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INTERVIEW

Japanese

竹内唯人

2025年06月号掲載

竹内唯人

Interviewer:サイトウ マサヒロ

-そして、音楽性だけではなくヴィジュアル面の変化も気になるポイントです。

おー! 来た来た。

-そのあたりも、竹内さんの声が反映されているんですか?

僕もまだファッションは勉強中です。1年前の自分ってすごく若いっていうか、チャラいんですよ。24歳になったタイミングで切り替えて良かったです。

-ヴィジュアルに関して、チームでこだわっているポイントは?

チャラくなく(笑)。今までは自分が好きな服をただ着てただけだったんですけど、それと似合う服は別だなっていうことで。例えば去年は一生エアフォース1を履いてましたけど、今はもう履かないですね。そういう意味でも、今までの竹内唯人はぶっ壊されたっていう感じです。

-じゃあ今は何を履いてるんですか?

(※足元を確認して)お兄ちゃんの靴を履いてます(笑)。ティンバーランドのスリーアイ。

-さて、5月28日にEP『CELL』がリリースされます(※取材はリリース前)。

このEPは、今までやってた音楽からかけ離れたものを作るっていうのが当初のテーマでした。例えば、1曲目の「'Round And 'Round」は、Justin Bieber「Ghost」のサウンド感を取り入れたいっていうところから始まって、この曲をきっかけに詞先に変えました。日本語と英語のバランスを考えながら作ってます。同じフロウを繰り返さないところも含めて、洋楽を意識した一曲ですね。

-「'Round And 'Round」は日常の中の変化に目を向けた歌詞も印象的です。

"Coffeeの香り"っていう言葉は昔の僕からは絶対に出てこなかったと思います。かつての僕の曲って、僕自身が日常生活の中で聴けなかったんですよ。でも「'Round And 'Round」は、今のライフスタイルをそのまま落とし込んだ曲になっています。

-"日々のちょっとした発見を大事にする"という楽曲のテーマは、竹内さん自身が大切にしていることなんですか?

はい。最近は、その日あったことをメモに書いたり、気になったことはすぐに調べるようにしたりしてて。ぼんやりと書きたいことがあるけど言葉が浮かばないときに2日前のメモを見ると、"あぁ、こんなことを考えてたな"って思い出せたりします。

-サビのフレーズは、新たなスタートを切った竹内さん自身への応援歌にも聴こえます。

リスタートを切るEPの最初の曲は絶対にこれがいいっていう気持ちで作った曲ですし、そういう気持ちも自然に混ざってると思います。

-2曲目は「ハナビラ」。個人的にすごく好きな曲です。

みんなそう言ってくれるんですよ。

-先程もお話に上がった通り、ニュージャズを取り入れたトラックが特徴の一曲です。こういったサウンドに挑戦したい気持ちは以前からあったんですか?

いや、それはなくて。EPを作るにあたってKay Clackerに"1曲だけ唯人に歌ってほしいジャンルがある"って提案をされたんです。ただ、最初にいろんなニュージャズの曲を聴いたときは身体が受け付けなくて、"これだけは俺には歌えない"って言ってました。でも、Kay Clackerが"絶対にできる"って後押ししてくれて。なので、チャレンジングな曲でした。今となっては大好きな曲ですし、この楽曲ができて、"自由に音楽をやっていいんだな"って思えるようになりましたね。

-洗練されたムードが漂う一方で、サビ前のシャウトや歌詞の端々にお茶目さを感じさせるのもポイントですよね。

サビ前のパートは、一度音を外してまたもとの音程に戻るっていう流れになっていて、メロディラインをKay Clackerと一緒に考えたんですけど、難しくて時間がかかりましたね。僕がメロディを付けようとすると、どうしても今までの竹内唯人としてのヒップホップっぽいメロディが出てきちゃう。それをいろんな音楽を聴いているKay Clackerが修正してくれている感じです。

-それこそ、竹内さんの"チャラさ"を封じ込めつつ。

はい。今となっては、そのチャラさを、今後のどこかのタイミングでまた楽曲に入れてもいいんじゃないかと思ってるんですけどね。それでも、昔とは全然違うものができると思うので。

-そして3曲目が「Life is...」。ストレートな思いが伝わってくる楽曲ですが、どのようなシーンを想像しながら制作した楽曲なのでしょうか?

これは本当に、目を瞑って自分のことだけを見つめながら書いたような曲です。自分が思ってることをバーって書いて、気付いたら完成してました。ピアノのコードをループしてもらって、Kay Clackerには横で休んでもらいつつ、鼻歌で自然に。サビの前までは一発録りで決まったメロディです。

-ほぼフリースタイルで。

そうなんです。で、Kay Clackerが"これでいいよ!"って言ってくれて。サビは一緒にキャッチーになるように考えました。

-3曲共、Kay Clackerさんとの共作ですよね。彼との制作はいかがですか?

相性はめっちゃいいと思ってます。前にもKay Clackerとは何曲か一緒に作ってたんですけど、そのときは前のレーベルの方針もあったし、あまり彼は意見を言ってこなかったんです。今はいろんなことを話してくれるし、かと言って何かを強制するわけではなく、僕のいい部分と悪い部分のバランスを取ってくれてますね。

-2人の曲作りは、どんな流れで進むんですか?

いつもだいたい午後3時くらいにKay Clackerの家に行って、2時間ぐらい喋って。その後お腹が空いてくるからUber(Eats)して。

-なかなか制作が始まらない(笑)。

で、ご飯が届くまでの間にトラックの方向性を決めていく。本当に毎回この流れです。

-ある意味、遊びの延長みたいな。

そうです。あと、最近はいいと思った音楽をすぐにKay Clackerに共有するようにしてて、そしたら先にトラックを作ってくれることも増えましたね。土台が作られた上で僕が音を足してほしいってリクエストすることはありますけど、基盤はKay Clackerに任せてます。

-逆に、Kay Clackerさんが歌詞やメロディについて助言することは?

メロディはありますけど、歌詞は基本的にないです。ただ彼は英語が喋れるので、"ここの英語ってどう?"って聞くことはありますね。