Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

Soulflex

Soulflex

Member:SIRUP(Vo) ZIN(Vo)

Interviewer:吉羽 さおり


今、時代的にも僕らみたいな形がハマってくるのかなと思った


-2017年から配信でのリリースをスタートして、今年3月からは1ヶ月1曲ペースで配信されていますね。以前に比べるとかなりハイペースになったと思うんですが、曲はずっと作っているという感じですか。

SIRUP:今は、ずっと作っている状況ですね。やっとこういうやり方ができるようになってきたという感じで。今年はさすがに頑張ろうという思いがあったんです。もともとは、それぞれソロの活動があってのSoulflexという意識があったんですけど、今、時代的にも僕らみたいなのがハマってくるのかなって思って。ここまでずっとやってきて、僕らみたいな感じの人らが出てこなかったので。KANDYTOWNとかYENTOWNとか、ヒップホップ文化ではもともとクルーというものはあるんですけど。でも、シンガーとラッパーがいて、バンドがいて、アート・ディレクション・チームがいて、という形態はなかなかないですしね。今頑張らないでいつ頑張る? っていう。そんな話が去年くらいに出たのかな。
ZIN:これまでも、アルバム作ろう、制作しようとなってはポシャって、みたいな感じで。今は僕らふたりは東京にいるし、うまいこと制作が進まずにダラダラしていたんですけど。
SIRUP:2年前くらいはZentaroが曲をたくさん作っていたんですけど、みんなそれをスルーしまくっていて。リーダーが"やめる!"みたいな感じで、ケンカになったこともあったんです(笑)。結局やめることはなかったんですけど、"このままではあかんな"みたい気持ちは、自分らの中に残っていて。空気的にも、"今年やったらいい感じになるんじゃないか"っていうのがあったんですよね
ZIN:昨年秋(9月)の配信第1弾「Then」は、Zentaroが一切参加してなくて。ある意味、Zentaroなしで曲を作ることをやってみたんです。これまではZentaroありきでっていうのが強かったから、なしでもできるっていうのをリーダーに見せつけるじゃないですけど──まぁ、みんなそこまでの意識はなかったと思うんですけど。
SIRUP:できあがってみて、そのサウンドや温度感が"Soulflex"っていう感じもあって。それで改めてみんな意気投合したのもありましたね。

-で、次に配信した「The Funner」(2017年12月)がまた全然違ったタイプの曲となったのも面白いですね。ちょっとイケイケな感じで、こういう曲もありかという。

ZIN:「The Funner」は、Ma_Nu(Rap/Beatmake)が最初にデモのトラックを作った曲ですね。

-曲作りの方法もいろいろなんですね。

SIRUP:そこがクルーの強みでもありますね。多ジャンルにわたっているんですけど、僕らが確実に好きなものの枠組みからは出てないもので。何をやっても無理をしてないっていう。

-そして今年3月の「addiction」からは毎月のリリースとなっていきますが、ペースを上げようとなったのは、先ほどの頑張ろうという意識が大きい?

SIRUP:今はストリーミングが主流にもなってきて、海外のアーティストも早いペースでどんどんリリースしたりしていて、情報の速度が早いので。常に出しているっていうのが存在のアピールにもなるし、やっていこうということになりました。

-自分たちの新しい音源、新しいと思うサウンドを鮮度の高いまま出せるというのは、ミュージシャンにとってはかなり利点ですね。反響も大きくなってきていますか。

SIRUP:まだそこまで感じられてないんですけど、でも今年3月に配信した「addiction」くらいから広がりは体感していて。Spotifyとか、いろんなプレイリストに入れてもらったりすることも増えました。キュレーターの方がチェックしてくれるようになったので、良かったですね。

-サウンド的にもより受け入れられるんじゃないか、という思いがあったということですが、その中でも自分たちならではのもの、Soulflexだからこそ打ち出せることはなんだと思っていますか。

SIRUP:メンバーそれぞれが長く活動をやってきていることもあって、いい意味で力が入りすぎていないんです。パフォーマンスも歌も熱すぎず、鬱陶しくないというか。それでいて、いろんなサウンドができるのが強みだと思うんです。"こういうのどうや!"っていうんじゃなくて、自分らが自然体でいれる新しいサウンドを打ち出せていて。あとは、演奏ですね。バンドで、どんなサウンドでもできるっていうのが大きいですね。
ZIN:それこそ最近だとKANDYTOWNとか、こういうクルーもたくさんいますけど、みんな20代と若くて。だからといって、若い子と対抗しようと思わないし。Soulflexは一番若いメンバーでも28歳とかなのかな。ちょっと前に、"30代になったからこそ、かっこいいと思うことを淡々とやる余裕や説得力が出てくるよな"っていう話をみんなでした覚えがあって。そこは強みかもなって思いましたね。

-6月に配信された「City Resort」などは、アーバンなソウル・チューンで、まさに心地のいいノリやグルーヴ、フロウや歌が生きた曲となりましたね。この曲はどんなテーマで作っていったんですか。

SIRUP:この曲は、苦戦しましたけど面白かったですね。Ma_Nuがテーマを考えた曲です。都会では容易く自分のオアシスが見つけられて、例えばコンビニやファストフードなんかも簡単に行けるオアシスやと思うけど、その手軽さから無意識に依存してしまったりするのではなくて、"自分はこれをチョイスしてるんだ"と意識することが大事やなっていうテーマだと思って歌ってます。でも、それを重い感じではなくて、Soulflexではライトに歌いたいんですよね。

-ちなみに、配信のどれくらい前に曲ができて、配信されているんですか。

SIRUP:これがいつもほんとギリギリになっちゃうので、"BIG UP!"さんは本当にありがたくて(笑)。ひとまとめにするのは悪いですけど、ミュージシャンってタイトなスケジュールになってしまいがちだと思うんです。サウンドについても、ギリギリまで考えたいし。だから、一括で配信できるのはメリットだし、すごくありがたいんですよね。

-スピード感は大事ですね

SIRUP:今、体感的にもすごく面白いんですよね。僕ら自身も次がどんな曲になるかって、あまり意識してやっていなくて。"どんな曲が来るんやろう"って、僕らが思っているっていうのは、よく考えたらめっちゃ面白い。
ZIN:「24」(2018年6月配信リリース)が来たときは最高でしたね。結構意外な曲というか、R&Bとかトラップみたいなのを俺らでやるっていうのが面白かったです。「24」はZentaroが作って、制作にはバンド・メンバーが一切関わっていない曲なんですけど、ライヴのときにバンドでやったときに、この曲をSoulflexでやる意味をすごく感じました。
SIRUP:面白かったね。

-メンバー内でも、"こんなのはどうだ"っていう仕掛け合いっぽいところがありますよね。それでは改めて、"BIG UP!"というサービスについて、また、作品を世に出したいというクリエイターに向けて、ふたりから何かアドバイスはありますか。

SIRUP:僕らからですか......。やっぱり、早く仕上げた方がいいっていうことですかね(笑)。新しい音楽を聴きたい、新しいサウンドを見つけたい人は、確実に先にやってる人のものを聴くと思うので。"BIG UP!"は、配信の代行サービスもありがたいですけど、情報を発信できるホームページが作れるのも強みですね。
ZIN:あとは、コンスタントに出し続けるというのは大事ですね。
SIRUP:これからは特にそういうのが大事になってくると思います。みんなで新しい音楽を出していくことで、相乗効果で音楽シーンが盛り上がっていくと思いますからね。