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INTERVIEW

Japanese

GANG PARADE

2019年10月号掲載

GANG PARADE

Member:カミヤサキ ユメノユア ユイ・ガ・ドクソン 月ノウサギ

Interviewer:宮﨑 大樹

自身最大規模のワンマン・ライヴとして行われた"CHALLENGE the LIMIT TOUR"日比谷野外大音楽堂公演にてナルハワールドが加入し、10人体制となったGANG PARADEが、メジャー初アルバムを完成させた。本作のタイトルは"LOVE PARADE"。アイドルとしては王道なテーマとも言える"愛"、そして彼女たちがこれまでストレートには歌ってこなかった印象のある"愛"を、なぜ今このタイミングで歌うのか。その理由に迫るべく、カミヤサキ、ユメノユア、ユイ・ガ・ドクソン、月ノウサギの4人に話を訊いた。

-少し期間が空いてしまいましたが、自身最大規模のワンマン・ライヴとして行われた"CHALLENGE the LIMIT TOUR"を振り返ってみていかがでした?

サキ:野音は大阪が9人ラスト、日比谷が10人のスタートだったんですけど、大阪で変な終わり感はなく両方とも純粋に1公演1公演をやり切ろうっていう気持ちでできたライヴだったかなと。体制が変わることに引っ張られることはなく、野音という特性もあってかお客さんひとりひとりの表情を感じながら、同じ空気を共有できたライヴだったと思います。

ドクソン:メンバーの遷移が多かったんですけど、今回は体制が変わるっていうよりは新たなGANG PARADEが始まるっていうイメージが強くて。9人体制の終わりっていうのは事実としてあっても、次のGANG PARADEに繋がるバトンみたいな感じでした。終わって始まるというよりは、繋がっていく。シーズン1とシーズン2みたいな。あと、野音という場所の幸福感がすごくて、ケセランパサランが飛んでいてもおかしくなかった。

一同:(笑)

ドクソン:野音という場所のパワーは、今後のGANG PARADEにいいものをもたらしてくれる、そんな場所でしたね。

月ノ:私はひとつのツアーで終わりと始まりを迎えるっていうことに意識というか、いろんな思いを感じていました。あと、純粋に大阪野音も日比谷野音も、個人的に思い入れのある場所だったんです。大阪野音は私とハルナ(ハルナ・バッ・チーン)の合格発表の地で、私がWACKを知ったきっかけがBiSHの日比谷野音の「オーケストラ」の動画でした。そこで自分たちの終わりと始まりを迎えられることに運命を感じていて。あとは純粋に野音の景色が忘れられないですね。大阪も日比谷も明るいうちにライヴが始まったので、ステージに立った瞬間に本当にみんなの楽しそうな顔が見えて。大阪も日比谷も、1曲目で「ブランニューパレード」をやったんですけど、楽しすぎて泣きそうになっちゃいました。楽しすぎて涙が出ることなんて人生でなかなか経験しないと思うんです。大切な、特別な思い出として心に残っています。

-今までのライヴとは違う何かがあった。

月ノ:今までのツアーはツアー・ファイナルに向けて成長していく色が強かったんですけど、今回は大きい公演がふたつあって、終わりと始まりを迎えるというパターンだったので。ツアーというよりは両方のライヴをやりきることを考えていました。

ユア:私は人数のことは重要視していなかったんですけど、振り返ってみるとGANG PARADEの歴史にとって大事な日だったなっていうのは思います。実際にステージに立って一面に人がいるのを見て、すごい景色だなって思って。そこに素直に感動しましたね。ライヴの後半になるにつれて増したお客さんとの一体感は今でも忘れられなくて。野音のBlu-ray(2019年9月リリースの映像作品『CHALLENGE the LIMIT TOUR at 日比谷野外大音楽堂』)を観たときに、当時ステージに立ったときよりも、"ここにGANG PARADEはいたんだな"って思いました。そういう経験をさせてもらえたことがすごくありがたいというか、幸せだなって思ったし、これからさらに増えていくであろう遊び人(※GANG PARADEファンの総称)のみんなと、もっと楽しいことをしていきたいなって思った日でしたね。

-メンバーの増減を重要視していなかったという話が出ましたけど、東京公演である5月26日の日比谷野外大音楽堂にて、新メンバーとして加入したナルハワールドさんのお披露目がありました。みなさんから見たナルハさんの印象ってどんな感じなんでしょう?

ドクソン:真っ白ですね。

ユア:うん。何色にもなれる。

月ノ:とんでもなく純粋な子が入ってきた、どうしようって(笑)。乾いたスポンジみたいになんでも吸収できる子なんですよ。

ドクソン:例えのクセ強っ!

月ノ:ケセランパサランに言われたくない(笑)。良くも悪くも自分のスタイルを確立できていないと思うので、例えばサキさんが振付を教えたらその通りに身体が動くんですよ。他のメンバーは自分のクセとか自分の見せ方があるので、なかなかそうはいかないんですよね。覚えも早くて、野音の前のナルハの頑張りに助けられました。これからどんな子になるのか、こっち側としても楽しみだなと思います。

ドクソン:ピュアな面もあるんですけど、ナルハは腹黒らしいんですよ。自分でも言っていたことなんですけど。

サキ:意外とここ(腹)にあるよね。

ドクソン:ひとりで加入したっていうのもあって、遠慮もしていたし、練習もいっぱいいっぱいで。心情をラフに話すっていうのはやりづらかったと思うんですけど、わかるんですよね。わりと強いものを持っているし、それは真っ白ではないかもしれない(笑)。あと、ちょっとギャルなんですよ。根がギャルなので根ギャルって呼んでいるんですけど(笑)。大人しくて口数の少ない子に見えると思うんですけど、意外と自分自身の意志はブレない。

サキ:そうそう、心の中で突っ込んでいるタイプだと思う。

-ナルハさんの前に加入したのは月ノさんとハルナさんですけど、遠慮したり気をつかったりっていう気持ちはわかるんですか?

月ノ:敬語が抜けないとかはすごくわかりますね。私も敬語が抜けるまで半年くらいかかっていて。私はハルナが支えになっていたんですけど、ナルハはひとりで入ったので、そこはもっとつらいだろうなって思っていました。敬語については、敬語を使っていることが恥ずかしくなるときがいつか来るんですよ。"なんでみんなに敬語を使っているんだろう?"みたいな。そのくらい打ち解けられるようになったらいいなと思ってます。自然に緊張とかがなくなったらいいなと。

ドクソン:ナルハは最初のころの月(月ノ)とよく似ていますけどね。お披露目前の自分の追い詰め方とか。月もすごかったんですよ、言われたこと以上にできるようにしようとするところとか、弱音を吐かないとか、たまに声を掛けると涙目になるとか。

月ノ:(笑)

ドクソン:プレッシャーはすごかったでしょうね。だからそのぶん気に掛けてあげたくて。

サキ:ナルハは月ノよりも不安が見えないタイプだなと思いました。聞いたら涙目になるけど、いつも飄々とやっているからあんまり不安が見えない。

ドクソン:ずっとニヤニヤしてるんで。ニヤニヤフェイスなんですよ(笑)。

-ナルハさんが入ったことでグループに変化はありましたか?

サキ:個人的にはハルナが超成長したなって思います。

一同:あぁ~。

サキ:月ノとハルナにとっては初めての後輩だから、先輩になって意識する部分が増えたのかなと。ハルナは、みんなには言わないけど、ナルハが入ったことで自分の見せ方とかライヴでの存在感の出し方を意識するようになったんだなっていうのは見ていて思います。

月ノ:今までは7人の背中を見続けてきたんですけど、逆に背中を見られる立場になるなっていうのは意識しましたね。私もそうなんですけど、新メンバーって先輩から学ぶので、ナルハに見せられる背中っていうか、ちゃんとしないとなっていう意識を持ちました。ナルハという後輩が入ったことでそういう心情の変化はありましたね。ハルナも言ってはいなかったんですけど、きっとそういう部分はあったんだと思います。

-グループとしてもプラスになっているようですね。ライヴ活動以外では"PARCOプロデュース「プレイハウス」"で初のミュージカル出演もありました。歌舞伎町の風俗嬢というのはなかなか難しい役だった部分もあるんじゃないですか?

ユア:風俗嬢って聞いて、最初は難しいなって思っていたんですけど、脚本を書いてくれた根本(宗子)さんがメンバーの色を汲み取ってくれていたんです。もともとGANG PARADEを好きでいてくださったというのはもちろんあるけれど、その子に合った役を考えて脚本を書いてくれたので、それぞれの役の中でもその子が見える瞬間っていうのは10人全員にありました。あまりにも違う役っていうわけではなかったから、感情を込めやすかったり、メンバーの楽屋の雰囲気のまま風俗嬢の楽屋の感じを書いてくれたりしたので、そういう意味ではやりやすかったです。私たちは初めての舞台だったので、ギャンパレ(GANG PARADE)だけたくさん練習させてもらっていたんですけど、一緒に出てくれた俳優さんが温かく見守ってリードしてくれて、スタッフ陣、キャスト、全員からの愛を感じながらできたので楽しい現場でした。

ドクソン:パラレルワールドのGANG PARADEみたいなイメージでしたね。そのままの自分ではないんですけど、まったくの他人を演じているわけでもなくて、歌舞伎町の風俗嬢になった世界線のGANG PARADEみたいな、そこの絶妙さを出した根本さんがすごいなって思って。

-たしかに、GANG PARADEのイメージに沿っていたというか。

ドクソン:私が言ったことのある言葉もいっぱいありました。ただ、私と"お芝居に出てくるユイ・ガ・ドクソン"の違いを探したことがあったんですけど、そうしたら、"私はあんなに優しくないなぁ"って思って。

サキ:めっちゃわかる! 私も同じこと思った。"こんなにいい奴じゃねぇ"、"こんなに頭良くねぇ"って(笑)。

ドクソン:自分っぽいところと自分より勝っているところを感じながらやるのも楽しかったですね。不安もあったんですけど、最終的にお芝居が楽しいって思えたのは根本さんのおかげです。