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INTERVIEW

Japanese

BIG UP! HOW TO【スタジオ編】

 

BIG UP! HOW TO【スタジオ編】

stella:桑山 玲奈(Vo/Key) 谷崎 有香(Gt) 野崎 菜央(Ba) 水澤: 恵(Dr)
サウンドスタジオノア 秋葉原店:室井 規亨(店長)
取材/構成:岡本 貴之 Photo by 上溝恭香

【桑山玲奈 キーボードのセッティング】

●キーボード本体から、DI(ダイレクト・ボックス)を経由してL-Rで出力するため、ケーブルを繋ぐ。

桑山:DIってどうして必要なんですか?

室井:キーボードから出力される信号は"アンバランス信号/ハイ・インピーダンス"といって、ノイズに弱い性質なうえに録音機器に接続しても音質が劣化してしまう信号なんです。なので、録音機器に入力するうえでは"バランス信号/ロー・インピーダンス"に変えてあげないといけないんです。そこで、DIを使って、"バランス信号/ロー・インピーダンス"に変換して信号を安定させるために使うんです。

●キーボードのL-Rから伸びたケーブルをオーディオ・インターフェースに繋いで、キーボードのセッティングはできた。その後、自分の音をヘッドフォンでモニターするための"キュー・ボックス"を立てて完了。

室井:キュー・ボックスは、レコーディングの際にプレイヤーが自分が欲しい音を上げたりして調整するための機材です。実際に録音される音ではなく、あくまでも演奏する際にモニターするためのものになります。

桑山:レコーディングは一発録りとパートごとに録るのとどちらが多いんですか?

室井:圧倒的にパートごとに録る方が多いです。というのも、部屋の規模もあってドラムのマイクがギターやベースを拾ってしまうんですね。その点、キーボードはヘッドフォンからしか音が出ないので、ドラムとキーボードは一緒に録れるんです。

●ということで、まずはドラムの水澤とキーボードの桑山が一緒に演奏してレコーディング。



【野崎菜央 ベースのセッティング】

室井:ベースはDIを通してラインで繋げて録る音と、アンプの前にマイクを立てて録る音をミックスして録音します。マイクは低音を拾いやすい"AKG D112"を使います。

野崎:マイクはどのあたりに立てればいいですか?

室井:このベース・アンプ、"Ampeg SVT-3PRO"(アンプ・ヘッド)と"SVT-810E"(キャビネット)は8発スピーカーがあるので、本当は好きな音を探してそこにマイクを向ければいいんですけど、キャビネットの中を覗いてスピーカーのコーンのちょっと外側あたりを狙ってマイキングをするといいと思います。

野崎:ラインで録った音とマイクで録った音にはどんな違いがありますか。

室井:マイクで録る音はアンプでの音作りも含まれてきますし、スピーカーの違いによっても音が変わってきますけど、ラインだとDIの時点で音が決まるので、そこで一番差が出ます。ライヴハウスでも一般的にはラインとマイキングで音を出すというのが鉄板の方法なんですけど、アンプで作った音とラインで録った音をミックスすることで音の幅が広がる、というのがスタンダードになっている理由なんじゃないかと思います。

野崎:モニターに返ってくる音はどうなってるんですか?

室井:モニターにも両方の音が返ってきますよ。

野崎:それは、エンジニアさんが調節してくれたバランスで返ってくるんでしょうか。

室井:そうです。キュー・ボックスでいろんな調整ができるので、演奏するときに自分の感覚でやりやすい音をモニターしながら演奏することができます。

●チャンネル10番にライン、11番にマイクのケーブルを繋ぎ、キュー・ボックスをセッティングして準備完了。 野崎がベースをレコーディング。