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INTERVIEW

Japanese

"恋せよ男子2024"

2024年01月号掲載

"恋せよ男子2024"

EMANON:英里沙(Vo)
門脇更紗
Finally:Juri
Bray me:こたに(Vo/Gt)
優利香
Interviewer:石田 大実(下北沢LIVEHOLIC店長) Photographer:8co

-アイドルさんはめちゃめちゃライヴが多いからよく会うってことですが、バンドだとどれくらいになります?

こたに:リリースとかレコーディングで忙しいときはマジで毎日一緒にいたり、時期によるってのもあるけど、それでも平均1週間に3~4回は会ってんじゃないかな。うちらは移動も全部自分たちの車をみんなで運転して地方に行ったりしてるから、そう考えると本当に家族とかよりも一緒にいるかな。

門脇:ひとりだから寂しい......。

優利香:サーキットヤバいな(笑)。

門脇:サーキットとか、バンドの人たちと対バンするときとか、アウェイ。

優利香:携帯ずっと触ってる。話し掛けるに話し掛けられないし、そっちはそっちで大人数とか団体で、仕事の話してるから.......。

Juri:逆に本当に尊敬します、ひとりで活動できてることがすごいなって思いますね。

-孤独だなとか寂しいなとか感じます?

門脇優利香:いや、感じないかも(笑)。

優利香:サーキットのときの楽屋とかは(感じる)。

こたに:(他に)人がいたりするとってことだよね。

優利香:シンガー・ソングライターばっかりだったら、逆にみんなひとりだから仲良くなって喋れるけど、バンドとかグループばっかりだったらぼっち.......。

-たしかにバンドで(固まっている感じが)強いですもんね。入り込むのはなかなか。

こたに:でも音楽やってる人はみんなぼっちじゃない?

英里沙:めっちゃかっこいい。

こたに:輪に入れないから音楽に行くっていう。

-ロック・バンドはチーム感がどんどん強くなってきますよね、対バンしていくと。

こたに:あと友達ができていくと。まぁでも、みんなそれを選んでやってるからみんな孤独だし、それぞれでいいじゃん、みたいなのは思ってる。

-Bray meが一番この中で男性アーティストとゴリゴリにやってますもんね。

こたに:打ち上げもどんな感じ? それも聞きたかった。

Juri:そう、それもないんですよ、アイドルは。(ライヴを)やってバイバイって感じです。なので、バンドさんみたいに仲良くなるのはすごい遅いと思います。

優利香:アイドル同士が喋るタイミングは?

Juri:全然ないです。(出番が)一番最後だったり、並行(物販)のときもあります。めちゃくちゃガンガンライヴをやってるなかで、隣のスペースのあるところで物販や特典会をすることを並行って言うんですけど。

優利香:めちゃくちゃお客さんの多いアイドルさんが自分の演奏中に物販に移動したら、そのお客さんも一気に移動しちゃうってこと?

Juri:とかもあります。ちょっと変わってますね、シビアですよね。バンドさんってそこ温かいじゃないですか、後ろで他の演者さんも全員ノッてるみたいな。アイドルは自分たちの応援している人たちが終わったらすぐ出ていくっていうイベントもあったりします。ツーマン、3マンになるともちろん温かくなるけど、多くなればそのぶんお客さんも疲れてきちゃったりするので、そうすると出ちゃったりしますね。

-さっきの話に戻ると、2部制、3部制だとそのままお客さんも次の会場に一緒についていく、ということがあるみたいですけど。

Juri:そうなんですよ。そういうのもあったり、バンドさんとかと対バンすると最後にちょっと挨拶と打ち上げみたいなのがあったりするんですけど、アイドルはそれがないので自分たちから気になったメンバーさんに話し掛けない限りは、仲良くなるタイミングが本当になくて。

-みなさん結構(他のグループの)メンバーさんと写真とか撮られてるイメージがありましたけど、自分から率先スタイルだったんですね。

Juri:自分たちからですね。私もこの前楽屋で"写真撮ってもらっていいですか?"って話し掛けて。本当に自分から行かないと、なかなかないです。

英里沙:イベントの前の顔合わせとかもないです。

Juri:そうそう。自分たちで調べて、"今日このグループさんいるんだ"って。あとは"ここはちょっとキラキラ系、ここはロック系"とかも自分たちで調べます。

英里沙:自分たちの主催とかじゃない限りは他人事みたいな。みんなほんとに自分の出番にだけ来て、終わったら帰ってって感じですね。

-アイドルさんは仲良くなれる空間が結構少なめの界隈なんですね。

英里沙:並行物販が当たり前だと、話し掛けようって思ってたのに帰っちゃってたり、会えないことが。

Juri:そうなんです。バンドさんのイベントに出させてもらったときは、なんかすごく"音楽やってる"って感じでした。みんなで感じてるみたいな。あの雰囲気がすごい好きです。

-シンガーさんとかの打ち上げはどういう感じになります?

優利香:シンガー・ソングライターもあんまりないかな。あったとしてもライヴハウスの中打ち上げで1杯だけ乾杯して、もう終電になるから。

門脇:終わるのが終電近くだったりするから、1杯飲んで帰る。

Juri:一応顔合わせだけはできるようになってるんですね。

優利香:仲良くはなれます、1回対バンしただけで。

英里沙:みんな1対1同士で?

優利香:みんなそれぞれいろんなとこで好きに喋ってるので、結構深くちゃんと話せますね。どうやってやってるとか、情報共有みたいな。

-ここで来るのがバンドですよね。打ち上げはどんな感じですか?

こたに:都内だとあんまないかもしれないけど、地方行くと私の好きな箱打ちっていうのがあるんです。ライヴハウスでご飯を作ってくれて、それをみんなで食べるみたいな。飲み放題とご飯でいくらって感じで。飲み放題の時間もあるんだけど、たいていそれは朝まで。

Juri:朝まで!? 途中で帰っちゃってもいいんですか?

こたに:そう。最後までいる人はいるし、途中で帰っちゃってもいいし。盛り上がったら最後までいればいいし。

英里沙:場所変わるとかないんですか?

こたに:そのあとに2軒目、3軒目っていうのもある。場所によっては居酒屋行ったりとか。でも地方の箱打ちがあって、温かいご飯が出るっていうのは、いつもいいなって思う。そこならでは。

Juri:素敵ですね。箱の方が作るんですか?

こたに:そうそう、すごいよ。(高田馬場CLUB)PHASEは東京だけどそこのスタッフが毎回作ってくれて、すごい量と品がある。おにぎりも、普通に炊飯器とかお鍋で作ってたり。

Juri:楽しそう!

英里沙:それって誰が企画するんですか?

こたに:打ち上げやる/やらないみたいな、どうするかもバンドとかが主催だったら一緒に決められるし、そのライヴハウスが主催だったらみんなで話し合いながら決めていく感じかな。

英里沙:その時点で温かい。みんなで作ってるみたいな。

こたに:それはたしかにあるかもね。打ち上げの時間が用意されてるとか、顔合わせがあるとかっていうのは。たぶん、アイドルさんとかのほうが理にはかなってるなとは思う。逆にバンドはそういう時間を設けられてるから、うちらは全然そんなことないけど、"仲良くならなきゃいけない"とかあるかも。いろいろ聞いて、そこがすごい差があって面白いなと思った。リハ終わって顔合わせがあって、そこで"こういうイベントやります、出てくれてありがとうございます、今日出る人たちです"ってひとりひとり紹介して、"よろしくお願いします"でイベントが始まる。"みんなでいい1日にしましょう"みたいなノリがあるんですよね。あるけど、どっちでもいいかなと思ってる。

-"一緒に"とか苦手な人も中にはいますから。だからそこで大変なところはありそうだけど、1日を作るっていうのは結構チーム感が強いですよね。

英里沙:それもあるんで、イベントのファンも多いなって思います。バンド界隈の対バンだと、各アーティストのファンはもちろんなんですけど、そのイベントのファンも多いなって。アイドルはやっぱり"このグループが好きだから行く"みたいな。"このアイドル・イベントが好き"っていう理由も出演者が豪華だからとか、自分が行ってるグループがいっぱい出演してるからとかで、イベント自体のファンじゃないんですよね。バンドとかシンガー・ソングライターさんとか、そういうアイドルと全然違う畑の人たちの対バンは、本当にイベント自体が温かい。

こたに:たしかに。この人が主催してるから、そのライヴハウスが好きだから行くみたいな。

英里沙:"なんでそこのライヴハウスのTシャツ着てんの?"っていう人とかいますよね。アイドルはそういうのがないです。

-やっぱりアイドルのほうが詳しいですね。

英里沙:知りたい側で来ました。学びに来てます。

こたに:地方とか行くとそういう人めっちゃいるかも。コロナのときは特に、ライヴハウスを応援したいみたいな、地元の音楽とかライヴハウスが好きな人が助けてくれてたと思うし。若い子とか地方の子たち、地元バンドとかって見てもらう機会がないと思うから、そういうライヴハウスに出入りしてくれる人たちがいいよって言ってくれて、そこから交流が生まれたりする感じがあります。

-今自分が違う活動をするってなったら、何がしたいとかあります? これやったことないけど、今聞いてみてやってみたいと思ったり、同じジャンルじゃなくても、今いる人たちとここでやってみたいとか。

こたに:それこそ今話を聞いて、シンガー・ソングライターやアイドルさんは同じ音楽でも違う世界すぎて、普通にやりたいですね。

Juri:やりたい!

門脇:ひとりで弾き語りライヴとかやらないんですか?

こたに:やるけど、もうバンドでやってる曲をやるから、あんまりひとり感はないかも。バンドがありきでってところがありますね。

優利香:ガールズ・バンドとかアイドルも楽しそう。"チームで頑張るぞ、えいえいおー!"みたいな。イメージなんですけど、やりたい。

門脇:バンドはいいなって思います。高校生のときに軽音部に入るかどうか悩んで、並行してシンガー・ソングライターの活動をしていたので、そっちに集中したくて軽音部に入らなかったから、やっていても良かったかなとちょっと今後悔してます。ワンマンとかになるとバンド編成でやるんですけど、普段はひとりかピアノの方と2人編成でしかやらないから、ちゃんとバンドとしても活動してみたいなって思います。

英里沙:シンガー・ソングライターもめっちゃかっこいいですけどね。ひとりでその世界観とか作るわけじゃないですか。やりたいっていうか、できるようになりたいなって思いますね、ひとりでお客さんも集めてってところから。

Juri:お客さんの反応が良くなかったらどうしようとか、そういうのもひとりで受け止めるわけじゃないですか。

門脇:(笑)たしかに。"前の人寝てる!"とか。

Juri:"携帯触ってる!"とかひとりで受け止めるそのメンタルが......! メンバーがいると"寝とるやつおったな"って会話できるけど、ひとりだともう感情込めながら歌うことしかできないから、本当にすごいなって思います。

-たしかに、同じ立場として共有する相手がいないですよね。スタッフさんには言えても、対等な立場の仲間と共有するのはなかなか。

英里沙:"今日のライヴこうだったから、もっとああしようか"みたいなのが自分自身としかできないから、ほんとすごいと思います。

Juri:やってみたいなとは思うけど、できるのかな。壊れちゃいそう。すごい世界。

こたに:"ひとりでステージに立つ"ってすごい。

英里沙:簡単に"やってみたい"って言えない。できるようになりたい。

優利香:バンド編成でも結構やったりするんですけど、バンドはバンドでプレッシャーというか......。

門脇:そうなっちゃいます。メンバーじゃないから、どうしても"やっていただいている、サポートしていただいている"って感じにはなっちゃいますね。

優利香:ひとりのほうが気楽かも。MCもここでしないといけない、みたいなのがバンドだと決まってるじゃないですか。次にはすぐに曲入るとか、喋るところが決まってたりとかあるけど、ひとりだと喋りたいなと思ったタイミングで喋れるし、何かあったときすぐ歌うのをやめれる。弾きながらも喋れるし、自由にできるから楽。

門脇:絶対イヤモニからカウントがあったりとか、この間は自分だけで喋ってないととか。

英里沙:ないものねだりですね。

門脇:本当に。