Japanese
BIG UP! HOW TO【楽器店編】
【実際に売り場に出て説明を受ける】
●スマホ用のオーディオ・インターフェースについて
湯村:スマホで使えるインターフェースは、スマホに接続するだけでレコーディングできる環境が手に入ります。このなかだと4,000円でお釣りがくるくらいのものが一番安いです。そんなに本格的ではないですけど、自分の音を録りたいというときにおすすめですね。リハスタでみんなの演奏を録るときには、外付けのスマホ専用マイクを使うといいです。これをスマホに繋いで置いておくと、演奏が手軽に高音質で録音できます。今までマイクを使用せずにスマホ単体で録音していたというバンドマンなら、専用マイクを使うだけで劇的に良くなりますので、こういうアイテムもおすすめですね。
●パソコン用のオーディオ・インターフェースについて
湯村:パソコンを使うメリットは、まず編集がしやすいということと、なによりプロとまったく同じソフトが使えることです。昔はアーティストとアマチュアは全然違う機材を使っていましたけど、今はソフトにおいては、数万円出せば完全に同じものを使うことができるんです。インターフェースの値段は様々ですが、音質の良し悪しを決める部分ですのでこだわりたいところです。本格的に録音をしようと思う方はパソコンを使って録音をやってみるといいかと思いますね。金額的にはちょっと奮発しないとですけど、アーティストと同じ環境を揃えるのも夢ではない時代になっています。
野崎:機種によってそれぞれどんな違いがあるんですか?
湯村:音質は値段相応みたいなところがあるんですけど、同じモデルのシリーズでも値段が1万円~3万円までラインナップがあるのは、同時に入力して録音できるチャンネル数が違うんです。一番シンプルなものだとマイク1本とギター1本だけになってくるんですけど、例えばひとつ上のモデルだとマイク2本を入力できたり、さらに上のモデルはドラムを録りたくなったらマイクが4本入力できたりとか。選ぶ決め手は"チャンネル数と音質"のふたつですね。自分がどんなレコーディングをしたいかをイメージして、それに合ったモデルを選ぶといいと思います。
野崎:"MASSIVE"(※ソフトシンセ)を使うためにはどうすればいいんですか?
湯村:"MASSIVE"は、"KOMPLETE"(※ソフトシンセ)にパッケージにされているので、これを買ってインストールすれば"Cubase"(※野崎使用DTMソフト)のプラグインのところに"MASSIVE"が増えていきます。このソフトも、世界の名だたるプロデューサーや作曲家が使っているソフトだけど、ギリギリ買えなくもない値段で手に入るというのが、パソコンのメリットですね。憧れの楽器は高いけどソフトはそこそこ安いですからね。
●ヴォーカル・マイクについて
桑山:どのマイクがおすすめですか?
湯村:必ずそれは聞かれるんですけど、マイクは"これがあれば絶対大丈夫"というのは存在しないんです。というのも、ヴォーカリストが歌って歌を届けるときに音を決めるのはマイクだけじゃなくてスピーカーがどういう特性を持っているのかということもありますし、歌う場所によっても違います。なので、会場によってマイクを変えるのが本当の考え方なんです。なので、本来は何本か持っていて使い分けるのがいいんですけど、初めからそうもいかないので、最初の1本は自分の声に合わせて気に入ったものを選ぶといいでしょう。もし2本目を選ぶときはキャラクターの全然違うものを持つといいですし、長い目で見て何本か持つ中の最初の1本をまず選ぶという考え方が良いと思います。初めてのマイクを選ぶ際、結構みんな真面目な方が多いので、"たった一度きりの人生のパートナー選び"みたいな感じでずーっと真剣に悩まれるんですけど、2本買っても3本買ってもいいって考えると少し気楽に選べると思うので、あんまり気負いすぎないで最初の1本を選ぶのがコツですね。
桑山:私、結構声がキンキンするんですけど、そういう人向けのマイクってありますか?
湯村:マイクにもキャラクターがいろいろあるんです。世界で一番有名なマイクが、"SHURE SM58"、通称"ゴッパー"です。これはリハスタにもライヴハウスにも絶対あります。でもこれが世界で一番いいかというとそうでもなくて、上位モデルもあります。多くの場合、上位モデルの方がより高音を拾ってくれます。なので、印象的にはよりクリアになるケースが多いです。ただ、声のマッチング以外も大切で、自分は高音がすごくクリアに出せるから目立たせたいっていう場合でも、逆にその会場がもともとすごく高音が響く場所だったらオーバーになってしまう可能性もあるんです。そうすると、それほど高音が目立たないマイクの方がいいときもあるんです。なので、結局複数のマイクを使うことになるんですけど、まず自分で最初の1本を買うなら、高音を目立たせたい人には"BETA58A"っていうモデルを持っておくことがオススメです。すごく高音域がきれいに聴こえるマイクなんです。もし会場でもっと太い音が欲しいときは、だいたい現場に置いてある"SM58"を使うというように、マイクを1本買っておくことで、現場にもともと置いてあるマイクと使い分けできるようになるんです。メーカーを変えるのもいいと思います。例えば、"オーディオテクニカ"というメーカーのマイクは比較的太い音質を得意としてますし、"ゼンハイザー"というブランドは中間くらいの感じです。なので、マイクは違うブランドのものをいくつか持つことを目指すといいと思います。実際、楽器店で試してみることもできますよ。
●キーボードについて
桑山:キーボードはどんなものがおすすめですか?
湯村:キーボードのおすすめとしては、シンセサイザーで低価格帯のものがライヴに特化しているので軽いんです。リュックみたいに背負えるケースも出ているので、持ち運びも楽です。
桑山:今使ってるのはこれ(Roland JUNO-DS)なんですけど、これにプラスしてシンセ専門みたいなキーボードがあった方がいいですか?
湯村:見映え的には絶対その方がいいですよね。2段であることが大事なので(笑)。
桑山:あはははは! 2段カッコいいですよね。
湯村:2段目によく置くのが、電子音しか出ない専門的なキーボードですね。メインのキーボードにも電子音が全部入ってるんですが、あえて2段にするのは、演奏しながら音を変化させたりすることがし易いからなんです。メインのキーボードは弾くだけになりがちですけど、2段目はいろんな音色変化を使って魅せるというパフォーマンス向きの、ちょっと個性的なキーボードがおすすめです。
桑山:キーボード・ヴォーカルで2段のキーボードを使っている人っていますか?
湯村:う~ん、あんまり見ないですけど、逆にアツいんじゃないですかね(笑)。
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