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INTERVIEW

Japanese

"革命ロジック2023"座談会

2023年05月号掲載

"革命ロジック2023"座談会

下北沢LIVEHOLIC店長:石田 大実
ONIGAWARA:竹内 サティフォ(Vo/Gt/Prog)
セカンドバッカー:いへう子(Gt/Vo)
ぼっちぼろまる
群咲:ラムシーニ(Music/Pf)
和田たけあき
Interviewer:山口 哲生

-(笑)今日の座談会に参加されている方々は、リアル・ライヴをやりつつも、ネット発やオンラインでの活動に力を入れている方が多くて。そういうアーティストにも出演していただきたかったと。

石田:やっぱり今はSNSが発達しまくっているので、そういったアーティストの方々にも出ていただいて、また違う層のお客さんに来ていただくこともそうですし、SNS界隈のアーティストの方たちは、バンド界隈のお客さんとそこまで触れ合ったりすることもないと思うんですよ。そこがうまく交ざればいいなと考えてました。

-いへう子さんはまさにSNS発なわけですけど、もともとは音楽をやりたいなとか、いろいろ考えてはいたんですか?

いへう子:そうですね。音楽が好きだったんですけど、音楽だけで生活していくことってめちゃくちゃ難しいんだろうなと思って。それで何かできることがないかなと思ったときに、もともとTwitterに動画をあげていたし、動画が結構好きだったんです。それでTikTokとかYouTubeとかを始めたんですけど、そしたらなんか伸びて(笑)。

一同:ははははは(笑)。

ぼっちぼろまる:天才じゃん(笑)!

石田:まさみ君とはどう出会ったんですか? ふたりともTikTokerで、どうやって出会ったのか気になってて。

いへう子:ベースはサポートなんですけど、誰かドラムいないかなってなったときに、まさみ君しかいないなと思って。僕、動画に対しての考え方があるんです。今の動画って、10あるものをそのままやって、3とかの結果が出るものばかりで。でも、そうではなくて10の中からいいところを3だけ抜き取って、そこに自分を7つけ足して、結果10以上のものが出たとか、3しか出なかったかとか、そういうのをとにかく繰り返すことが絶対に大切だと思うんですけど、そういうのができるクリエイターって今全然いないんですよ。それがまさみ君で。ドラムもやっているし、動画も尊敬できるものが多いし、こいつしかいないなと。

和田:じゃあ、出会いとしてはインターネット?

いへう子:そうです。僕が"気になってる!"って声を掛けて、ふたりで熱く語りました。

石田:どこで知り合ったのか謎だったんですよね。

いへう子:呼び出しました。

石田:ヤンキーみたい(笑)。

-(笑)でも、すぐに動いてくれたんですね。

いへう子:すぐに来てくれましたね。

ぼっちぼろまる:フッ軽だ。やっぱり動画って本当に奥が深いですよね。普通の人がパっと観ると"面白いな"ぐらいですけど、作っている側的には相当考えてますよ。

-30秒のを撮るためにどれぐらいの時間を使います?

ぼっちぼろまる:僕はサラっと撮るやつもありますけど、5~6時間かける人もいますよね?

いへう子:かかりますね(苦笑)。ものによるんですけど、細かいカットのやつとか、コマ撮りで撮らないといけないやつとかは、15秒とか30秒の動画で8時間ぐらいはかかります。

ぼっちぼろまる:この前、自分のキーホルダーを紹介する動画を撮ってたんですけど、ショート動画によく出てくる、ものがポトッ、ポトッって落ちてくるやつあるじゃないですか。あれが全然うまく落ちなくて。100回ぐらいやり直して、やっと1個できて、それで0.5秒とか(笑)。みんなこれをやってるの大変だよねぇ......って。めちゃくちゃどうでもいいカットだったんですけどね(笑)。なかなかうまくいかなくて。

-和田さんはボカロPとしても活動されていて、もともとはニコニコ動画がスタートだったと思うんですけど、TikTokとか別のサービスを見ると、同じインターネットでも自分のときとはもう別のものになっている感じはあります?

和田:そこはさすがにそうですね。TikTokに限らずYouTubeもそうですけど、顔出しが当たり前になっている時点でまず全然違いますし。正直、TikTokはあまり詳しくないんですけど、ぼろまるがYouTubeショートにあげてるのって、TikTokと一緒ってことだよね?

ぼっちぼろまる:どっちもあげてます。

和田:だから、曲をあげるときもワンコーラスじゃないんだ? とか。Aメロだけ、Bメロだけ、サビだけみたいな感じになってきてるんだなぁと思うと、正直"いや、ワンコーラスぐらいはあれよ"みたいな気持ちもありつつ(笑)。

-うんうん(笑)。

和田:でも、自分もInstagramのリールをよく観るんですけど、演奏バカテク系の人とかのやつを観ていると、10秒でも素晴らしさが伝わってくるんですよね。自分もそれを楽しんでいるぶん、"ワンコーラスぐらいはあれよ"みたいな気持ちは、ちょっと甘えに感じてきたりもして。変に迎合する必要はないとは思いつつも、短時間の勝負も面白そうだなっていうのを最近感じてきてはいます。

-サティフォさんはそういうことを考えたりします?

竹内:本当に申し訳ないんですけど、そういうのにめちゃくちゃ疎くて。そもそもSNSがすごく苦手で、普段から写真とかを撮るのも全然しないんですよ。飲みに行ったり、どこかに出かけたりしたときに撮って、(SNSに)あげたりする人いるじゃないですか。僕、"フジロック(FUJI ROCK FESTIVAL)"に行っても1枚ぐらいしか撮ってなくて。

一同:えーっ(笑)!

ぼっちぼろまる:逆に何を撮ったんですか(笑)?

竹内:それも一応撮っておこうかなっていうぐらいのやつ。たぶん、今日のこの中では、僕が一番バンドで全国を回っている感じだとは思うんですけど、毎日動画を編集して、それをアップして......というのは、本当にシンプルにすごいなと感じますね。自分は歌詞を書いてメロディを書いて、曲を作ることぐらいしか特技がなくて、みなさんが毎日8時間とか動画の編集をしている時間、僕はお酒を飲みに行っているので(笑)。

石田:8時間飲んでる(笑)。

竹内:そう、8時間飲んでる。でも、僕はそこで人と話したことを消化して歌詞にしたりするので。僕にはそれが向いているし、動画を作る人は動画を作る人で、僕はそういう人にお金を払って頼むって感じですね。最近は全部自分でやられる方が若い子に多いですけど、それは真似できないというか、今から真似しても追いつかないし、逆に歳を取ったからできるものも強みとしてあると思うので。そっちはそっち、こっちはこっちみたいな感じで、すごいなぁと思いつつ、僕も真似しようかなっていう感じではなく、尊敬して見ている感じです。

-なるほど。

竹内:それこそボカロが出てきたときもそうでしたけど、やっぱり時代の移り変わりがあって。僕らが世に出てきたときは、青春パンクとかメロディックの人たちがバッと行って、そこからギター・ロックとかのムーヴメントがあって、そこにボカロもあって、今はTikTokもある。時代の流れを掴むのが上手な人たちがこれからも出てくると思うんですけど、出てくるたびに、僕も頑張ってみようかなとは思うんですよ。TikTokも一応アカウント作ったけど、どうやっていいのかわからないし(笑)、観ていて作りもうまいし、サムネとかもすごく上手じゃないですか。観たいなって思わせるものにちゃんとなっていて。そこは勉強しなきゃいけないな......とは思いつつ! っていう(笑)。

一同:ははははは(笑)。

竹内:挑戦する気持ちは折れないようにしてるけど、すごいなぁって思います。

和田:でも、僕も年齢的に近いので、その気持ちめちゃめちゃわかります。

-ラムシーニさんは......。

ラムシーニ:いやぁ、いい話だなぁって思いましたよ。

一同:ははははは(笑)。

石田:ずるいなぁ(笑)。

和田:この面白さ、誌面で伝わらないやつだ(笑)。

ラムシーニ:いや、みなさんいろいろ考えてらっしゃるなぁと思って。僕だけちゃうなぁと思って若干恥ずかしくなってきたんですよ。

-なぜです?

ラムシーニ:僕、ここまで"コバンザメ方式"で残ってきたんですよ。まず、アニメのところにくっつく。そこで認知される。次にシンガー・ソングライターの子に曲を提供して、そっちの人気に食いつく。そうやっていろんな養分を吸い取って、ここまでのぼっていったタイプで。みなさんは自分の実力でのぼってきたわけじゃないですか。

和田:いや、ボカロもそういう感じですよ?

ラムシーニ:いやいやいやいや! ボカロPもいっぱいおるじゃないですか。海の幸から山の幸まで。

和田:僕、"くらげP"って名前でした(笑)。

ラムシーニ:海の幸ですよ。その中には"この魚、食べれるんかなぁ......"とか"これ毒キノコちゃうか?"とかあるじゃないですか。みんなは自分ですくすくと育ってきたけど、僕は海の幸も山の幸も"これおいしそうやん"って食べながら育ってきたので。

竹内:いやいやいやいや。

和田:そんなもんですって。

ラムシーニ:でも......そんなもんじゃないです。

-どっちですか(笑)?

ラムシーニ:いや、みなさまもすくすくと育っていったので、今からでもやってみようかなと思って。じゃあこれを最初にどこで育てようかなと思ったときに、やっぱり"革命ロジック"かなと!

石田:ははははは(笑)。

ラムシーニ:と、思いました。ありがとうございました。

-ラムシーニさんとしては作家活動もされているわけで、その大変さもあるじゃないですか。

ラムシーニ:いや、そこはさっきも言いましたけど、なんも考えてないんで。

和田:いやいや、人には人の地獄がありますから。

ラムシーニ:そうそうそう。ありますよね。僕の地獄は、朝起きたときに"今日体調悪いかも"、"今日は体調悪くないかも"っていう寝起きガチャ。寝たら回復すると思うけど、逆に悪化するときあるじゃないですか。パっと目が覚めたときに、"SSR(スペシャルスーパーレア)"! って出るときあるんですよ。"R(レア)"のときもあるけど。僕、横に抱き枕置いてるんですけど、だいたいその位置で決まるんですよね。寝返り打てないときに"R"になるんです。今日はこれだけ覚えて帰ってもらえれば。

ぼっちぼろまる:ははははは(笑)!

竹内:なんの話(笑)?

ラムシーニ:いや、音楽活動っていろいろあるじゃないですか。けど、結局体調が良ければできるっていう話ですよ。

竹内:あぁ。大事、大事。

ラムシーニ:だからみなさん体調がよろしいですよ。TikTokで8時間編集するのも、体調悪かったら30秒で終わりです。健康だからこそ、キーホルダー落とす動画も100回ぐらいやり直せるんですよ。だからこそ健康じゃないと。

石田:すべては健康が大事なんですね。