呼吸が忙しくなくて、疲れずに歌い切れたんです。フロアでも、他のアーティスト目当てのお客さん含めて今までにないくらい手が上がったし。やっぱりライヴって大事だな、もっとやらないとなって思いました。何かを変えたというよりは、素のまま立ったステージだったんですけど、それをみんなが楽しんでくれたので、ありのままをブラッシュアップしたいです。
-この先のライヴ活動のプランは?
今年中にワンマンができればと思ってます。来年の誕生日にEX THEATER ROPPONGIでやれるくらいまで行けたら嬉しいですね。そして、来年中にはZeppに立つって決めてます。もう、決めました。決めたらやるんで。
-リブランディングをきっかけに、未来のヴィジョンも変わったのではないでしょうか?
それもまだ模索中で、どうなればいいかっていうのは分かり切ってないんですけど、このEPを作ったことで素直に音楽が楽しいと思えたので、これからもその気持ちは大事にしたいです。
-どこに向かうとしても、ありのままの気持ちを大事にしながら。
はい。Zeppに立つときには、向かう先が分かっていればいいな。そのときはまたお願いします!
RELEASE INFORMATION
竹内唯人
DIGITAL EP
『CELL』

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