Japanese
GANG PARADE × KEYTALK 座談会
GANG PARADE:ユメノユア キャン・GP・マイカ キラ・メイ ナルハワールド
KEYTALK:小野 武正(Gt/MC/Cho) 首藤 義勝(Vo/Ba) 寺中 友将(Vo/Gt) 八木 優樹(Dr/Cho)
Interviewer:宮﨑 大樹 Photographer:Kanda Yukiya
-KEYTALKメンバーは、MV撮影のときに後ろから実際のダンスを観ているんですよね。
寺中:これがめちゃくちゃいいんですよ。プロの振付師の方が作ったのかなと思って、KEYTALKにも振付のある曲が何曲かあるので"今度KEYTALKでもお願いしたいな"くらいに思っていたんです。なので、今度お願いします(笑)! それくらいすごくキャッチーですね。見よう見まねで踊れちゃうぐらいキャッチーで、踊りたくなるような振付でした。しかも、サビだけじゃなくていろんなセクションごとにフックになる振付があって、それがすごいなと思いましたね。八木さん、完成したら一緒に振りコピしましょう。
八木:します。ダンスって、真似できないカッコいいダンスと、真似したくなるカッコいいダンスがあるような気がするんですけど、彼女たちの振付は完全に後者なんですよね。
-それこそKEYTALKの「MONSTER DANCE」の振付も完全に後者ですよね。冒頭で武正さんも言っていましたけど、GANG PARADEとKEYTALKって、考え方や、大切にしていることなど、何かと共通点が多そうな気がしていて。今回の制作を通して、どんなところにシンパシーを感じましたか?
小野:何事にも前向きなところは共通しているのかなと思っていて。GANG PARADEさんには、デビュー当時からいろんな音楽へ果敢にチャレンジしている印象があるんですよ。KEYTALKも、インディーズからメジャーにかけてずっといろいろな活動をしているんですけど、ロック・バンドだけど振付を入れるとか、賛否両論あることをわりと攻めの姿勢でやってきていて。でもそこには"いろんなことをやるのが楽しいよね"みたいな、前向きなスタンスがあるんです。そういう根底が似ているということは、音楽だけ聴いたときも思っていたんですけど、実際にお会いして制作することでより実感したかもしれない。
ユア:そう思ってもらえていることが嬉しいです。自分たちのことを"前向きにやっています"とはなかなか言いにくいですけど、数回お会いしただけでもそう思ってもらえているのはすごく嬉しいですね。KEYTALKさんには、楽しいことを追求していらっしゃるイメージが前々からあったんですけど、一緒にコラボすることで "面白い"、"楽しい"が考えの上のほうにあるんだろうなというのを改めて感じました。それはギャンパレにも通じる部分だし、そういう先輩と一緒にできて良かったなと思います。
マイカ:ライヴでも"他の人たちがやっていないことをどんどんやっていきたい"みたいなことはメンバーでよく言っているので、そういうふうに思ってもらえたのも嬉しいです。
小野:GANG PARADEはコントもやるしね。次はKEYTALKのコント師 巨匠さんがコントを提供します。
マイカ:(笑)コントもコラボしたいですね。
-話は変わって、今回「パショギラ」というフェスで戦える武器になる曲が増えたわけですけど、フェスと言えばギャンパレは先日の"MEGAVEGAS(MEGAVEGAS 2024)"への出演がとてもいい刺激になったみたいですよね。KEYTALKはロック・フェスの常連ですけど、フェスならではの心得とか戦い方ってあったりするんですか?
首藤:そうですね。裏のケータリングのお寿司がすぐなくなるので、早めに食べることです。
寺中:それは大事。先輩が来ない時間を見計らって......(笑)。
一同:(笑)
首藤:まぁ、フェスは自分たちのことを知らない人が多かったり、そもそもステージがめっちゃデカかったりするので、なるべくオーバーリアクションというか、大きく派手な動きで遠くの人まで届くようにという気持ちでやっていますね。そこは自分らのワンマンとはちょっと違うと思うかもしれないです。
マイカ:"MEGAVEGAS"ではセットリストにめっちゃ悩んで、チーム総出で考えたんですよ。
メイ:ギャンパレは曲が150曲以上あるんです。メンバーとスタッフさんと話して、どれがロック好きな人に刺さるのかとか、全曲の中から考えました。
ユア:あのセットリストが正解だったなと思えるライヴはできたと思います。楽しかったし、あっという間でしたね。"私たちのことを知っている人なんてひとりもいないだろう"と思ってステージに立てたのも良かったかもしれないです。普段から初めての人に向ける気持ちでライヴはしているんですけど、やっぱり目に入るお客さんは知っている顔が半分ぐらいいるんですよね。でも"MEGAVEGAS"はステージも大きいし、本当に知らない人しかいないみたいな感覚を持ってライヴができました。このタイミングでそういう気持ちをもう1回思い出させてもらったのは、すごくいい経験になりましたね。
-さて、ここからはせっかくの座談会なので、お互いに聞いてみたいことをぜひ質問していただけたらと。
ユア:はい! 休みの日は何をしていますか?
小野:KEYTALKメンバーは休みの日に何をしているか、お互いに知らないんです――もしくは僕だけが知らない(笑)。
首藤:実は彼以外のLINEグループがあってね。
小野:おい!"KEYTALK(3)"のグループ作るな(笑)! 普段の休みというよりも、ちょっとした休みがあったら――旅行に行くようにしていて。キャンプとか旅行とか遠いところに行くのが好きです。
八木:ちょっとした休みがあったら――プロ野球が好きなので、観戦しに行ったり家で観たりですね。
寺中:ちょっとした休みがあったら――最近は家に居るのが好きで、映画を一生観ています。最近だと"ドラえもん"の新作("映画ドラえもん のび太と空の理想郷")がAmazon(Amazon Prime Video)で出ていて、あれは睡魔がいい感じにきて本当に面白いです。
-睡魔が来て面白い......(笑)。
寺中:俺、"ドラえもん"はその......最後まで観られないんです(笑)。好きでめっちゃ観るんだけど最後まで観られない。
一同:(笑)
首藤:僕はちょっとした休みがあったら――絶叫系が大好きなので、遠出できるときはバンジージャンプとか行きます。もともと絶叫系が大嫌いだったんだけど、急に克服できて。
メイ:たしかに怖いものとかって、急にパンっ! て好きになるといいますよね。
首藤:そうなんです、自分の中でそのパンっ! があって。
小野:いいな、俺もパンっ! したいな。
ユア:バンジージャンプに行ってYouTubeにあげてください(笑)。
八木:逆に休みの日って何してますか? というか休みってありますか?
ユア:ありますあります! じゃあ、ちょっとした休みがあったら――私はアニメを一気見します。家から出ません。
首藤:最近観ているアニメは?
ユア:最近かぁ......私は好きなアニメを一生観ちゃうんです。今も"ハイキュー!!"をもう1回見直していますし、"東京喰種トーキョーグール"とか"PSYCHO-PASS サイコパス"とかもずっと観ています。
ナルハ:ちょっとした休みがあったら――私もずっと家に引きこもっています。ドラマが好きで、録画していたドラマを一気に観ますね。
首藤:最近良かったドラマは?
ナルハ:最近良かったドラマは、ちょっと前にやっていたものなんですけど"ブラッシュアップライフ"ですね。あれが一番面白かったです。
マイカ:ちょっとした休みがあったら――予定を詰め込んでいます。友達に会ったり、犬を飼っているので一緒に出かけたりとかですね。
首藤:最近......楽しかった友達は?
マイカ:楽しかった友達(笑)!?
寺中:無視してもらって大丈夫です(笑)。
メイ:ちょっとした休みがあったら――寝られるだけ寝ます。夜から次の日の16時とか17時とかまで寝ていて、そうすると身体がバキバキになって動けないので、その日はもうそのままベッドで。何も用事がなかったら、トイレ以外でベッドから降りないんです。携帯を観てゴロゴロしているだけで。
首藤:......最近いつ寝ました?
小野:それは昨日だろ(笑)。
-(笑)他に聞いてみたいことはありますか?
マイカ:曲のアイディアが浮かぶのってどんなときですか?
小野:人によって違うよね。僕は作るモードになっていると浮かんでくるみたいな。逆に作らないってなっていると何も出てこないです。自分で作るスイッチを入れていると、歩いていても、トイレしていても、ご飯を食べていても、何かしらが刺激になって作れるんです。天才肌なんですよ、僕(笑)。
ユア:天才ですよ。「ミラージュ」で思いましたもん。
八木:僕も作ろうと思っているときにいっぱいできるんですけど、10個できたら1個しか良くない、みたいな。他はもう完成もしないただのアイディアなので、すごく時間がかかります。天才じゃないんで。
小野:天才の俺が今度教えてあげるよ。
八木:グギギギ......(笑)!
寺中:僕はトイレが多いですね。時間が長いので。
-時間が長い(笑)。
寺中:常に同時にふたつ以上のことをやりたくてですね。その時間を使っています。
メイ:......マルチタスク?
小野:マルチタスク(笑)。その通りだけど(笑)。閉鎖空間がいいってことね。
寺中:そうだね。天才じゃないので。
首藤:僕も全然天才とかじゃないんですけど、なんか降ってくるんですよね。
小野:天才やないかい(笑)!
首藤:全然天才とかじゃないですけど、なんか空から降ってきちゃうので、あとは手を差し出すだけですね。
一同:(笑)
-逆にギャンパレで歌詞や振付を考えるときは、どんな感じなんですか?
ユア:作詞は毎回テーマをいただくので、期限に追われながら焦燥感で作っています(笑)。13人いるので、1曲に対してコンペみたいな感じでみんながフルで歌詞を出すんです。たまにそれががっちゃんこになるときもあるし、そのままその子の書いた歌詞を使うこともあるんですよ。だから13パターン以上の歌詞の中から選んでもらうんです。そのときに選んでもらうのはさらっと書いたものが多くて。
メイ:うん。変にこねくり回したときは絶対に使われない。あとは曲によって相性とかもあるよね。
小野:そうそう。ソロのレコーディング中に歌詞を変えようとなったときのスピード感がすごかったんですよ。"この譜割だったらこれもこれもありますよ"くらいに、言葉が出てくるのが速くて、そこにビックリしたのを思い出しました。
首藤:それはたぶん天才なんだと思います。天才ってそういうものだから。
小野:なんなのその"天才を語る人"(笑)。
-(笑)今回のコラボレーションをきっかけに、今後この2組でやってみたいことってありますか?
ユア:やっぱり、ツーマン・ライヴ?
マイカ:うん。ツアーで!
寺中:ツアーはヤバいっすね。
小野:ツーマンは絶対にやりたいですね。共通のファンもいるっぽいので、喜んでくれる方も多いと思います。
-実際、今回のコラボが発表されたら"ツーマンやってほしい"の声は絶対に出ると思います。両者のライヴの空気感なんかも似ているところがあると思うので、間違いなくいいライヴになるだろうなと。
ユア:めちゃくちゃ相性いいと恐縮ながら思っていました。KEYTALKさんのライヴを観ていても思ったし、ファンのみなさんが踊ったり飛んだりしているのを見ていて、その感じはギャンパレが作っているライヴにちょっと似ているというか。
八木:それ、すごく思いました。ライヴ映像を拝見したときにお客さんの感じが僕らとすごく似ているなと思って。
ユア:私が観に行ったKEYTALKさんのライヴには老若男女みなさんいらっしゃっていたんですけど、私たちのお客さんも本当にいろんな方がいるので、そういうところも一緒だと思って。
小野:いいですね。コラボ曲ができちゃったということで、これはツーマン・ライヴ待ったなしですよ。年内にやりたいですね~!
マイカ:あとYouTubeチャンネルに呼んでほしい。体力勝負とか頭脳勝負とかしたい!
寺中:熱い!
KEYTALK一同:ぜひとも!
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GANG PARADEの現体制2作目のシングル。「CAN'T STOP」はそのタイトルどおり、シーンを立ち止まることなく走り続ける彼女たち自身を歌う歌でもあり、一方で、優しい歌詞とリラックスした歌声で聴き手にそっと寄り添うような1曲でもある。表題曲としては珍しいミドル・テンポの曲だが、そんな"らしくなさ"も、個性の塊のようなメンバーの歌声が入ることでしっかりとGANG PARADEのカラーに染め上げた。c/wの「RATE SHOW」は、危険な香り漂う街で夜遊びをするかのようなドキドキ感と高揚感を生む、まさかのミュージカル風ナンバーだ。セリフ調のパートや、癖の強い歌い方など、遊び心溢れるギミックもあり、そのエンタメ性の高さは"みんなの遊び場"をコンセプトとする彼女たちらしい。(宮﨑 大樹)
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新9人体制で初となるシングル。今作は大きな会場が似合いそうなスケール感のある楽曲が揃っている。表題曲はイントロから荘厳な鍵盤が響き、ストリングスを効果的に用いた美しくも躍動感に溢れた曲調。"ウォーウォーウォー!"という合唱ポイントもあり、ライヴでの一体感を高める強力ソングと言っていい。いばらの道を突き進みながら、高みを目指そうとするリアルな心情が綴られた歌詞も共感を誘う。特に"はみ出た分だけ 新たな続きが 溢れ出すの"というフレーズがドラマチックに響いた。新たな代表曲になりそうな名曲だ。c/wの「来了(読み:ライラ)」はヤママチミキが作詞を手掛け、中国風味のオリエンタルな歌詞とサウンドが特徴的。癖の強い歌い回しも中毒性が高く、こちらもライヴで抜群の威力を発揮しそう。(荒金 良介)
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2018年の幕開けを告げるニュー・シングルは、なんでも乗りこなすGANG PARADEの音楽的振れ幅を象徴する、熱さと遊び心を兼ね備えた内容に仕上がった。表題曲はギャンパレ初のツー・ビートを用いたパンキッシュなナンバーで、道を壊して未来に突き進むんだ! という想いと見事にシンクロした曲調。コール&レスポンスできるパートもあり、ライヴでは観客を巻き込んでシンガロングの嵐を巻き起こすアンセム曲になるだろう。楽曲と歌詞を照らし合わせることで、より一層エモーショナルに響いてくる。c/w「とろいくらうに食べたい」は表題曲とは対照的にクール且つダンサブルなサウンドが心地よい。歌詞と曲調とのギャップに心を奪われつつ、一度聴いたらヤミツキになる中毒性がある。濃厚なシングルだ。(荒金 良介)
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"ダンス"を追求し続けてきたKEYTALKが、改めて"ダンス"と向き合ったアルバム。1曲目の「ハコワレサマー」が八木優樹(Dr/Cho)の書いた曲であるように、誰がメインで誰がオルタナティヴではなく、ソングライターとしてもプレイヤーとしても4人揃ってド真ん中を狙う姿勢。そしてKEYTALKがKEYTALKであるために4人が身につけた"王道"は、外から見ると"異様"であり、とんでもないスゴ技であることが今作を聴くとよくわかる。山場だらけのメロディ。突然の転調。それを見事に乗りこなすツイン・ヴォーカル。不思議な軌道を描くギター。様々なリズム・パターンを繰り出すドラム。これだけいろいろやっているのにどこかケロッとしているのは、重ねた歳月によるところが大きいのだろう。(蜂須賀 ちなみ)
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2013年にメジャー・デビューしてからの、14枚のシングル表題曲+タイアップやライヴ人気曲からなる20曲に、怒濤の5年間の進化を感じるベスト・セレクション。首藤義勝、寺中友将のツイン・ヴォーカル、四つ打ち、目まぐるしい転調とどこかメランコリックなメロディは今でも独特だ。「MONSTER DANCE」、「桜花爛漫」など和テイストの振り切れっぷり、祭りというテーマを太いファンクに昇華した「MATSURI BAYASHI」あたりから、全体の屈強さもアップ。ストリングスとプリミティヴなビートと、EDM風味を融合させた「Summer Venus」に至っては、楽しいことを120パーセント体現するKEYTALKの真骨頂だ。完全生産盤にはライヴ映像も。フィジカルならではのお楽しみは見逃せない。(石角 友香)
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移籍第1弾アルバムを幕開けるのは「DE'DEVIL DANCER」。この曲で思い起こすのは、最強のライヴ・チューンとしてバンドのスケールを大きくした「MONSTER DANCE」。あの曲のリリースから5年を経て、タフに進化をした今のKEYTALKが爆裂なダンス・チューンを描いたらどうなるかというのが冒頭の曲だ。同曲を筆頭にスマートなアレンジ力に磨きをかけて、EDMからロカビリー、彼らならではの躁的でカオスなサウンドからグッド・メロディのキャッチーさまで、多彩なエッセンスをKEYTALK節として昇華した12曲。4人のキャラクターを生かして曲を書き、曲の物語や力を最大限にするアイディアを重ね、テクニカルな面でも緻密なこだわりを感じる。ライヴでどう化けていくか楽しみ。(吉羽 さおり)
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前作「黄昏シンフォニー」に続き、今のKEYTALKが考える"普遍性"が、お馴染みの和なメロディやギター・リフ、親しみやすい歌メロに集約されている感があるタイトル・チューン「セツナユメミシ」は首藤義勝(Vo/Ba)作の楽曲。ただもちろん聴きやすさの中にもアウトロ前の転調や、歌メロの裏で情景を描く小野武正(Gt/MC/Cho)のフレージングの細かさは過去最強かも。そしてこのシングル、メンバー全員の曲が収録されているのもアルバム以降のモードを知る絶好の手がかりで、ニュー・レイヴを再解釈したような小野作の楽曲、最もぶっ飛んだアート・ロック且つ真っ青で複雑なメロディを持つ八木優樹(Dr/Cho)作の楽曲の底知れない白昼夢感と不気味さには唖然。最後は素直でフォーキーな巨匠ナンバーで安定の締めくくりという、ボリューミーな1枚。(石角 友香)
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少々の懐かしさも漂う歌謡としての強さのある歌始まりからして意表を突く、KEYTALKの10枚目のシングル。何より、不安の最中にある過去の自分に対して、強く思うことで未知の可能性を掴める、もっと言えば自分は自分を裏切らないだろうという未来からの手紙のような力強いメッセージが新鮮だ。前作の表題曲「Love me」から徐々にストレートになってきた首藤楽曲のさらなる変化でもあり、これまで彼らのシャイネスゆえか前面に出してこなかった意思表明とも取れる。2分台のショート・チューンに8ビートも四つ打ちもスカも盛り込んで疾走する、とにかく熱い1曲。カップリングはインディーズ時代からの人気曲「amy」のライヴ音源を収録。従来のスタジオ・テイクとは異なるライヴならではの首藤、寺中のヴォーカルが聴きどころ。(石角 友香)
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KEYTALKのシングル表題曲としては珍しい、ちょっとアップ気味のミディアム・テンポが新鮮な「Love me」。16ビートながら、さらっとポップに聴かせる音像が首藤義勝(Vo/Ba)作曲ナンバーらしい。そんな中でもゴリッとした感触の、小野武正(Gt/MC/Cho)のカッティングがロック・バンドのダンス・チューンとして個性を際立たせている。カップリングの寺中友将(Vo/Gt)作曲、歌詞は寺中と八木優樹(Dr/Cho)の共作である「SAMURAI REVOLUTION」は、"バンド戦国時代"など一瞬シリアスなバンド・シーンからの現状報告に思えて、語り口調やアレンジによって少々時代劇風のニュアンスも醸し、飛び道具っぽいユニークな1曲に仕上がっている印象も。「金木犀」は、アッパーな四つ打ちにハードなコード感、歌メロの裏を行く小野のギター・フレーズ、そしてエンディングの唐突ささえも小野らしい。(石角 友香)
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KEYTALKのインディーズ時代の限定盤4作品、いわゆる"KTEPシリーズ"には、現在のライヴでもピーク・ポイントにくるキラー・チューンが満載。だが、今は入手困難で高値がついている状況に朗報! というわけで全曲をコンプリートしたアルバムをリリース。そりゃ「MABOROSHI SUMMER」も「祭りやろう」も「太陽系リフレイン」もCDで持っときたいでしょ! しかもお蔵入りになっていた「MABOROSHI SUMMER」の別バージョン、DVDにもこれまた廃盤になった"SUGAR TITLE TOUR DVD"、"オムスターの逆襲DVD"を収録。メジャー・デビュー以降や最近ファンになった人へのプレゼント的な企画でもあるが、KEYTALKの楽曲構造のオリジナリティ、レコーディングの工夫の跡が聴こえてくる大事な記録でもある。(石角 友香)
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2ヶ月連続リリースのシングルはKEYTALKの音楽的なレンジと演奏者としての攻めの姿勢を感じる、メンバー各々が作詞作曲した4曲を収録。寺中作の表題曲は彼お得意の"お祭り系"の中でも突出した太いファンクネスとスピード感が融合。爽快感の中に洋楽インディーなコーラスが映える首藤作の「boys & girls」、驚きのジャズ/フュージョン・テイストをものにした八木作の「wasted」は、KEYTALK史上最も大人なナンバーかも。そして前作収録の「KARAKURI夢ドキュメント」と連作めいた小野作「赤いサイコロのMAYAKASHI」。ぜひその繋がりも意識して聴いてみてほしい。それにしてもゲームのステージをクリアするような軽快さで、その実、曲のハードルを上げていく4人は逞しいのか、ドMなのか?(褒めてます)(石角 友香)
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四者四様の"KEYTALKのロック感"はいい意味で見事なまでにバラバラで、それだけにこのバンドの武器の多さも再認識させられる。首藤作のタイトル・チューンは80年代のサザンオールスターズばりの歌謡感と相対する演奏のタフさがキャッチーであるし、ファストなスカ調の小野作品は最も今のバンドの状態を示唆する歌詞が、彼のナイーヴな感受性の発見にも。作詞にもチャレンジした八木作品は、珍しく"ロックな二枚目"タイプの疾走する8ビートが激しく新鮮。一部リズム・チェンジする部分がむしろスタンダードに聴こえるのがKEYTALK節が定着した証か。ラストは寺中作の2ビート・メインのラウド/ミクスチャー系。エフェクト・ヴォイスで歌われる歌詞に意味を求めない怪作。クアトロAサイド・シングルと受け止めたい濃厚さ。(石角 友香)
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フロント3人が曲を作れる強みはもちろん、『HOT!』から、フックありまくりでメロも残る首藤、美メロの巨匠(寺中)、シュールでエッジ立ちまくりの小野という役割分担が、この1年の経験を経て変化したことを感じるシングルだ。お互いの得意分野がよりKEYTALKとしての個性になって堂々と鳴らされる。それを最も象徴しているのが、大人になって自分のいる場所も自覚し、だからこそそこから見る夢について歌う「スターリングスター」の説得力。輝度の高いサウンドと上昇するサビが美しくも切ない。また、KEYTALKの作曲マナーも何気に綴られている「鏡花水月」のめくるめく展開、ピアノのアレンジが印象的な「summer end」。3曲とも曲ごとの色と言葉が鮮烈だ。(石角 友香)
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退屈なロックもあれば、思いっきり尖ったJ-POPもある。呼び方なんてどうでもいい、とにかくまだ世の中に存在しないポップ・ミュージックを作るのだ。というKEYTALKのオリジナリティがグッと進化したメジャー2ndアルバム。いきなり1曲目から首藤(作詞作曲も)の脱力ラップで始まり怒涛の展開を見せる「YURAMEKI SUMMER」、歌を聴かせつつ低音の迫力も増した寺中作の「グローブ」、アブストラクトなビート感を人力で昇華した小野作の「Human Feedback」、最もこれまでのKEYTALKっぽいリズムを持つ八木作曲「キュビズム」には、小野のちょっとシニカルで歌詞的なものを超越する言葉が乗っているのも痛快だ。ハードな曲でもバラード寄りでも全体的に音像が豊かになったことも新鮮な聴感をもたらす。(石角 友香)
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ぶっとい16ビートのイントロからガラリと景色が変わるサビ始まりと、どこか90年代以前の歌謡曲を思わせるメロディ。年齢を問わず甘酸っぱい思いが胸をよぎりそうな、KEYTALKが放つより広いフィールドを目指すタイトル・チューン「FLAVOR FLAVOR」。本格的な春の声もまだ聴こえないが、早くも夏が待ち遠しくなるほど季節感や温度のある楽曲だ。新たな王道を目指した首藤の同曲を始め、小野が幾何学的なフレーズを封印し、 ひたすらリフとコードで押しまくる(作詞・作曲も小野)「ナンバーブレイン」、寺中の美メロ体質が全面的に表出した「Stand By Me」では、同時にシンセやオルガンのアレンジが曲の輝度を上げ、彼ら流のシンセJ-POPワールドを表現。ジャンルが細分化された時代の中で普遍性に挑戦した1枚。(石角 友香)
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トライバルかつお囃子を思わせるビートから、往年のアイドル歌謡的なアレンジ、UKインディーぽい3連のソリッドなギター・リフ、サンバのリズムとエキゾチックなシタールの音......とおよそ世界のダンス、お祭り騒ぎが4分半にめくるめく速度で展開するタイトル曲の強烈さ。首藤のサザン好きが垣間見られる歌詞もニヤリとさせられる。一転、キラキラのキーボード・サウンドがJ-POPという呼称以前の日本のポップスを思い出させる「エンドロール」では寺中のセンスが炸裂。KEYTALKの作曲能力、エクストリームなアレンジ・センスが堪能できる前半2曲に続き、これまでを踏襲した「FREEDOM」、血液型シリーズ(?)第3弾「O型」の4曲を収録。さらに遠くまでKEYTALKの存在が届きそうなシングルだ。(石角 友香)
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変拍子、転調、美メロ、そしてマスロック、メタル、ジャズ、フュージョン、ポップスという物理とジャンルが交錯しつつギリギリのバランスで成立するKEYTALKの男の子チックな世界観はそのままに、1曲ごとの強度が増したモンスター的な2ndアルバム。特に首藤義勝のソングライターとしての覚醒は凄まじく、「バミューダアンドロメダ」や「MURASAKI」に登場する一歩間違えると気持ち悪ささえある転調やマイナー・メロディと、妖しさ満載な歌詞は物理的なスリルのネクスト・レヴェルを見せる。また、エディットのセンスが冴えまくる小野武正の「BEAM」のテクノ的な痛快さ、美メロの王道を行く寺中友将の「メロディ」、初めて曲が収録された八木優樹の「YGB」も聴きどころ。脳と肉体を直撃する13曲。(石角 友香)
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2ndシングルとなる本作は、プロデューサーにNARASAKI(COALTAR OF THE DEEPERS、特撮。ももいろクローバーZやBABYMETAL、上坂すみれらの作品の作曲編曲も手がける)を迎え、彼の提案により一発録りに挑んだ新曲2曲を収録。ギター・サウンドの太さやリズムの臨場感は表題曲の「パラレル」「サイクル」ともにグッと増した印象。「パラレル」は4つ打ちから8ビート、レゲエ・ビートへとめまぐるしく変化するリズムも通して演奏していることで、流れの良さと勢いが加速。「サイクル」は寺中のラップ調の早口ヴォーカルが新鮮だ。また、通常盤には昨年11月17日のLIQUIDROOMのライヴから「UNITY」を収録。初回限定盤にはなんと7曲を収録! 現場感に胸躍る。(石角 友香)
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攻めのキャッチーでリスナーをフック・アップするKEYTALKが放つメジャーからの第1弾シングル。タイトルになっている「コースター」は四つ打ちとトリッキーなギターはもちろん、寺中と首藤の異なる声質かつどちらも伸びやかなヴォーカルが交互に登場するスピード感も聴きどころ。小野のギターが暴れまくる「スポットライト」、90年代のロック寄りの、J-POPにも似た王道感のあるメロディ・ラインが、同世代、同系列、いや、他の世代にもなかなかないスケール感の「Winter March」はライヴキッズ以外にもぜひ聴いてもらいたい逸品。一転、幾何学的なギター・リフと踊れるビートに時折挟まれるシンコペーションや、歌とベースのユニゾンなど、アレンジも演奏も痛快な「OSAKA SUNTAN」の新曲4曲を大盤振舞い。(石角 友香)
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the cabsにも在籍の首藤義勝(Vo/Ba)と寺中友将(Vo/Gt)のツイン・ヴォーカルとALASKA JAMなど様々なバンドでギターを弾く小野武正(Gt)、そして八木優樹(Dr)からなる4人組バンドKEYTALKが待望の1stフル・アルバムがリリース。彼らの武器である超絶キャッチーなギター・ロック・サウンド、先を読めない展開は更に進化をしている。Track.3「fiction escape」の疾走感溢れる軽快で陽気なポップ・チューンからTrack.7「茜色」のホロリとさせるバラード、そしてまさにJ-POPの真骨頂とも言えるキャッチーなメロディを料理したTrack.11「summer tail」。2009年に結成してからKEYTALKファンが首を長くして待ちわびた1stフル・アルバムは期待を裏切らない超絶キャッチーな作品だ。(伊藤 啓太)
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CDを再生した瞬間から“これは……!”と唸らずにはいられないキラー・チューンが詰め込まれた攻めの2000枚限定マキシ・シングル! 凝ったマニアック性と大衆の心もグッと掴みそうなキャッチーなメロディの絶妙なところをついてくるバランス感覚はさすが。かゆいところに手が届くような“こんな曲たちを待ってた!”と声高らかに叫びたくなる快作。Track.1「MABOROSHI SUMMER」はアッと驚くような予想もつかない展開がクセになり、気になるワードが詰め込まれた初っ端からぶちかましている1曲。ポップにもロックにも全速力で駆け抜けていくジェット・コースターのような全4曲にKEYTALKというバンドの多面性と底力を見た。(高橋 香奈)
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