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INTERVIEW

Japanese

MORE THE MAN

 

MORE THE MAN

Member:冷牟田 竜之(A.sax/Agitate)

Interviewer:石角 友香

-ギターはソリッドだし、どの音も生々しくて。

レコーディングのときもできるだけ一発で録るようにしていて、直しは基本的にはしないっていうスタイルでずっとやっています。パートごとに切り刻んでしまうと、できあがった作品を聴かれる方には違和感はなくても、自分たちの中で違和感が残ってしまうというのがあるし、なんとなく気の流れが寸断されて、ズタズタになるような気がしてて。あまり編集はしないというふうにやってますので、それがやっぱり生々しさとかそういうところに繋がってるのかなと思います。

-3曲目の「Smash」はイントロと本編が全然違いますね。

ライヴでやることを考えて、その場面を切り返していくところに置きたいなと思って、ああいうアレンジにしました。タイトルは"SMASH"(※"FUJI ROCK FESTIVAL"を主催する会社)の日高(正博/"SMASH"の代表取締役社長)さんに捧げる気持ちでやったんですけど(笑)。

-冷牟田さんにとって日高さんはどんな存在ですか?

東京に出てきて間もないころにBLUE TONICってバンドをやっていたんですが、そのときのマネージャーが石飛(智紹)さんって"SMASH"の人で。しょっちゅう麻布の"SMASH"に行って、そのままそこでソファで寝て泊まったりして、ずいぶん前からお世話になっていて。"フジロック(FUJI ROCK FESTIVAL)"の初年度(1997年)は大雨でこけてしまって大失敗だった、なのに次の年もまたやるっていう表明を見たときに、これは絶対にやりたいと思って。開催の2ヶ月ぐらい前ですかね、もうラインナップが発表されていて、そのとき僕、交通事故に遭って入院してたんですけど、病院出てすぐ日高さんのところ行って、"やらしてください"って言って。さすがに"もう全部決まってるよ"って言われて、"でもスケジュールは空けときますので"って、僕が勝手に独走したんです。そしたらひと枠空いたんですよ。それで第2回に出ました。ミッシェル(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)がいてブランキー(BLANKEY JET CITY)がいて、Costello(Elvis Costello)もいて、IGGY POPもいて。そうそうたる面子のなかでやれたんです。まぁそういうことがありますし、スカパラの初期も同じように、FISHBONEが来日するとき、前座をやらせてもらいたいってお願いしに行きましたし、要所要所で常にお願いしに行ってる感じですね。親父世代の典型的な九州気質というか、そういうものを感じてすごく惹かれるんです。

-九州といえば「黒田節」ですが。陣内さんを迎えた「SKA黒田節 / MORE THE MAN feat.陣内孝則」がリリースされますね。

リリースが本当に楽しみです。6月から陣内さんとやりとりさせていただき、アレンジを詰めていったので素晴らしい出来になりました。福岡アンセム曲を陣内さんとご一緒できて幸せです。早速福岡を中心に幅広い世代で話題沸騰中で、改めて陣内さんの影響力のすごさも実感しています。

-この曲は九州の同胞に向けた感じも?

今、福岡で"ミュージックマンス"が展開されてまして、"Sunset Live"(※福岡県糸島市で毎年開催される音楽フェス)も含んだ動きで、毎週末どこかしらでイベントが開催されているんですね。そこで"ミュージックマンス"を総括するテーマ曲として、「黒田節」をSKAで陣内さんを迎えてやるのはどうかと提案がありました。いざやってみるとどういう設定にするのかすごく悩みましたが、陣内さんのアドバイスもあり、僕らが本当に影響を受けた80年代時代を席巻した"めんたいビート"のようなビート感がいいんじゃないかな? と思いつき、そうしました。九州人じゃない 世界中のみなさんにもぜひ聴いてみてほしい自信作です。

-"酒は飲め飲め 飲むならば"って、「黒田節」の歌詞は子供心にもわかりやすかった記憶があります(笑)。

はい(笑)。まぁ、結婚式だとだいたい親戚のおじさんが歌うような曲ですよね。で、うわーっと飲む、そういう思い出がありますけど。

-(笑)今、福岡の若いバンドも面白いですよね。シーンがわりと小さいし、東京行くよりアジアの方が近いから韓国や中国でツアーをするバンドもいるし。

そうですね。そういうことを狙ってるみたいです。東京で定期的に、県人会的な"福岡会"ってものが行われていて、僕も参加してるんですけど、行くと今どんな感じかとかいろんな情報が入ってきて。今、非常に活力があるのかなと、面白いことが起きそうな気がします。

-福岡拠点の人も、出身のバンドも増えてきたし。

最近はAttractionsっていうバンドがいいなと思ってます。


"BIG UP!" を使って、世代の枠を取っ払って聴いてもらえたら


-陣内さんが参加した「KURODA-BUSHI」を"BIG UP!"で配信する予定とのことですが、"BIG UP!"というサービスを使って配信することになったきっかけはなんだったんですか?

スカパラ時代に非常にお世話になってる方と定期的に会っていて、いろいろアドバイスを貰っていて。その中に今回のお話もあって、それはぜひやりたいなと思い、こちらからお願いしました。

-どういうところがこのサービスのいいところだと思われましたか?

ライヴだとどうしても、僕らを昔から見てた世代の人が多かったりするんですけど、そういうところを取っ払って聴いてもらえるチャンスがあるんじゃないかなと思いました。"BIG UP!"はホームページが作れたりもしますし、素晴らしいシステムですよね。そこは十分に使わせてもらおうと思ってるんですけど、僕自身まだ試行錯誤中なので。正解はわかりませんが、なるべく若い世代にも届けて、活動としても組んでやっていきたいと思っていますね。

-"BIG UP!"には若いバンドもいっぱい登録していますが、今の時代のアーティストが世の中に出て行こうとするときにどういう方法があるか、アドバイスをいただければ。

アドバイスできるほどノウハウがないと思うんですけど、まぁ、本当にやりたいことをそのままストレートにやり続けるってことが一番かなと思います。例えば、"これをこうやれば受ける"ってところは多少は必要なんですけど、基本はやりたいことをちゃんとやるっていう、そこが一番大事で、それをやり続けていかない限りはいろんな意味で難しいのかなと思います。